
避難所でのペットの対応とペットと安全に避難するためのコツ
目次[非表示]
- 1.コロナ禍で変わる避難所の対応
- 2.避難所におけるペットとの同行避難
- 3.ペットと安全に避難するための方法4選
- 3.1.自宅に安全対策を実施する
- 3.2.防災グッズを備蓄する
- 3.3.マイクロチップなどで身分証明する
- 3.4.きちんとしつけをしておく
- 4.自然災害などリスク情報の収集やBCPで活躍するFASTALERT
- 5.まとめ
- 6.関連お役立ち資料集
自然災害などが発生すると、自宅が安全でなければ避難所などに向かう必要があります。
しかし、ペットを飼っている場合はどのような避難所へ行けば良いのか分からないと困っている方もいるでしょう。
この記事ではそんな方のためにコロナ禍で求められる避難所の対応とペットとの同行避難、ペットと安全に避難するためのポイントなどを紹介していきます。
この記事を読むことでペットとの避難生活の理解が深まるので、ぜひ参考にしてください。
コロナ禍で変わる避難所の対応

新型コロナウイルスが蔓延する今の状況で自然災害が発生すると、自然災害による被害だけでなく避難先で集団感染が発生するなど深刻な事態へ繋がるおそれがあります。
特に従来の避難所では日本政府が回避を求める以下の3つの密を満たしやすい傾向があるのです。
- 換気が悪い空間(密閉空間)
- 人が密集している(密集場所)
- 近距離で会話や発声が行われる(密接場所)
また首相官邸が発表する「3つの密を避けるための手引き!」でも語られているように1つの密だけでも感染リスクがあるとされており、できるだけ全ての密を避けるゼロ密を目指すように求められているのが現状です。
これらを踏まえて避難所は新型コロナウイルスを前提とした対応を早急に始めています。
具体的には避難者同士のフィジカルディスタンス(身体的距離)を十分に確保するためには避難所の収容人数を半減させる必要があり、自宅や知人宅、ホテル等の宿泊施設など様々な場所へ避難する分散避難が推奨されているのです。
ここでは簡易的な紹介となりましたが、詳しく3つの密や分散避難を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
避難所におけるペットとの同行避難

阪神・淡路大震災や東日本大震災など過去の災害では、動物アレルギーなどの理由によってペットを受け入れる避難所は少なく、飼い主とペットが離れ離れに避難せざるを得ない状況に陥っていました。
これによってペットが二次災害に巻き込まれて命を落としたり、行方不明になるなどの問題にも繋がっており、避難所の対応を批判する声も上がっていたのです。
この事態を重く見た環境省は2013年に「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を策定し、ペットとの同行避難を推奨しました。
同行避難とは、飼い主とペットが一緒に避難することであり、様々な自治体に対応を求めています。
ただし、避難所で飼い主とペットが同じ空間で避難生活を送れることを意味する同伴避難ではありません。
また自治体が運営する全ての避難所でペットとの同行避難が浸透しているとは限らないため、事前に管轄の自治体に確認しておくことが重要です。
また飼い主と自治体の双方に推奨されている同行避難ですが、東京都福祉保健局の「『同行避難』するために・・・日ごろからの備えが大切です」でも説明されているとおり、情報収集の上で自宅が安全であることが分かっており、日々の世話ができる状況であれば避難所へペットを連れて行かないこともできます。
ペットと安全に避難するための方法4選

