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リスクコミュニケーションが重視される理由とその適切な方法


目次[非表示]

  1. 1.相互理解を目指すリスクコミュニケーション
    1. 1.1.リスクコミュニケーションの送り手の4つの義務
    2. 1.2.リスクコミュニケーションを行わなかった場合の悪影響
    3. 1.3.主なリスクコミュニケーションの種類
  2. 2.クライシスコミュニケーションとの違い
  3. 3.リスクコミュニケーションを行うための3ステップ
    1. 3.1.ステークホルダーに影響するリスクを洗い出す
    2. 3.2.リスク管理で優先するリスクを決める
    3. 3.3.意見交換で信頼関係を構築する
  4. 4.リスク情報を早期把握できるFASTALERT
  5. 5.最後に
  6. 6.関連お役立ち資料集


※2021年5月27日更新

遺伝子組み換え食品や有害化学物質などを扱う企業は発生するリスクを消費者や地域住民などのステークホルダーに対してリスクコミュニケーションを実施し相互理解を得るべきです。

しかし具体的なリスクコミュニケーションの方法がよく分からず、ステークホルダーに対して一方的に合意を求める状況になってしまっている企業も少なからずあるでしょう。

今回はそんな方のためにリスクコミュニケーションの基本や具体的な手順などを説明していきます。

この記事を読むことで適切にリスクコミュニケーションを実施できるようになるので、ぜひ読み進めてください。

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相互理解を目指すリスクコミュニケーション

話し合い

リスクコミュニケーションとは、災害や事故など企業が抱えるリスクを消費者・地域住民などのステークホルダーに情報共有し、相互理解を目指す手法のことです。

企業におけるリスクコミュニケーションでは、企業側だけではなく、あくまでも利害関係者に悪影響を及ぼす、または引き起こす可能性のある事態のことをリスクと考えています。

具体的には河川の氾濫や工場の有害化学物質、遺伝子組み換え食品などの環境や健康に関するリスクがあげられ、これらのリスクがある企業ではステークホルダーの理解を得るために定期的なリスクコミュニケーションの実施が必要不可欠です。

リスクコミュニケーションの対象になるステークホルダーは、企業が活動することで利害が生じる関係者のことであり、少しでもリスクの影響を受けるおそれがある行政機関や労働組合、個人など幅広い利害関係者が含まれています。

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このリスクコミュニケーションは、企業などのリスクの送り手側が一方的にステークホルダーに説得を図ったり、情報を発信したりするものではありません。

企業は、ステークホルダーを巻き込む可能性のあるリスクを共有した上で意見交換を行なってお互いの信頼関係を築いていくことがもっとも重要です。

そのため、企業が共有したリスクに対する反対意見や議論が起きても問題はなく、企業とステークホルダーの両者が共にリスクの対策を考えていきます。

リスクコミュニケーションの送り手の4つの義務

リスクコミュニケーションの理念は、慶應義塾大学の吉川肇子教授が1987年に発表された社会心理学者のスターレンとコポックによる「リスクコミュニケーションの送り手の4つの義務」を紹介しています。

【①実用的義務】
危険に直面している人々は、害を避けられるように、情報を与えなければならない。

【②道徳的義務】
市民は選択を行うことができるように、情報に対しての権利を持つ。

【③心理的義務】
人々は情報を求めている。また、恐怖に対処したり、欲求を達成したり、自らの運命をコントロールするのに必要な知識を否定するのは不合理なことである。

【④制度的義務】
人々は、政府が産業リスクやその他のリスクを効果的かつ効率的な方法で規制することを期待している。また、この責任が適正に果たされていることの情報を受けることも期待している。

企業などの送り手側がリスクを曖昧に伝えたり、リスクをステークホルダーに対して隠したりするなどリスクコミュニケーションの送り手の4つの義務のいずれかが果たされないと適切なリスクコミュニケーションにはなりません。

