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事業継続を脅かす高潮の甚大な被害と発生する主なメカニズム


目次[非表示]

  1. 1.高潮がもたらす事業への甚大な被害
  2. 2.高潮が発生するメカニズム
    1. 2.1.高潮の危険性が高い地域
  3. 3.高潮・津波・高波の違い
  4. 4.平成16年台風16号が引き起こした甚大な高潮被害
  5. 5.企業における主な高潮対策
    1. 5.1.BCP・防災マニュアルを策定する
    2. 5.2.防災グッズを備蓄しておく
    3. 5.3.高潮ハザードマップを確認する
    4. 5.4.高潮に関する防災情報を確認する
    5. 5.5.臨機応変に的確な避難方法を選ぶ
  6. 6.リスク情報を早期把握できるFASTALERT
  7. 7.最後に
  8. 8.関連お役立ち資料集


※2021年12月28日更新

台風や低気圧に伴って発生するリスクのある高潮ですが、高潮が引き起こされた場合、広範囲にわたる浸水によって事業へ壊滅的な被害を受けてしまうおそれがあります。

海抜ゼロメートル地帯など高潮の危険性が高い地域の場合は、事業を守るためにすみやかに高潮対策をしなければなりませんが、高潮に対してどのように備えるべきなのか困っている方も中にはいるでしょう。

そこで今回は高潮の概要や発生するメカニズム、被害が大きい地域、企業における主な高潮対策などを説明していきます。

この記事を読むことで高潮の理解が深まるので、的確な高潮対策を導入しやすくなるでしょう。

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高潮がもたらす事業への甚大な被害

高潮とは、台風や低気圧が通過することで海面の水位が全体的に上昇し、陸地へ流れ込む災害のことであり、海水のボリュームは河川よりも多く、さらに数時間にわたって海面が上昇し続けるため、もし高潮が起きると広範囲に以下の深刻な被害が発生します。

  • 溺死や漂流物による負傷が発生する
  • 事業所や家屋が浸水・流出し、企業の場合は長期間にわたる休業を余儀無くされる
  • 事業所の設備や重要なデータが入った機器が浸水で損傷し、業務を行えない
  • 高潮による浸水で車両や設備でトラッキング現象が誘発され、大規模な火災が発生する
  • 浸水によって道路や線路が水没することで公共交通機関が麻痺してしまう
  • サプライチェーンの途絶によって、供給と出荷ができず、顧客からのペナルティが発生する
  • 十分に対策していなかったことに対する顧客からの信用低下
  • 復旧対応が長期化することでの顧客離れと業績悪化
  • 電気・水道・ガスのライフラインが途絶してしまう など

高潮が発生すると状況によっては復旧対応が長期化するおそれがあり、中には復旧対応に必要なコストを支払いきれずに倒産へ繋がってしまう企業もあります。

深刻な被害を与える高潮から地域を守るために特に高潮の危険性が高い地域は、自治体によって、水門や防潮堤の設置などハード面での防災対策が進められているものの、それでも高潮の被害を完全になくすことはできないため、自治体だけでなく、一人ひとりが可能な限りの高潮対策を平時のうちに行うことが何よりも重要です。

高潮が発生するメカニズム

高潮が発生するメカニズムには、主に吸い上げ効果と吹き寄せ効果の2つがあります。

まず吸い上げ効果とは、台風や低気圧によって、周辺の海面が吸い上げられるように上昇する現象のことであり、気圧が1hPa(ヘクトパスカル)下がる毎に、それに反比例して潮位は1cm上昇すると言われています。

台風や低気圧の中心は周辺よりも気圧が低く、周辺の高い気圧の空気が海面を押し下げることで中心付近の海水が上昇し、吸い上げ効果が発生してしまうのです。

次に吹き寄せ効果とは、台風や低気圧の風が海岸に向かって吹く際に海水も一緒に海岸へ吹き寄せられて、海水が上昇する現象のことであり、気象庁が発表する「高潮」によれば、吹き寄せ効果による潮位上昇は風速の2乗に比例しており、風速が2倍になれば海面は4倍上昇すると考えられています。

さらに、吸い上げ効果と吹き寄せ効果だけでなく、太陽や月の天体現象も高潮に影響を与え、海面の水位が高くなる満潮時に吸い上げ効果や吹き寄せ効果が重なった場合は、通常よりも水位の高い高潮が発生してしまうおそれがあるのです。

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高潮の危険性が高い地域

高潮による危険性が高い地域は、海岸近くにある海抜ゼロメートル地帯や海面の上昇を助長させるV字形の湾、急深の海底地形などがあげられ、台風や満潮時には特に注意しなければなりません。

海抜ゼロメートル地帯とは、地表標高が海面・河川と同じ、またはそれらよりもさらに低い位置にある地域のことであり、高潮発生時は広範囲にわたって浸水するだけでなく、水が引くのに時間がかかる傾向があります。

今回は簡易的な説明となりましたが、詳しく海抜ゼロメートル地帯を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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高潮・津波・高波の違い

高潮と似た災害に津波と高波がありますが、その違いが分からずに困っている方も中にはいるかもしれませんが、一口で説明すると高潮・津波・高波は、発生する原因によって区別されており、高波は低気圧による強い風、津波は地震によって発生します。

高波とは、文字通りに高い波であり、低気圧による強い風が吹くことで発生する波のことであり、季節を問わずに1年中発生しています。

それに対して高潮は、ある意味では波の1種であると言えるものの、長時間にわたって続くことと海の水位が全面的に上昇する災害であるため、高波とは明確に区別されています。

