
甚大な被害をもたらす竜巻の概要と安全のために行うべき対策
目次[非表示]
- 1.竜巻の基礎知識と発生する兆し
- 2.竜巻がもたらす深刻な被害
- 3.被害を最小限に抑えるために行うべき竜巻対策
- 3.1.BCP・防災マニュアルを策定する
- 3.2.すみやかに防災行動を行う
- 3.3.竜巻注意情報などを把握しておく
- 4.リスク情報を早期把握できるFASTALERT
- 5.最後に
- 6.関連お役立ち資料集
地震や台風と比べると竜巻の発生頻度が低いものの、もし竜巻が発生した場合は深刻な人的・物的被害を受ける危険性があるため、平時から十分に対策しておくことが重要です。
しかし、企業を守るために竜巻対策に注力しようと思っても、具体的にどのような対応を行えば良いのか困っている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では竜巻の概要と発生する被害、主な竜巻対策などを説明していきます。
この記事を読むことで竜巻に対して、どのように備えるべきなのか把握できるので、ぜひ参考にしてください。
竜巻の基礎知識と発生する兆し
竜巻とは、積乱雲に伴って発生する激しい風の渦巻きのことで、季節は問いませんが、7月から11月にかけて台風や寒冷前線、低気圧などの気象条件が揃っている場合に発生する傾向があります。
竜巻は短時間のうちに狭い範囲で被害をもたらし、日本における竜巻は数分から数十分ほどの寿命で、長さ数km〜数十km、幅数十〜数百mの範囲で被害が発生します。
一般的には時速40〜70kmの速さで進んでいくため、竜巻の前兆や防災情報を確認した時点ですみやかに安全な場所へ向かうことが大切です。
以下の前兆が確認された場合は、竜巻が発生するおそれがあるため、すみやかに防災行動を開始しましょう。
- 急に空が暗くなる
- 大粒の雨が降り始める
- ひょうが降り出す
- 雷が鳴り始める
- 耳鳴りがする
- ゴミなどが巻き上げられている
- 冷たい風が吹き出す など
竜巻がもたらす深刻な被害
竜巻は短時間のうちに狭い範囲で発生し、以下の深刻な被害をもたらします。
- 物や人が巻き上げられる
- 猛スピードの場合は車両や列車が転倒する
- 倒木が発生する
- 巻き上げられた物が飛来物となって建物を全半壊させる
- 竜巻の発生源である積乱雲に伴うひょうによって車両や窓などが損傷する など
特に猛スピードの竜巻の場合は、看板や屋根の破片などの飛来物によって建物が倒壊したり、建物の壁を突き破ったりするケースもあるため、竜巻が接近している場合は安全のために直ちに頑丈な建物の窓から離れた場所へ避難することが大切です。
前述したように竜巻は発達した積乱雲によってもたらされますが、竜巻以外にも積乱雲が原因となるダウンバーストやガストフロントなどの突風にも注意しなければなりません。
それぞれの詳細は、以下のとおりです。
【ダウンバースト】
積乱雲からの下降気流が衰えずに地表にまで吹き下ろすことで発生する突風
【ガストフロント】
積乱雲からの冷たい下降気流が温かい空気に流れ出すことで発生する突風
被害を最小限に抑えるために行うべき竜巻対策
では、竜巻による企業への被害を最小限に抑えるために平時からどのような対策に取り組んでおけば良いのでしょうか。
この章では企業における主な竜巻対策を説明していくので、ぜひ読み進めてください。
BCP・防災マニュアルを策定する
企業を守るためにあらかじめBCP・防災マニュアルに竜巻発生時の防災対応を明確に定めておきましょう。
BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、災害や事故など企業におけるリスク発生時にその被害を最小限に抑えて、事業の継続または早期復旧を図るための計画のことです。
BCPや防災マニュアルを策定していない状態でリスクに巻き込まれた場合、混乱によって的確な判断ができず、防災対応に遅れが生じることで被害が拡大してしまうおそれがあるため、事前に定めておきましょう。
また、BCPや防災マニュアルで定めた対応を社員に浸透させるためには定期的な防災訓練の実施が欠かせませんが、同じ内容を繰り返すだけの形骸化した防災訓練では想定外の事態が発生した際に対応できなくなるおそれがあります。
そのため、地震から竜巻に変更するなど防災訓練のシナリオを開催する度に変更することが重要です。
詳しくBCPや防災訓練のシナリオを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
すみやかに防災行動を行う
竜巻発生時は折れた木や建物の破片などが巻き上げられ、飛来物として建物や窓ガラスなどを損傷させていくため、竜巻の危険性が高まっている場合は以下の防災行動を行うと良いでしょう。
【屋内にいる場合】
・飛来物による被害を最小限に抑えるために雨戸やシャッターを閉める
・飛来物が突き破ってくるおそれがあるため、窓や壁付近には近づかない
・安全のために風通しのない浴室やトイレ、地下室などの最下階へ避難する
・部屋の中央にある机の下で身を屈める など
【屋外にいる場合】
・直ちに頑丈な建物の中へ避難する
・近くに頑丈な建物が見当たらない場合は、頑丈な構造物の物陰で身を屈める
・頑丈な建物や構造物が見当たらない場合は、水路などのくぼみで身を屈める
・木や電柱は倒れるおそれがあるため、近寄らない
・プレハブや車庫などが倒壊する可能性が高いため、立ち寄らない
・強い竜巻の場合は、車が転倒する危険性があるため、安全な場所で停車して避難するか、車内で身を屈める など
また事前の備えとしては、雨戸やシャッターをしめた上でガラス片が周囲に飛び散る事態を最小限に抑えるためにあらかじめ飛散防止シートを窓に貼っておくことが大切です。
竜巻注意情報などを把握しておく
すみやかに防災行動を開始するために、気象庁が発表する竜巻注意情報などに最大限の注意を払うようにしましょう。
竜巻に関連する防災情報は、気象情報・雷注意報・竜巻注意情報・竜巻発生確度ナウキャストの4つがあり、以下のように段階的に発表されます。
【気象情報(半日〜1日前)】
竜巻が発生する半日〜1日前に「竜巻などの激しい突風のおそれ」と発表される
【雷注意報(数時間前)】
竜巻が発生する数時間前に、雷注意報の中で「竜巻」として注意が呼びかけられる
【竜巻注意情報(0〜1時間前)】
いつ竜巻が発生してもおかしくない状態で、発表されてから1時間は周囲の状況に注意する必要がある
また、気象庁がHPで発表している竜巻発生確度ナウキャストでは、竜巻の危険性が高い地域の詳細が10分毎に発表されているので、安全を確保するために参考にすると良いでしょう。
竜巻が発生する可能性がある時点でこれらの竜巻に関する防災情報が発表されますが、現在の技術では正確に竜巻の発生を予測することができない場合があるため、身の危険を感じた場合は防災情報の発表を待たずにすみやかに防災行動を始めることが重要です。
リスク情報を早期把握できるFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
最後に
台風や地震などの自然災害と比べると発生頻度は低いものの、十分に対策していない状態で竜巻が発生すると建物の損傷や飛来物による負傷などの深刻な被害を受けてしまうおそれがあります。
この記事を参考に企業と社員を守るために平時から可能な限りの竜巻対策を取り入れるようにしましょう。