ここまで避難所の現状と同行避難の基礎知識を紹介しました。次にこれらを踏まえてペットと避難生活を送るためのポイントを説明していきます。
安全な避難生活を実現する上でどれも重要な内容になるので、ぜひ読み進めてください。
自宅に安全対策を実施する
コロナ禍の現在は避難所だけではなく様々な場所に避難する分散避難が推奨されていますし、避難所によってはペットの受け入れが難しい場合もあります。
在宅避難を選ぶ場合も飼い主が無事でなければペットを守ることができないため、事前に自宅に安全対策を施しておきましょう。
気軽に行えて効果のある安全対策は、主に以下のとおりです。
【レイアウトを工夫する】
避難経路付近には物を置かず、寝室には背の高い家具を設置しないようにしましょう。また屋外で犬などのペットを飼育している場合、付近にブロック塀など危険な箇所はないか確認しておきます。
【家具を固定する】
キャビネットなどの家具をなるべく壁につけ、つっぱり棒やL字金具などで倒れないように固定しておきましょう。
【窓ガラスなどに飛散防止シートを貼る】
事前に窓ガラスやガラス製のドアに飛散防止シートを貼っておき、ガラス片による負傷を防ぎましょう。
また在宅避難は、災害情報をきちんと調べた上で自宅が安全であることが分かっている場合のみに選ぶことができます。
根拠なく「きっと大丈夫」だと考えてしまうと二次災害に巻き込まれてしまうおそれがあるため、注意しましょう。
万が一、自宅に被害が及ぶことが判明した場合は安全な避難所などへ向かう必要があるため、事前に避難所にペットの対応を確認しておくと安心です。
防災グッズを備蓄する
避難に備えて事前に飼い主とペット用の防災グッズを用意しておきましょう。
在宅避難をする場合はもちろんのこと、避難所に向かう際も防災グッズを準備しておくことが大切になります。
というのも避難所に必ずしも防災グッズが十分に用意されているとは限らず、不足した場合に到着までに時間がかかるおそれがあるからです。
一般的に電気・水道・ガスのライフラインの復旧や人命救助が落ち着くまでに3日程度かかるとされています。
大規模な災害によって復旧が長引くことも想定して、3日分を必要最低限とし余裕をもって1週間分の防災グッズを用意しておきましょう。
例えばペット用の防災グッズとしては以下のような品を用意しておくと安心です。
- ケージやキャリーバッグ
- リード
- フードや水
- ペットシーツ
- トイレ用品 など
詳しく防災グッズを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
マイクロチップなどで身分証明する
避難をする中で犬や猫などのペットとはぐれてしまった場合に備えて、飼い主の元に戻れるように首輪などに連絡先を書いた迷子札をつけておきましょう。
また首輪などのように外れることがないマイクロチップを装着し、AIPOに登録しておけばより効果的です。
AIPO(動物ID普及推進会議)とはペットへのマイクロチップ普及を目指す団体であり、ペットにマイクロチップを装着した後は必ずAIPOにマイクロップ番号や個人情報などを登録し、引っ越しなどで連絡先が変わった際も登録情報を変更しましょう。
きちんとしつけをしておく
前述した環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」で説明されていますが、ペットの犬が避難所で放し飼いにされて寝ている避難者の周囲を歩き回っていたなどのトラブルが確認されています。
マナーはもちろん、避難所でペットが周囲の避難者に迷惑をかけないようにきちんと普段からしつけておきましょう。
災害発生時に迅速な避難をするために普段からケージやキャリーバッグに入ることに慣れさせておくことも大切です。
また避難先で他のペットに病気の感染が拡大する事態は防がなければならないため、事前に狂犬病などのワクチンや寄生虫の予防・駆除など行なっておきましょう。
自然災害などリスク情報の収集やBCPで活躍するFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
まとめ
今回はコロナ禍における避難所の現状と推奨されるペットとの同行避難、ペットと安全に避難生活を送る上でのポイントなどを紹介しました。本記事の重要なポイントには、次の2点があげられます。
- 避難所での新型コロナウイルスによる集団感染を防ぐために分散避難が求められている
- ペットとの同行避難が推奨されているが全ての自治体が対応しているとは限らないため、事前に確認しておく
- ペットとの在宅避難は、情報収集をした上で自宅が安全であることが明確に分かっており防災グッズが備蓄されている場合のみに選べる
この記事を参考に災害に備えてきちんと準備しておきましょう。