リスクコミュニケーションを行わなかった場合の悪影響

ステークホルダーには企業が抱えるリスクを知る権利がありますが、もし企業がリスクコミュニケーションを的確に行えなかったり、発生するおそれがあるリスクを過小評価していたりした場合はどのような悪影響が発生してしまうのでしょうか。

もしリスクコミュニケーションを十分に行わないまま、リスクが発生してしまった場合は、ステークホルダーからリスクを隠していた、責任逃れをしようとしているなど批判的な目で見られるだけでなく、企業に以下の多大な悪影響が発生してしまうおそれがあります。

  • 企業のイメージダウンやそれに伴う資金調達の難航
  • 顧客離れによる業績の悪化や株価の下落
  • 採用活動の停滞 など

状況によっては事業継続に深刻な被害をもたらしかねないので、事業を守るためにも平時からステークホルダーに対して十分にリスクコミュニケーションを行なっておくことが重要です。

万が一、リスクコミュニケーションで共有していたリスクが発生した場合は、すみやかに後述するクライシスコミュニケーションを行う必要があります。

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主なリスクコミュニケーションの種類

リスクコミュニケーションに慣れていないために難しいと考えている方も中にはいるかもしれませんが、決して特別な手法ということはなく、実際は日常的に行われているコミュニケーションの1つです。

主なリスクコミュニケーションの手段には、以下の種類があげられます。

  • 工場見学
  • 職場体験
  • 懇談会
  • 説明会 
  • 地域や近隣企業と行う合同防災訓練 など

ステークホルダーとの信頼関係を構築するためには、なるべく複数の手段を用いてリスクコミュニケーションを行うことが効果的であり、業種に併せてどのようなリスクコミュニケーションが適切なのかを考えておくと良いでしょう。

クライシスコミュニケーションとの違い

クライシスコミュニケーション

クライシスコミュニケーションとは、災害や事故などのリスク発生時に被害を最小限に抑えるために情報開示を行うコミュニケーションのことで、不祥事などが発生した際に企業が行う謝罪会見をイメージすると分かりやすいでしょう。

対象となるのは消費者・地域住民、メディアなどのステークホルダーでクライシスコミュニケーションでは正確な情報を迅速に開示することが重要です。

クライシスコミュニケーションの事例としては以下の雪印牛肉偽装事件があげられます。

2001年に農林水産省が国産牛肉に牛海綿状脳症(狂犬病)に感染したものがあると発表し、農林水産省は対策の1つとして流通させないように国産牛肉買取制度を始めましたが、雪印食品ミートセンターのスタッフが国産牛肉よりも価格の安い外国産牛肉を国産牛肉と偽り、買取費用を不正に請求し続けていました。

2002年にこの補助金詐欺が発覚し、雪印食品の吉田升三社長(当時)は記者会見で、本社の関与を否定しました。

しかし、後に本社の関与の隠蔽や経営の建て直しを優先するために約1,000名のパート・アルバイト従業員を一方的に解雇したことなどが発覚。

これらの要因が重なって雪印食品は大幅にイメージダウンし、その後、廃業となりました。

上記の事例のようにクライシスコミュニケーションで失言や誤り、初動の遅れなどがあれば企業のイメージダウンに繋がり、企業のその後の存続に関わりかねません。

そのため、適切なクライシスコミュニケーションを行いましょう。

リスクコミュニケーションとクライシスコミュニケーションの違いは、リスクコミュニケーションがリスク発生前に起こる可能性のあるリスクをステークホルダーと共有し意見交換を行いますが、クライシスコミュニケーションは実際にリスクが発生してからリスクに関する情報開示を行います。

詳しくクライシスコミュニケーションを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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リスクコミュニケーションを行うための3ステップ

