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数百km先でも大きな揺れが発生する長周期地震動の概要と企業における地震対策

世界有数の地震大国である日本では、頻繁に地震が発生していますが、巨大地震が発生した場合、長周期地震動によって震源地から離れた地域にも大きな揺れが引き起こされてしまうおそれがあります。

しかし、これから地震対策に取り組もうと考えている企業担当者の中には長周期地震動に対してどのように備えるべきなのか困っている方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では長周期地震動の概要と長周期地震動発生時に高層ビルが被害を受けやすい理由、企業における地震対策などを説明していきます。

この記事を読むことで長周期地震動に備えるためのポイントが分かるので、ぜひ参考にしてください。

地震が事業へ招く深刻な悪影響

日本列島の真下には北米プレート・太平洋プレート・フィリピン海プレート・ユーラシアプレートの4つのプレートが集まっているために世界有数の地震大国となっており、内閣府の「1 災害を受けやすい日本の国土」で説明されているように、世界で発生したマグニチュード6以上の地震の2割が日本で起きているのです。

前述した理由によって、日本では頻繁に地震が発生していますが、もし十分に対処しきれなかった場合は事業に以下の深刻な被害を受けてしまうおそれがあります。

  • 地震による揺れや液状化現象、同時多発火災などの二次災害によって、オフィスや重要な設備が損傷し、一時的な休業を余儀なくされてしまう
  • 道路自体の損傷や倒壊した建築物の瓦礫などによって、サプライチェーンが途絶してしまう
  • 休業やサプライチェーンの途絶によって、納期遅延に伴う契約上のペナルティや顧客離れが発生してしまう
  • 電気・水道・ガスのライフラインの途絶によって、社員の生活が脅かされてしまう
  • 地震の揺れによって、オフィス家具が転倒・移動・落下し、社員が重軽傷を負ってしまう など

最悪は、想定外の被害が発生することによって莫大な復旧コストが必要となり、倒産へ繋がってしまうおそれがあるため、平時のうちに可能な限りの地震対策を導入しておくことが望ましいです。

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ゆっくりと大きな揺れが特徴の長周期地震動

長周期地震動とは、通常よりも長い時間をかけて大きな揺れが発生する現象のことであり、震源が浅く、マグニチュード7以上の大規模な地震が発生した場合に長周期地震動の揺れが大きくなる傾向があります。

また長周期地震動の主成分の表面波は短い周期の波よりも衰退しにくいという特性をもち、遠くまで揺れが伝わりやすくなるため、震源地から遠く離れた数百km先の地域でもゆっくりと大きく揺れ続けてしまう場合があるのです。

高層ビルは長周期地震動による被害を受けやすい

建築物にはそれぞれ固有の固有周期を持ち、地震波と建築物の周期が一致すると建築物が大きく揺れる傾向がありますが、高層ビルは周囲の低い建築物よりも長周期地震動と共振しやすいため、高層ビルの高層階は大きく長く揺れ続けてしまうのです。

東京消防庁の「平成23年度長周期地震動等に対する高層階の室内安全対策専門委員会報告書」で説明されているように、東日本大震災発生時の東京都では高層階に比例して以下のように家具類の転倒・落下・移動が多く発生していることが分かりました。

▼1,2階:16.8%
▼3〜5階:23.8%
▼6〜10階:31.9%
▼11階以上:47.2%

また長周期地震動によってオフィス家具だけでなく、事業継続に欠かせない設備も損傷してしまうリスクがあります。

低層であれば対策しなくても良いということには決してなりませんが、特に高層階にオフィスがある場合は重点的にオフィス家具などへの安全対策を行うことが望ましいです。

状況を把握できる長周期地震動階級

長周期地震動が発生した場合の状況をいち早く把握するために長周期地震動階級にあらかじめ目を通しておきましょう。

長周期地震動階級とは、周期1.5秒〜8秒程度までの高層ビルを対象として、長周期地震動によってどの程度の揺れが発生するのかの目安をを4段階で分類した指標のことで、気象庁の「長周期地震動階級および長周期地震動階級関連解説表について」で説明されているとおり、以下の階級があります。