津波を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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平成16年台風16号が引き起こした甚大な高潮被害

半径180kmという巨大な台風16号が鹿児島県に上陸しましたが、大潮の時期と満潮の時間が重なったことで最低海面気圧978.1hPaという前代未聞の数値を記録しました。

同年8月30日、高松市で対象となる地域に避難勧告が発表されましたが、高松市で広範囲にわたって浸水深1mの浸水が始まり、死者2名、重軽傷者6名、床上浸水5,877戸、床下浸水16,088戸、海水によるショートが原因の30件の火災、797戸の停電とそれによるライフラインの途絶など深刻な被害が発生したのです。

特に被害が大きかった福岡町と松島町は海抜ゼロメートル地帯であったこともあって、30時間以上も高潮による浸水が続きました。

企業における主な高潮対策

発生すると事業に甚大な被害をもたらすリスクがある高潮ですが、どのように対策すれば良いのでしょうか。

この章では、企業における主な高潮対策を説明するので、ぜひ企業の担当者は参考にしてください。

BCP・防災マニュアルを策定する

高潮の危険性が高まった際、すみやかに的確な防災行動を開始するために、あらかじめBCPや防災マニュアルを策定しておきましょう。

BCPとは、災害や事故など企業におけるリスク発生時にその被害を最小限に抑えて、事業の継続または早期復旧を図るための計画のことであり、リスク発生時の事業を守るための対応を事前に定めておきます。

もしBCPや防災マニュアルを策定していない状態でリスクが発生した場合、混乱によって的確な判断がすみやかに下せないことで、被害が拡大してしまうおそれがあるため、事業を守るためにも事前に作成しておくことが望ましいです。

詳しくBCPを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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防災グッズを備蓄しておく

前述したように海抜ゼロメートル地帯など高潮の危険性が高い地域の場合は、浸水の長期化に伴って、復旧対応や避難生活が長引くおそれがあるので、社員の安全を確保するためにも事前に防災グッズを備蓄しておきましょう。

一般的に電気・水道・ガスの復旧や人命救助が落ち着くまでに3日程度かかると言われているものの、高潮によって浸水した場合、交通機関の麻痺などの被害が広範囲にわたって発生しますし、復旧対応が長期化するおそれがあります。

そのため、万が一の事態に備える意味でも1週間分以上の防災グッズを事前に備蓄しておくことが重要です。

企業が防災グッズを備蓄しておくべき法的な理由や用意するべき主な防災グッズの種類を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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高潮ハザードマップを確認する

高潮発生時にどの地域に被害が発生するのかを把握するために、事前に高潮ハザードマップを確認しておきましょう。

ハザードマップとは、過去の災害履歴に基づいて災害発生時の状況や被災する範囲、安全な避難場所を記載した地図のことであり、国土交通省や自治体のHPで地震や洪水など災害の種類別に公開されています。

高潮ハザードマップの場合、浸水する範囲や浸水深、高潮発生時に向かうべき安全な避難所などが記載されていますが、災害履歴に基づく予見に過ぎず、災害発生時は何が起こるのか分からないため、場合によっては安全とされていた場所も被災してしまうおそれがあります。

そのため、ハザードマップで複数の安全な避難場所を選んだ上で、臨機応変に対応するようにしましょう。


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高潮に関する防災情報を確認する

高潮の危険性が高まっている場合は、気象庁によって高潮注意報・高潮警報・高潮特別警報のいずれかが状況に応じて、発表されるため、的確な判断をするためにも常に把握しておきましょう。

高潮に関するそれぞれの防災情報が発表されるタイミングは、以下のとおりです。

【高潮注意報】
台風や低気圧などによる異常な潮位上昇で災害が発生すると予想された時

【高潮警報】
台風や低気圧などによる異常な潮位上昇で重大な災害が発生すると予想された時

【高潮特別警報】
数十年に一度の強度の台風や熱帯低気圧によって高潮になると予想された時

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臨機応変に的確な避難方法を選ぶ

前述した高潮ハザードマップなどで被災した際の浸水深等を把握した上で、高潮の危険性が高まっている場合に、水平避難(立ち退き避難)と垂直避難(屋内安全確保)のどちらで避難するのかを直ちに判断できるようにしましょう。

水平避難とは、今いる場所から避難所など別の安全な場所へ向かうことであり、被災するまでに猶予がある場合や防災グッズを備蓄していない場合に優先して選びます。

垂直避難とは、今いる場所の可能な限り高層階へ避難することであり、避難までの猶予が残されていない場合や浸水しても浸からない高さのある建物にいる場合に検討します。

水平避難と垂直避難は臨機応変に選ぶ必要があり、すでに浸水が始まっている状況で無理に水平避難を選んだり、安全な高さの建物にいても避難生活に必要な防災グッズを備蓄していない状況で垂直避難を選んだりすると危険な状況に陥るリスクがあるため、十分に考えましょう。

リスク情報を早期把握できるFASTALERT

災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。

しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。

この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。

FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです

弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。

詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。

最後に

台風や低気圧に伴う高潮が発生すると、広範囲にわたる浸水によって、事業所や設備の損傷、サプライチェーンの途絶、車両火災などの被害で事業継続に取り返しのつかない被害を受けてしまうリスクがあります。

この記事を参考に、高潮の被害を受ける前から可能な限りの高潮対策を導入し、企業を守りましょう。

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