
落雷による企業の深刻な被害と企業が行うべき主な落雷対策
目次[非表示]
- 1.落雷が招く企業への悪影響
- 2.主な3種類の雷害
- 3.企業が導入するべき主な落雷対策
- 3.1.BCP・防災マニュアルを策定する
- 3.2.雷保護システムを導入する
- 3.3.UPS(無停電電源装置)を使う
- 3.4.データをクラウドサービスに保管する
- 4.リスク情報の早期把握に役立つFASTALERT
- 5.最後に
- 6.関連お役立ち資料集
落雷は夏に最も多く発生しますが、数は少ないながらも1年中発生し、建築物や電子機器・設備の損傷やそれに伴うデータの消失など事業継続にも多大な悪影響をもたらします。
しかし、落雷対策を行おうと思っても、企業でどのような落雷対策を導入すれば良いのか困っている担当者も中にはいるのではないでしょうか。
そこで本記事では落雷がもたらす事業へのリスクと雷害の種類、主な落雷対策などを説明していきます。
この記事を読むことで落雷対策の導入を進める上でのヒントが分かるので、ぜひ参考にしてください。
落雷が招く企業への悪影響
落雷とは、帯電した積乱雲(雷雲)の放電が地上で発生する自然現象のことです。
株式会社フランクリン・ジャパンが発表する「雷統計データ」で説明されているように毎年3月から8月にかけて、落雷が多く発生していますが、数は少ないながらも冬も発生しており、1年をとおして落雷に注意する必要があります。
あまり落雷が発生しているイメージはないという方もいるかもしれませんが、同発表に寄れば2018年の関東甲信では162,300件、九州・沖縄では84,700件など全国的にも落雷は頻繁に発生しているのです。
落雷はいつどこで発生するのか分かりませんが、もし落雷が起きた場合、雷サージ(過電流・過電圧)によって企業は以下のリスクを受けるおそれがあるため、平時から十分に備えておかなければなりません。
- 電子機器や設備などの故障
- 火災報知器やセキュリティシステムの故障
- 停電によるシステムの停止
- PCの故障に伴うデータの消失
- 設備の故障やデータの消失に伴う操業停止 など
落雷は頻繁に起きるものではないからと考えて十分に対策せずにいると落雷によって事業継続自体に深刻な悪影響を招きかねないため、普段から対策しておくことが望ましいです。
停電を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
主な3種類の雷害
では落雷が誘発させる雷害には、どういった種類があるのでしょうか。
この章では主な雷害を説明していくので、対策を考える上でも参考にしてください。
直撃雷
直撃雷とは、人体や建築物、樹木などに直接、落雷する現象のことです。
最大電圧2億ボルト、最大電流20万アンペアの雷によって、建築物などの損傷や火災、人体への致命的なダメージなど深刻な被害をもたらします。
誘導雷
誘導雷とは、直接ではなく近隣の落雷によって近くの電線やアンテナに瞬間的に大きな電圧・電流が発生する現象のことであり、電線などを伝って電子機器が故障してしまいます。
誘導雷の範囲は数キロにも及ぶと言われ、直撃雷とともに注意しなければなりません。
逆流雷
逆流雷とは、建築物や地表への落雷によって対地電位が上昇し、電流が接地(アース)をとおして逆流してくる現象のことです。
建物の近くに接地がある場合、建物内部に逆流し、電子機器の故障など深刻な被害が発生します。
企業が導入するべき主な落雷対策
前述した落雷に伴う雷害による被害を最小限に抑えるためには、平時から十分に対策をしておくことが重要です。
この章では企業における主な落雷対策を紹介していくので、企業の担当者はぜひ読み進めてください。
BCP・防災マニュアルを策定する
落雷による被害の発生に備えて、あらかじめBCP・防災マニュアルを策定しておきましょう。
BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、企業におけるリスク発生時にその被害を最小限に抑えて、事業の継続または早期復旧を図るための計画のことです。
BCP・防災マニュアルには、あらかじめリスク発生時の最善と考えられる対応を定めておきますが、もしそのいずれも作成していなかった場合は、的確に対応ができないことで被害が拡大してしまうおそれがあります。
詳しくBCPを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
雷保護システムを導入する
電流の一部が建築物内部の電子機器に伝わるなど、避雷針だけでは不十分なので、平時に雷保護システムを導入しておきましょう。
雷保護システムとは、電子機器や建築物を防ぐために落雷による電流から守るためのシステムのことであり、落雷発生時に被害を最小限に抑えることができます。
雷保護システムには外部・内部があり、主に外部は建築物の損傷や火災の防止、内部は雷サージによる電子機器や設備の損傷を防ぐ目的があり、被害を最小限に抑えるためには両方の雷保護システムを導入することが望ましいです。
UPS(無停電電源装置)を使う
落雷によって停電が発生するとPCのシャットダウンに伴うデータの消失が起きてしまうため、あらかじめデスクトップPCにはUPS(無停電電源装置)を接続しておきましょう。
UPSとは、停電によって電力が途絶した場合に一時的に電力を供給する電子機器のことであり、デスクトップPCを安全にシャットダウンすることができます。
ただし、あくまでもデスクトップPCを安全にシャットダウンするために一時的に電力を供給する目的で作られているので、長時間、電力を使うことはできません。
データをクラウドサービスに保管する
落雷発生時は、停電や雷サージによってデスクトップPCなどの故障に伴い、重要なデータが消失してしまうおそれがあるため、普段から重要なデータは外部のクラウドサービスに保存しておきましょう。
社内だけでデータを保管していた場合は雷サージによって消失してしまうリスクがありますが、別の地域にあるクラウドのデータセンターに事業継続で重要なデータを保管しておけば、万が一の事態が起きた場合でもデータの消失を防ぐことができます。
事業継続におけるクラウドサービスの基礎知識を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
リスク情報の早期把握に役立つFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
最後に
落雷は季節問わずに1年中発生し、もし落雷による被害を受けた場合は電子機器や設備の損傷やそれに伴うデータの消失など事業へ深刻な悪影響を招いてしまうおそれがあるため、平時から十分に対策しておくことが重要です。
この記事を参考に事業を守るために最善と考えられる落雷対策の導入を進めていきましょう。