
事業が抱えるリスクを可視化するリスクマップの基礎知識
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リスクマネジメントで洗い出したリスクの等級を分かりやすく可視化するために用いられているリスクマップですが、特にこれから初めてリスクマネジメントを行う企業担当者はリスクマップをどのように考えれば良いのか困っているのではないでしょうか。
そこで本記事では、そんな企業の担当者のためにリスクマップや対策が必要なリスクの考え方などを説明していきます。
この記事を読むことでリスクマップの理解が深まるので、ぜひ最後まで読み進めてください。
リスク分析の結果を可視化するリスクマップ(リスクマトリクス)
リスクマップ(リスクマトリクス)とは、後述するリスクマネジメントで洗い出したリスクの発生頻度・リスクの影響度を記載した図表のことです。
リスクマップに決まったフォーマットはありませんが、下記の画像のように縦軸にリスクの影響度、横軸にリスクの発生頻度とし、5段階でリスクの等級を決めていくのが一般的であり、リスクの可視化と対処するリスクの優先順位をスムーズにつけることができるため、的確なリスク対策を考える上で役立ちます。
上記のようにリスクマップでリスクの等級を決めた上で、優先的に対処していくリスクを選定していきますが、決して影響度が大きく発生頻度の高いリスクのみを対策すれば良いということではありません。
事業の経営資源には限りがあるため、影響度と発生頻度が低いリスクに関しては早急に対処する必要はありませんが、以下の場合は事業を守るために対策に講じることが重要です。
- 発生頻度は低いが、影響度が大きいリスク
- 影響度は低いが、頻繁に発生するリスク
リスクマップの作成後にどのようなリスク対策を行うべきなのか困っているという企業の担当者は、以下の記事をご覧ください。
リスクの洗い出しなどを行うリスクマネジメント
リスクマネジメント(Risk management:リスク管理)とは、災害や事故など企業を取り巻くリスクを事前に把握し、リスク対策を行うプロセスのことであり、リスクの洗い出し・リスク分析と評価・リスク対策の実施を行いますが、リスクマップはリスク分析と評価で用います。
リスクマネジメントでは、各部署から集めた複数の担当者で事業に取り巻くリスクを徹底的に洗い出していきますが、洗い出すリスクが偏ってしまった場合は把握できなかったリスクが想定外の事態として襲来し、事業に深刻な悪影響を与えてしまうおそれがあるため、注意が必要です。
今回は簡易的な説明となりましたが、詳しくリスクマネジメントを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
リスクマップはあくまでも手段の1つ
リスクマネジメントでリスク分析・評価をする上で役立つリスクマップですが、あくまでもリスクの可視化やリスク対策を考えるための手段の1つであり、リスクマップの完成はゴールではありません。
リスクマップの作成後におおよそのリスクマネジメントをやり終えたと安心してしまう方もいますが、手段としてのリスクマップを活用した上で、その後に的確なリスク対策を実施することが事業を守るためには必要不可欠です。
また、リスクマップを用いれば、瞬時に事業にどのようなリスクが取り巻いているのかを把握することができますが、必ずしも万能な手法ではなく、あまりにもリスクの数が多ければそれに比例して内容を直感的に把握しづらくなっていくデメリットもあります。
リスク情報を早期把握できるFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
最後に
事業を守るために欠かせないリスクマネジメントを行う上で役立つ手法であるリスクマップを用いれば、スプレッドシートなどでリスクを羅列しているよりも瞬時にリスクを把握しやすくなります。
しかし、あくまでもリスクマップはリスクを分かりやすく可視化する手段なので、リスクマップの作成に満足することなく、その後に事業を守るための最善のリスク対策を考えていきましょう。