
企業が水害対策を行うべき理由と効果的な5つの水害対策
目次[非表示]
- 1.水害とは
- 2.代表的な水害の種類
- 3.企業にとっての水害のリスク
- 4.いざという時に安心な5つの水害対策
- 4.1.ハザードマップで調べる
- 4.2.水害を想定したBCPを策定する
- 4.3.浸水対策用品を準備する
- 4.4.事業継続に不可欠な機器などを高層階に置く
- 4.5.災害保険に加入しておく
- 5.自然災害などリスク情報の収集やBCPで活躍するFASTALERT
- 6.まとめ
- 7.関連お役立ち資料集
台風や豪雨の多い日本では、洪水など頻繁に水害が発生していますが、水害対策に取り組んでいる企業は多くありません。
事業継続を行う上でも水害対策を行うことが重要ですが、どのように水害対策を行えば良いのか分からないという方も多くいるはずです。
そこで今回はそんな方のために水害対策の基本と水害の種類、具体的な水害対策などを紹介していきます。
この記事を読むことで効果的に水害対策に取り組めるようになるので、ぜひ参考にしてください。
水害とは

水害とは、高潮や洪水など水によって発生する災害のことです。
日本では年間で平均1,718mmの降水量があり、これは世界の平均降水量(880mm)の約2倍に相当します。それに加えて豪雨が発生しやすく、水害による被害が起こりやすいです。
実際に国土交通省が調査した「平成18年〜平成27年 水害(河川)の発生状況」によれば、全国1,741市区町村のうち90%が10年の間に1回以上、50%が10回以上の水害被害に遭っており、10年間で一度も水害が起きていない市区町村はわずか3%(60市町村)に過ぎません。
最近の水害の事例として、2018年に発生した西日本豪雨があげられます。7月の平均降水量の4倍の雨が降り続けたことにより、河川のはん濫や土砂流などの水害が発生。
これにより死者224名、行方不明者8名、21,460棟の家屋被害、電気・水道などライフラインの途絶など広範囲で甚大な被害が生じました。
代表的な水害の種類

ここでは主な水害の種類を紹介していきます。
起こり得る水害の種類を知っておけば対策しやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
洪水
洪水とは、台風や豪雨によって河川の水かさが通常よりも増した状態のことです。
外水氾濫
外水氾濫とは、豪雨などによりかさが増した河川が堤防から溢れたり、堤防が決壊したりすることで発生する洪水です。
河川の泥水が建物に浸水するため、洪水が引いた後も土砂が残されるなど復旧に時間がかかってしまいます。
内水氾濫
内水氾濫とは、豪雨などにより排水路や下水管の雨水処理能力を超えた場合に溢れてしまい、建物や道路が浸水する災害です。
都市部は道路がコンクリートなどで覆われていますが雨水が浸透しづらい特徴があるため、大雨が続くと発生しやすくなります。
マンホールからの逆流など近くに河川や海がない市街地でも発生し得るので、覚えておきましょう。
高潮
高潮とは台風により気圧が低下し海水が吸い上げられたり、強風によって海面が吹き寄せられたりして海面の水位が通常よりも上昇し、陸地に海水が侵入する災害です。
溺死や漂流物があたることでのケガ、交通マヒなど様々な被害を引き起こします。
津波
津波とは、地震などで海底・海岸地形が急変することによって発生する大規模な波のことで、海底から海面までの全ての海水が波となって一度に動くため凄まじいエネルギー量になります。
津波は周囲の物を破壊しながら陸に押し寄せていきますが、波が引いていく場合も力が衰えることはなく、破壊したものを引きずり込んでしまいます。そのため、短時間でも大きな被害が発生しやすいです。
企業にとっての水害のリスク

災害などあらゆるリスクから事業を守るために事業の継続、または早期復旧を図るためのBCPを導入している企業も近年は増えています。
しかし内閣府が2018年に発表した「企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」によるとBCPで洪水を想定している企業は全体のわずか30%です。
対策を施行していないまま水害の被害に遭うと、設備や機械が浸水で故障することにより事業継続が難しくなるばかりか、サービスに遅れが生じたことが要因となり顧客離れが起きる事態にも繋がりかねません。
さらに従業員の安全を脅かしてしまいます。そのため、被害をなるべく最小限に抑えるために万が一の事態に備えてきちんと水害対策を行なっておくと良いでしょう。
より詳しくBCPを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
いざという時に安心な5つの水害対策

次に実践的な水害対策を説明していきます。どれも参考になる情報ばかりなので、ぜひ読み進めてください。
ハザードマップで調べる
まずは周辺にどのような水害リスクがあるのかを知るためにハザードマップを確認しましょう。
ハザードマップとは災害の種類・規模を予測し、安全な避難経路や避難場所を書いた地図のことです。
事業所のどこから浸水しやすいかを把握した上で対策を行い、安全な避難場所や避難経路を決めておきましょう。災害発生時は何が起こるのか分かりません。
土砂崩れなどで道が塞がれてしまう場合もあるため、避難経路・避難場所は2つ以上選んでおくと万が一の際も安心です。
水害を想定したBCPを策定する
事業継続または早期復旧を図るBCPに水害発生時の対応を定めておきましょう。水害は地震などの自然災害とは異なり、予報などであらかじめ分かるため、きちんと行動を決めておけば被害を軽減できます。
また策定したBCPを訓練や教育をとおして浸透させておくと、災害発生時に冷静に対処できるようになるはずです。
浸水対策用品を準備する
水害による浸水から建物を守るために、浸水対策用品を用意しましょう。浸水対策用品には、主に以下の2種類があります。
【土のう・水のう】
水や土砂の侵入を防ぐ、土や水が入った袋のこと
【止水板】
建物に水が入らないように出入り口などに設置する、水の侵入を防ぐための板
水害発生時は出入り口からの浸水だけではなく、排水口などからも水が逆流することがあります。
そのため、水害の予報があった場合は、土のう・水のうを使って排水口などを塞いでおくと良いでしょう。
事業継続に不可欠な機器などを高層階に置く
特に近くに海や河川がある場合ですが、重要なサーバーなどの機械は1階や地下には置かず、なるべく高層階に設置しておくと良いでしょう。
こうするだけで建物が浸水してしまっても、機械が故障する可能性を大きく減らせます。
またハザードマップなどで確認した安全な地域へバックアップ施設を設置しておくと水害の被害を受けても、その後の事業復旧が迅速に行えるはずです。
災害保険に加入しておく
特に浸水深(浸水の地面から水面までの高さ)が何mもあることが予測されている地域に事業所がある場合、災害保険に加入しておきましょう。
災害保険には水害補償があり、所定の損害を受けた場合に補償されます。
保険に入っていれば結果的に事業復旧にかかるコストを減らせるため、加入しておくと安心です。
自然災害などリスク情報の収集やBCPで活躍するFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
まとめ
今回は水害対策の基礎知識と水害の種類、その対策などを説明しました。この記事の重要なポイントには以下の3点があげられます。
- 10年間で一度も水害が発生していない地域は全体のわずか3%
- 水害は近くに河川や海がない都市部でも発生する
- 水害はあらかじめ発生が予報で分かるため、十分に対策すれば被害を軽減できる
この記事を参考に万が一の事態に備えて水害対策を行いましょう。