リスク

ここまでリスクコミュニケーションの基礎知識を説明しました。次に具体的なリスクコミュニケーションの手順を解説していきます。

特に初めてリスクコミュニケーションを実施するという方は、どれも大切な情報になるので、ぜひ読み進めてください。

ステークホルダーに影響するリスクを洗い出す

リスクコミュニケーションを行うためには、まずは企業がどのようなリスクを抱えているのかを十分に把握しておかなければなりません。

そのため、リスクコミュニケーションでステークホルダーにリスクを説明する前に改めて企業が事業を行う上で発生するおそれがあるリスクを考えられる限り、リスク分析で洗い出していきます。

この作業は1人で行うとリスクが偏ってしまうことでリスクの把握が漏れてしまうおそれがあるため、各部署から担当者を集めて、複数人で漏れなくリスクの特定を行いましょう。

リスクの洗い出しが終わった後は、網羅したリスクにどのような危険性が潜んでいるのかを評価していきます。

このリスク評価では、以下の3点を具体的に記載していきましょう。

  • どのような危険性があるのか
  • どの程度の確率で発生するのか
  • どのような影響を及ぼすのか

また企業が重大なリスクだと捉えていない場合でも、ステークホルダーにとっては不安材料となる事柄も少なからずあるため、企業側でリスクを十分に理解し、きちんと説明しておけるように準備しておきます。

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リスク管理で優先するリスクを決める

リスク評価が終わったら、対策を行うリスクの優先度を決めていきましょう。以下3つのいずれかに当てはまるリスクの対策を優先的に考える必要があります。

  • 発生する確率が高い
  • 影響の範囲が広い
  • 危険性が高い

このリスク管理も1人に任せるのではなく、複数の部署の担当者が意見を出し合って、適切な対策を決めましょう。

リスクの分析・評価とリスク管理はリスクマネジメントと同様に考えていきますが、注意点としてはリスクコミュニケーションではステークホルダーに悪影響を与える事態のみをリスクと捉えます。

リスクマネジメントで分類される投機的リスク(企業に対して利益または損失をもたらすリスク)はリスクコミュニケーションでは考えないので、覚えておきましょう。

詳しくリスクマネジメントを知りたい方は、次の記事をご覧ください。

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意見交換で信頼関係を構築する

対象となる消費者・地域住民などのステークホルダーに事前にアンケートをとり、リスクに対してどのような不安を持っているのか、何に対して疑問を抱いているのかを確認し、準備しておきましょう。

その後、リスクの影響を受けるステークホルダーを集めてリスクコミュニケーションを実施します。

リスクに関する知識やデータなどの情報共有だけすれば良いと考えてしまうと、リスクがステークホルダーに正しく認知されないおそれがあるため、ファシリテーターとして知識やデータをステークホルダーに分かりやすい言葉で説明する専門家を呼びましょう。

ファシリテーターとは中立的な立場で議論など進行させる役割のことで、社外から専門家を招くようにします。

というのも企業の担当者などがファシリテーターになるとステークホルダーから特定の立場に偏っていると判断され、リスクコミュニケーションが適切に機能しないおそれがあるからです。

またフレーミング効果によって同じ内容でも表現が違うと受け取られ方が異なってしまうため、なるべく客観的な表現を心がけるようにします。

リスクコミュニケーションでは、企業だけでなくステークホルダーも主体的に発言できる場とし、お互いに意見交換をしながら企業側で定めた対策をよりブラッシュアップしていきましょう。

また1度リスクコミュニケーションを開催したらそれで終わりにするのではなく、継続的に開催し、ステークホルダーとの信頼関係を築いていくことが重要です。

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リスク情報を早期把握できるFASTALERT

災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。

しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。

この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。

FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。

弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。

詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。

最後に

ステークホルダーのみならず、事業を守るためには日頃から十分にリスクコミュニケーションを行うことが必要不可欠です。

リスクコミュニケーションは、ステークホルダーとの信頼関係の構築がもっとも重要なので、この記事を参考に平時から適切なリスクコミュニケーションを実施していきましょう。

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