
企業に甚大な被害をもたらすサプライチェーンリスクの概要
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サプライチェーンリスクが発生した場合、サービスや製品供給の途絶など事業活動に深刻な被害を及ぼす危険性があるので、企業を守るために平時から可能な限り対策しておくことが大切です。
しかし、年々サプライチェーンリスクは複雑化していることもあって、サプライチェーンリスクをどのように捉えていいのか分からずに困っている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事ではサプライチェーンリスクの概要と主な種類、企業のサプライチェーンリスク対策などを説明していきます。
この記事を読むことでサプライチェーンの理解が深まるので、ぜひ参考にしてください。
供給などが止まる危険性のあるサプライチェーンリスク
サプライチェーンリスクとは、自社や取引先などの被災や事故によって原材料の調達や製品・サービスの供給が途絶する事態につながるリスクのことです。
サプライチェーンリスクは、原材料の調達・製造・在庫管理・物流・販売・消費者の購買・消費者の利用中の対応というサプライチェーンの中に発生する幅広いリスクを指し、主に以下の種類があげられます。
- 自然災害や事故、人為ミス、サイバー攻撃
- 需要の急激な変動に供給が追いつかない
- 顧客からの頻繁な仕様変更
- 原材料などの品質や安全性の低下
- 不良品の供給
- 配送の遅延
- システム障害や情報漏洩 など
サイバー攻撃がサプライチェーンに甚大な被害をもたらす場合があり、ランサムウェアの感染によるサービス停止や顧客情報の流出などによってサプライチェーンが途絶してしまうケースも確認されています。
サプライチェーンリスクが発生した場合の悪影響
前述したようにサプライチェーンリスクの種類は幅広くありますが、もし十分に対策していない状態でもしサプライチェーンリスクに巻き込まれると、企業に以下の深刻な被害が発生するおそれがあります。
- サプライチェーンが途絶したことによるビジネスチャンスの喪失
- サービスや製品が供給遅延によるペナルティや顧客離れ
- 十分に対策していなかったことに対する企業のイメージダウン
- 企業の業績悪化と事業活動の縮小
- 人材の流出と採用活動の難航 など
場合によっては倒産につながる事態にも発展しかねないため、企業を守るためには平時からサプライチェーンリスクに備えておかなければなりません。
2011年の東日本大震災では、自動車メーカーなどの製造業が工場や生産設備の損傷に伴う長期的な操業停止などの深刻なサプライチェーンリスクに巻き込まれ、推計16.9兆円の経済被害が発生したのです。
企業における主なサプライチェーンリスク対策
では、サプライチェーンリスクの発生に備えて企業はどのように平時から対策しておけば良いのでしょうか。
この章では、企業における主なサプライチェーンリスク対策を説明していくので、ぜひ読み進めてください。
サプライチェーンリスクマネジメントを実施する
サプライチェーンリスクマネジメント(Supply Chain Risk Management:SCRM)とは、サプライチェーンに悪影響を及ぼすリスクを事前に分析し、そのリスクによる被害を最小限に抑えるためのプロセスのことです。
サプライチェーンリスクマネジメントでは、現状のサプライチェーンの把握やリスク対策を行いますが、サプライチェーンリスクマネジメントを実施していない状態でリスクが発生した場合は被害が拡大してしまうおそれがあるため、平時に実施しておきましょう。
サプライチェーンリスクマネジメントを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
BCP・防災マニュアルを策定する
サプライチェーンリスクが発生した際にすみやかに初動対応を開始できるように、あらかじめBCPや防災マニュアルを策定しておきましょう。
BCPとは災害や事故など企業におけるリスク発生時に企業への被害を最小限に抑えて、事業の継続や早期復旧を図る計画のことであり、防災マニュアルと同じくリスク発生時の対応を事前に定めておきます。
BCPや防災マニュアルで定めた対応は、定期的に行う防災訓練で社員に浸透させていきますが、同じ内容を繰り返すだけでは想定外の事態が発生した際に対応できなくなるおそれがあるため、防災訓練を開催する度に防災訓練シナリオを変更することが大切です。
さらに詳しくBCPや防災訓練シナリオを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
拠点などを分散させる
サプライチェーンリスクの発生によって、サプライチェーンが途絶した場合は製品・サービスを供給できないことによるペナルティや顧客離れなどによって、その後の事業継続に深刻な被害を及ぼしかねないため、あらかじめ以下の対応をしておくことが望ましいです。
- 災害リスクのない安全な場所にオフィスや工場を新設する
- テレワークでサプライチェーンリスクが
- 原材料の調達先などが1つの取引先に依存していれば、複数の取引先へ分散させる
- 複数のサプライヤー同士で代替供給体制を整えておく
リスク情報を早期把握できるFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
最後に
サプライチェーンリスクが発生すると、場合によっては事業活動そのものを脅かしかねない深刻な事態につながるおそれがあるので、いつどこで発生するのか分からないサプライチェーンリスクに備えて、平時から可能な限り対策しておくことが大切です。
この記事を参考に事業活動に潜むサプライチェーンリスクを洗い出した上で、被害を最小限に抑えるための対策に取り組んでいきましょう。