
企業におけるリスクの種類と事業継続のために特定すべき理由
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事業を守るために必要不可欠なリスクマネジメントですが、リスクの洗い出しを行う際にどのようなリスクがあるのか把握し切れておらずにリスクを十分に特定できないと困っている企業の防災担当者も中にはいるでしょう。
そこで本記事ではリスクを十分に洗い出せなかった場合の悪影響や企業の主なリスクの種類などを説明していきます。
この記事を読むことで企業におけるリスクの理解が深まるので、リスクの洗い出しがスムーズに行えるようになるはずです。
リスクマネジメントで不可欠なリスクの洗い出し
リスクマネジメント(Risk management:リスク管理)とは、事業を取り巻くリスクを特定した上で分析・評価し、対策を行うプロセスのことです。
事業を守るためにはリスクマネジメントの第1歩であるリスクの洗い出しが欠かせません。
リスクの種類が多岐に渡るなど様々な理由によってリスクを思うように特定が特定できない場合がありますが、十分にリスクを洗い出せなかった場合は的確な対策を実施できずに深刻な被害が発生してしまうおそれがあるため、注意が必要です。
詳しく事業を取り巻くリスクを洗い出すコツを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
企業におけるリスクの主な種類
では、企業は具体的にどういったリスクを抱えているのでしょうか。
この章では企業の主なリスクを説明していくので、特にリスクマネジメントを進める上でリスクの特定に難航している企業の担当者はぜひ参考にしてください。
経営リスク
経営リスクとは、企業が経営を行う上で生じるおそれのあるリスクのことであり、主には以下の種類があげられます。
- 経営判断ミスによる業績の悪化
- 展開した事業の難航
- 人材の流出
- 商品のリコール
- 競合企業の参入 など
経営リスクは、企業を経営する上では発生し得るリスクなので、そのほかのリスクとあわせて十分に対策をしておく必要があります。
災害リスク
災害リスクとは、自然災害や事故などの災害によって引き起こされるリスクのことです。
主な災害リスクは以下のとおりですが、災害と一口に言っても自然災害・人為災害・特殊災害に分類される多種多様な災害があるため、災害対策を行う上では可能な限り多くの災害を知っておかなければなりません。
- 台風や地震などの自然災害
- 火災や労働災害などの人為災害
- 感染症の蔓延
- 設備や機器の操作ミス
- 交通事故 など
詳しく災害を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
労務リスク
労務リスクは、労働問題によって発生するリスクのことであり、労働問題によって裁判や損害賠償金の支払い等によって企業のイメージダウンなど深刻な事態へ発展してしまうおそれがあります。
主な労務リスクは、以下のとおりです。
- 長時間労働やそれに伴う残業代の未払い
- セクハラやパワハラなどのハラスメント
- 労働条件の相違
- 社員による情報漏洩 など
法務リスク
法務リスクとは、法令や契約の違反によって企業が受けるリスクのことで、長時間労働やハラスメントなど前述した労務リスクと内容が一部重なる場合があります。
主な法務リスクには、以下の種類があります。
- 優越的地位の乱用
- 知的財産権の侵害
- 景品表示法違反
- 虚偽申告
- 製造物責任 など
財務リスク
財務リスクとは、企業の運転資金の調達や投資による損失などで発生するリスクのことです。
主な財務リスクには、以下の種類があげられます。
- 業績や資金繰りの悪化
- 金利・為替変動
- 取引先の倒産に伴う貸し倒れ など
欧米のリスクマネジメントでは、近年までこの財務リスクが最も危惧され、保険への加入など様々な対策を取り入れられていました。
発生するおそれがあるリスクは業種などによって異なる
リスクの種類は多岐にわたりますが、発生しやすく影響度の高いリスクは業種によって異なるため、必ずしも全てのリスクに対して重点的に対策しておく必要はありません。
優先して対処するべきリスクは、リスクマネジメントにおけるリスクの分析・評価で特定していく必要があります。
分析は縦軸にリスク発生時の影響度、横軸にリスクの発生確率を書いた表であるリスクマトリクスを作成し、リスクの等級を定めていきます。
その後に「リスクレベル=リスク発生確率 × 影響度」の計算式でリスクレベルを求めた上でリスクの評価に基づいて対策を考えていきましょう。
リスク情報の早期検知に役立つFASTALERT
FASTALERTではTwitterなどのSNSを中心に様々なリスク情報を分析した上でリアルタイムに提供しています。
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
最後に
リスクの種類は多岐にわたるため、全ての把握は難しい場合もあるものの、それでも的確にリスクマネジメントを進めるためには可能な限り多くのリスクを把握しておくことが重要です。
業種や事業の規模などによって優先して対処するべきリスクは異なりますが、この記事を参考にリスクの種類を把握し、リスクの洗い出しを円滑に進めていきましょう。