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オフィスのレイアウトに防災対策を取り入れるための鉄則

社員の安全を十分に確保するためには、地震などの災害に備えて耐震補強などの防災対策だけでなく、平時から安全性の高いオフィスのレイアウトにしておかなければなりません。

しかし、安全性の高いオフィスのレイアウトをどのように考えれば良いのか困っている企業の防災担当者も中にはいるでしょう。

そこで本記事では防災対策としてオフィスのレイアウトに注意を払うべき理由や厳守しなければならない3種類の法令、防災対策としての主なレイアウトなどを説明していきます。

この記事を読むことで防災対策としてのレイアウトの理解が深まるので、ぜひ参考にしてください。

防災対策としてオフィスのレイアウトに気をつけるべき理由

オフィスのレイアウトも防災対策として考えるべきですが、特にこれから防災対策に力を入れていくという方の中にはオフィスのレイアウトと防災対策がいまいち結びつかないという方もいるかもしれません。

しかし、東京消防庁が発表する「家具類の転倒・落下・移動防止対策 ハンドブック ―室内の地震対策―」によれば、熊本地震や新潟県中越沖地震など近年発生した地震で負傷した人々の原因を調査したところ、約30〜50%の人々が家具類の転倒・落下・移動によって負傷していることが明らかになりました。

また同発表によれば、東日本大震災発生時に家具類の転倒・落下・移動被害を受けた都内の中高層ビルにあるオフィスを調査したところ、階層が高くなるほど長周期地震動(周期の長い大きな揺れ)による家具類の転倒・落下・移動による危険性が高まることが分かっています。

不要な書類やダンボールを重ねているなど、防災を意識していないオフィスでは、地震や火災などの災害発生時に主に以下のようなリスクが発生してしまうおそれがあるのです。

  • 重ねていた書類やダンボールなどが落下することで社員が負傷する
  • オフィス家具などが転倒することで下敷きになる
  • デスク下にスペースがない場合は、地震発生時に安全を確保できなくなる
  • 転倒したオフィス家具やコピー機などによって避難経路が塞がれてしまう
  • 窓が家具で塞がれていることで消防隊がスムーズに進入できなくなる など

平時から防災意識の高いオフィスになっていれば、災害発生時にスムーズな避難や二次被害の軽減を期待できるため、防災を考慮したレイアウトへの変更と整理整頓を行いましょう。

身の回りの整理整頓は、防災対策の基本の1つであり、不要な書類やダンボールなどで溢れ返った乱雑なオフィスでは災害発生時に避難の妨げになるだけでなく、余計な負傷をしてしまうリスクが高まるため、平時から仕事で必要のない物はすみやかに処分し、オフィス空間を整えておくことが大切です。

オフィスのレイアウトを考える上で厳守しなければならない3種類の法令

防災を意識したオフィスのレイアウトを考える上では、消防法と建築基準法、建築基準法施行令を厳守しなければなりません。

消防法とは、火災や地震に備えて安全を確保するための法律のことであり、以下のように定義されています。

【消防法】
この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。

建築基準法とは、建物の利用者や財産を守るために建物の構造や設備などに関する必要最低限の基準が記載された法律のことであり、以下のように定義されています。

【建築基準法】
この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。

建築基準法施行令とは、建築基準法を守るための具体的なルールや方法が記載されている政令のことであり、安全を確保するための必要最低限の廊下幅などが定められています。

前述したように建築基準法およびに建築基準法施行令は、安全確保のための必要最低限の内容のみが記載されていますが、消防法は基準を守った上で所轄の消防署から指導を受けなくてはなりません。

また建築基準法・建築基準法施行令は、あくまでも安全確保のための必要最低限のルールが定められている法令なので、その他の防災対策もオフィスに実施しておくことが重要です。

建築基準法は、単体規定と集団規定の2種類に分類されるため、建築基準法の詳細を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

建築基準法の基本と防災としてレイアウトを決める3つのコツ

防災対策の観点で行うべき主なオフィスのレイアウト

では、防災対策として具体的にオフィスのレイアウトをどのように考えれば良いのでしょうか。

この章では、前述した3種類の法令もふまえた防災対策としての主なオフィスのレイアウトを紹介していくので、企業の防災担当者はぜひ参考にしてください。

避難経路を確保する

地震や火災などの災害発生時に迅速かつ安全に避難できるように避難経路を確保しておきましょう。

建築基準法施行令第119号では、安全に避難できるように廊下幅を片側に部屋がある場合は1.2m以上、両側に部屋がある場合は1.6m以上を空けるように定めています。

廊下に手すりが備え付けられている場合は、手すりの先端から測って前述した廊下幅を確保しなければなりません。

ただし、廊下幅を守っていてもオフィス家具などの物が置いている状態であれば地震などの災害発生時に転倒によって塞がれ、迅速な避難が難しくなるおそれがありますし、消防法に基づいて所轄の消防署から指導が入る可能性が高いため、物は可能な限り置かないようにしましょう。

2001年に発生した歌舞伎町ビル火災では、唯一の避難経路であった共用階段が多数のロッカーで塞がっていたため、避難や消防隊員の活動の妨げになり、44人の犠牲者が発生しました。

