
避難勧告・避難指示の違いと避難に備えるために行いたい対策
目次[非表示]
- 1.3種類の避難情報
- 1.1.避難準備・高齢者等避難
- 1.2.避難勧告または避難指示(緊急)
- 2.避難勧告と避難指示の違い
- 3.名称変更と避難指示の一本化
- 4.企業の避難に備えて行なっておくべき対応
- 4.1.BCP・防災マニュアルを策定しておく
- 4.2.防災グッズを備蓄しておく
- 4.3.安否確認の手段を確保する
- 4.4.避難場所を決めておく
- 5.リスク情報の早期把握に役立つFASTALERT
- 6.最後に
- 7.関連お役立ち資料集
深刻な被害を与える災害から避難を促すために発表される避難勧告などの避難情報ですが、中には正しく意味を把握していない、具体的にどういった行動を求められているのか分からない、といった悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では3種類の避難情報の概要や避難勧告と避難指示の違いなどを説明していきます。
この記事を読むことで避難情報の意味合いと行うべき防災対応を明確に把握できるため、ぜひ最後まで読み進めてください。
3種類の避難情報
避難に関する情報は3種類ありますが、それぞれ市町村が発表する警戒レベルや警戒レベル相当情報と以下のように連動しています。
- 避難準備情報・高齢者等避難開始:警戒レベル3または警戒レベル3相当情報
- 避難指示、避難勧告:警戒レベル4または警戒レベル4相当情報
しかし、文字だけでは直感的に求められている防災対応を把握しづらいこともあって、具体的にどういった防災対応を開始すれば良いのか分からない方も中に入るかもしれません。
この章では3種類に避難情報と行うべき防災対応を説明していくので、ぜ
避難準備・高齢者等避難
避難準備情報では、高齢者や身体の不自由な方、乳幼児とその支援者など避難に時間がかかる方は、安全な場所へ避難する必要があります。
該当しない方は、事態が悪化した際にすみやかに避難できるように避難の準備を始めましょう。
避難勧告または避難指示(緊急)
避難勧告や避難指示が発表された段階では、発生した災害によって被災してしまう危険性があるため、すみやかに安全な場所へ避難しなくてはなりません。
自治体などによっては「全員避難」と呼ばれる場合もありますが、これは必ずしも全員が避難所へ向かうべきという意味ではなく、被災を回避するために可能な限り安全な場所へ移動することが求められています。
避難勧告と避難指示の違い
避難勧告と避難指示の違いがよく分からない方も中にはいるでしょう。
避難勧告は災害による被害が発生するおそれがある場合に発表される情報ですが、避難指示は災害がいつ発生してもおかしくない状態で人的被害につながるリスクが高い際に発表されます。
避難勧告と避難指示は、どちらも災害による危険性が高まった場合に対象地域の住民に対して発表される避難を促すための情報ですが、避難指示は最も緊急性が高く、直ちに避難が必要な場合に発表されます。
名称変更と避難指示の一本化
前述したように避難勧告と避難指示の細かい違いはありますが、意味が分かりづらいという声が以前から上がっていました。
これを踏まえてNHKの「避難勧告と避難指示の一本化など 避難情報の名称 大幅変更へ」で説明されているとおり、今年2021年から前述した避難情報は以下のように変更されます。
- 避難勧告の廃止と避難指示の一本化
- 避難準備の情報から高齢者等避難への名称変更
「高齢者等避難」へ名前が変わる避難準備の情報は今回で4度目の名称変更であり、各地の自治体からは困惑の声も上がっていますが、現時点では今年2021年の梅雨頃までには対応するとされています。
企業の避難に備えて行なっておくべき対応
災害発生時に事前準備なしでは的確に避難できない可能性が高いので、平時からある程度の対応は行っておかなければなりません。
この章ではスムーズな避難を実現するためにあらかじめ行っておくべき対応を説明していくので、ぜひ読み進めてください。
BCP・防災マニュアルを策定しておく
避難を要する事態に陥った場合に的確に対応できるように、企業の場合はBCP・防災マニュアルを策定しておきましょう。
BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、自然災害や事故などのリスク発生時にその被害を最小限に抑えて、事業の継続または早期復旧を図るための計画のことです。
BCPや防災マニュアルにはリスク発生時に行うべき安全確保などの対応をあらかじめ定めておきますが、もし策定していない状態でリスクが発生してしまった場合は混乱によって対応が遅れ、被害がさらに拡大してしまうおそれがあるため、必ず平時に策定しておきましょう。
詳しくBCPを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
防災グッズを備蓄しておく
避難を要する災害発生時に社員が安全に避難生活を送れるように、あらかじめ防災グッズを備蓄しておきましょう。
一般的に電気・水道・ガスのライフラインや人命救助が落ち着くまでに3日程度かかると言われていますが、大規模な災害発生時は避難生活が長期化する場合もあるため、余裕をもって1週間分の防災グッズを確保しておくことが望ましいです。
企業の場合は東日本大震災で約515万人の帰宅困難者が発生したことを機に以下の東京都帰宅困難者対策条例第17号で防災グッズの備蓄が求められているため、可能な限りの防災グッズを確保しておきましょう。
【東京都帰宅困難者対策条例第17号】
事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の3日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します
備蓄するべき防災グッズの種類や量を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
揃えておきたい防災グッズの基本と必要な防災グッズ18選
防災で準備するべき食品「非常食」のおさえておきたい基礎知識
安否確認の手段を確保する
安否確認には社員の被災状況を把握するほか、事業継続のための人員を確保するという重要な目的があるため、平時に必ず安否確認の手段を複数、確保しておきましょう。
電話があればそれで良いと思っている方も中にはいるかもしれませんが、東日本大震災など過去に起きた震災で何度も確認されているように災害発生直後は安否確認で電話利用者が急増することで回線が輻輳状態に陥って通信規制が実施されるため、一時的に利用できなくなってしまうのです。
電話だけでは迅速な安否確認を実現できないというリスクを抱えているため、そのほかの安否確認の手段も確保しておかなければなりません。
詳しく主な安否確認の手段を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
避難場所を決めておく
避難情報が発表された場合に迅速に避難できるようにあらかじめハザードマップで避難場所を決めておきましょう。
ハザードマップとは、過去に発生した災害履歴に基づいて災害の範囲や被災状況、安全な避難場所などを記載した地図のことです。
ハザードマップは、水害や地震など災害の種類別に自治体や国土交通省のHP等で確認できますが、あくまでも予見に基づいた情報なので、場合によっては安全とされていた避難場所も被災してしまうおそれがあるため、1つの目安として考えましょう。
今回は簡易的な紹介となりましたが、詳しくハザードマップを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
リスク情報の早期把握に役立つFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
最後に
分かりづらいとの意見を受けて名称が変わることが多い避難情報ですが、正しく意味を把握していないと最悪の場合は逃げ遅れてしまうおそれがあります。
災害はいつどこで発生するのか分からないため、平時から十分に備えておくことが重要なので、避難情報を正しく把握し、いざという時に的確に行動できるようにしておきましょう。