【階級1】
室内のほとんどの人が揺れを感じる。ブラインドなどの吊り下げものが大きく揺れる

【階級2】
室内で大きな揺れが発生し、物につかまらないと歩けないなどの支障を感じる。キャスター付き什器がわずかに動いたり、棚の本や食器類が落ちたりする

【階級3】
立っていることが困難になる。キャスター付き什器が大きく動く。固定していない家具が大きく動いたり、倒れたりする。

【階級4】
立っていることができず、這わないと動けない。キャスター付き什器が大きく動き、転倒する場合がある。固定していない家具の大半が移動・転倒する

上記に記載されている内容はあくまでも長周期地震動によって発生する状況の目安であるため、状況によっては被害が大きくなったり、小さくなったりする場合がありますし、建築物の構造や長周期地震動の性質に左右されます。

企業における主な地震対策

では、地震による被害を最小限に抑えるため平時のうちにどのような地震対策を導入しておけば良いのでしょうか。

この章では、企業における主な地震対策を説明していくので、ぜひ企業担当者は参考にしてください。

BCP・防災マニュアルを策定しておく

地震発生時にいち早く的確な対応を開始するために、あらかじめBCP・防災マニュアルを策定しておきましょう。

BCPとは、災害や事故などの企業におけるリスク発生時にその被害を最小限に抑えて、事業の継続または早期復旧を図るための計画のことであり、事前にリスク発生時に行う最善と考えられる対応を定めておくのが特徴です。

もしBCPや防災マニュアルを定めていない状態でリスクが発生した場合、混乱で対応が遅れることで被害が拡大してしまうおそれがあるため、事前に策定しておきましょう。

詳しくBCPを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

防災グッズを備蓄しておく

大規模な地震によって一時的な避難生活を余儀なくされた場合に社員が安全に過ごせるように、事前にある程度の防災グッズを用意しておきましょう。

一般的に電気・水道・ガスのライフラインの復旧や人命救助が落ち着くまでに3日程度かかると言われているものの、広範囲に及ぶ地震が発生した場合は復旧対応と避難生活が長期化するおそれがあるため、1週間分以上の防災グッズを備蓄しておくことが望ましいです。

企業に防災グッズの備蓄が求められている法的な理由や防災グッズの種類を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ハザードマップを確認する

地震発生時の状況を把握するためにも、あらかじめハザードマップに目を通しておきましょう。

ハザードマップとは、過去に発生した災害履歴に基づいて災害発生時の状況や被災する範囲、安全な避難場所・避難経路を記載した地図のことであり、地震や水害など災害の種類別に自治体や国土交通省のHP上で公開されています。

ただし、あくまでもハザードマップで記載されている内容は予見に過ぎませんし、内容が更新されていない場合もあるため、1つの目安として参考にし、最新の防災情報に基づく対応をするようにしましょう。

オフィス内に安全対策を施す

前述したように長周期地震動が発生した場合、高層階ビルでは大きな揺れによる被害が拡大してしまうおそれがありますし、東京消防庁の​​「なぜ家具類の転倒・落下・移動防止対策が必要なの?」で説明されているように、地震による負傷原因の30〜50%が家具の転倒・落下・移動であると判明しています。

もちろん、オフィス家具の転倒・落下・移動だけでなく、損傷した電気設備や暖房器具が当たることで火災が発生したり、避難経路を塞いでしまったりするリスクもあるため、オフィスに主に以下の安全対策を施しましょう。

  • オフィス家具を壁につけて、ボルトとL字金具などで固定しておく
  • 収容物の飛び出しによる負傷を防ぐために耐震ラッチ付きのオフィス家具を選ぶ
  • ガラス片による負傷を防ぐために窓ガラスやガラス製扉に飛散防止シートを貼る
  • 迅速な避難を実現するために避難経路付近には物を置かない

詳しくオフィスの安全対策を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

リスク情報を早期把握できるFASTALERT

災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。

しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。

この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。

FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。

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最後に

長周期地震動が発生した場合、震源地から数百km離れた地域でも大きくゆったりとした揺れが続くことで特に高層ビルは深刻な被害を受けるおそれがあるため、事前にオフィス家具の固定などの対策に取り組むことが望ましいです。

この記事を参考にして、長周期地震動への理解を深めて、あらかじめ最善と考えられる対応を導入しておきましょう。

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