同じ事態に陥らないように避難経路は日頃から十分に確保しておくことが大切です。

オフィス家具などを固定しておく

重要な書類などを整理するために欠かせないキャビネットなどのオフィス家具やデスク、コピー機等のOA機器ですが、十分に対策しなければ地震などの災害発生時に転倒することで社員の負傷や避難経路を塞いでしまうリスクがあります。

そのため、社員の安全を確保するためには平時から以下のようにオフィス家具やOA機器などに対策しておくことが重要です。

  • L字金具や突っ張り棒でオフィス家具を固定しておく
  • コピー機などのOA機器は、ベルト式金具などで固定し、転倒や移動しないようにする
  • 上下二段式のオフィス家具は上段の落下を防ぐために連結しておく

突っ張り棒などオフィス家具を固定する方法は様々ですが、L字金具とボルトで床や壁に固定する方法がもっとも効果的です。

また上下だけでなく、左右または前後の家具も連結しておくとより転倒を防ぐことができるでしょう。

オフィス家具を置く場所などに注意する

オフィスのレイアウトによっては、背の高い家具をオフィスの中央に置いている場合もありますが、床への固定や他のオフィス家具との連結しかできず不安定な状態ですし、もしも転倒した場合は社員が下敷きになってしまうリスクがあるのです。

どうしてもオフィスの中央にキャビネットなどのオフィス家具を置く場合は、転倒による負傷を防ぐために腰までの高さの製品を選ぶとリスクを軽減することができます。

また、以下の対策を併せて行なって、万が一の事態に備えておくことが重要です。

  • 重量のある物をキャビネットの下方に設置して重心を下げる
  • 書類などの飛び出し防止のためにラッチ付きやセーフティロック付きのタイプを選ぶ
  • 落下による負傷を防ぐためにオフィス家具の上には物を置かない
  • 転倒による負傷を防ぐためにオフィス家具を間仕切り代わりに使わない

パーテーションに注意する

会議室や物置などを確保するためにパーテーションを活用しているオフィスも多いですが、場合によっては気づかずに消防法に違反しており、安全性を確保できていないケースが見受けられるため、注意が必要です。

天井までの高さのパーテーションを設置した場合は、所轄の消防署への届出が必要となり、消火活動に不可欠なスプリンクラーなどを増設しなければなりません。

パーテーションを設置する際の型は、I字型・L字型・コの字型・H字型の順に安定性が増していくため、できれば安定性の高いコの字型またはH字型で設置するようにし、長い直線で設置する場合は少しでも安定性を高めるために補強パネルを入れると良いでしょう。

また、パーテーションを設置する際も前述した廊下幅を十分に確保する必要があります。

消防隊進入口マークのある窓や排煙窓を塞がない

オフィス家具を置けるスペースが限られているからと言って、オフィス家具で消防隊進入口マークのある窓や排煙窓などを決して塞がないようにしましょう。

消防隊進入口マークとは、オフィスの窓にある赤い逆三角形マークのことで文字通り、消防隊員が救助活動のために進入する場所のことです。

基本的に3階建以上の建物の窓には、消防隊進入口マークがありますが、ここをオフィス家具などで塞いでいると円滑な救助活動ができずに災害発生時の被害が拡大してしまうおそれがあるため、注意しましょう。

排煙窓は、火災発生時に煙を外へ排出する役目がありますが、排煙窓やボタンなどが内蔵されている操作パネルがオフィス家具で隠れていると操作できずに最悪は一酸化炭素中毒に陥ってしまうリスクがあるので、安全のためには塞がない位置にオフィス家具を設置しなければなりません。

また、地震などの災害発生時にガラス片による負傷を避けるために、窓やキャビネットなどのガラスにはあらかじめ飛散防止シートを貼っておくことが大切です。

窓付近に反射する物を置かない

窓付近に鏡や水槽、ペットボトルなどの反射する物を日常的に置いていると収れん火災が発生してしまうおそれがあります。

収れん火災とは、太陽光を集めた反射物が可燃物を燃焼させることで発生する火災であり、日差しが強い夏よりも太陽の高度が低い冬に多くの発生が確認されています。

収れん火災は、小学校の理科の実験で行なった虫眼鏡で太陽光を一点に集めて発熱させるのと同じ原理で自然に発火してしまうのです。

反射物の向きや気象の状況、太陽の高度など様々な条件を全て満たした場合のみに発生するため、頻繁に発生する火災ではありませんが、2013年のイギリス・ロンドンでミラーガラスを多用した高層ビルで収れん火災が発生し、近隣の高級車や店のカーペットを燃やすという事件がありました。

発生した場合は、自社のオフィスだけでなく近隣の建築物などにも深刻な被害を与えてしまうおそれがあるため、陽が差し込む窓付近には水が入ったペットボトルや花瓶、水槽などの反射物は置かないようにしましょう。

リスク情報を早期把握できるFASTALERT

災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。

しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。

この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。

FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。

弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。

詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。

最後に

地震や火災など企業に深刻な被害をもたらす災害から社員の安全を確保するためには、防災対策の一環として平時から安全性の高いオフィスのレイアウトにしておくことも非常に重要です。

防災グッズの備蓄や防災訓練の実施などその他の防災対策も徹底しながら、この機会に安全性の高いオフィスのレイアウトへしていくと良いでしょう。

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