
企業における防災訓練が最重要な理由と主な進行の流れ
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自然災害など企業におけるリスク発生時に的確な防災行動をスムーズに開始するためには、定期的に防災訓練をする必要があります。
しかし、効果的な防災訓練を行うためにどのように進めていけば良いのか困っている企業の防災担当者も中にはいるのではないでしょうか。
そこで本記事では防災訓練の概要と防災行動の効果を高めるための流れなどを説明していきます。
この記事を読むことで効果的に防災訓練を行うポイントが分かるので、ぜひ参考にしてください。
災害発生時に備えるために重要な日頃の防災訓練
自然災害などのリスク発生時に的確な防災行動をすみやかに行うためには、定期的な防災訓練の実施が欠かせません。
防災訓練には防災マニュアルや後述するBCPで定めた防災行動を社員に浸透させるという重要な役割があります。
自然災害などのリスクは、いつどこで発生するのか分かりません。
リスクに見舞われた場合は混乱によって社員が臨機応変に動くことはなかなか難しく、あらかじめ事前に把握していた対応しかできない傾向があるため、そんな想定外の事態を減らし、的確な対応を進めていくためには防災訓練を通して防災行動を浸透させることが重要です。
コロナ禍における防災訓練を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
形骸化した防災訓練に潜む大きなリスク
定期的に防災訓練を開催していたとしても、場合によっては防災訓練の実施自体が目的になっているケースも多々あります。
毎回のように同じ内容のみを繰り返す形骸化した防災訓練では想定外の事態が発生した場合に対応できず、被害が拡大してしまうリスクがあるのです。
また同じ防災訓練を繰り返しているだけでは、「もうその防災対応は十分、分かっているから」と多忙など何かと理由をつけて、徐々に参加者の人数も減ってしまうおそれがあります。
この状態では防災訓練を行うこと自体が無意味になってしまうため、火災から地震に変更する、参加者の役割を変えるなど、その都度に防災訓練の内容を変えるようにしましょう。
防災行動の効果を高めるための防災訓練の流れ
では、的確な防災行動を行うためにはどういった流れで防災訓練を実施すれば良いのでしょうか。
この章では企業における防災行動を高めるための主な防災訓練の流れを説明していくので、ぜひ参考にしてください。
BCP・防災マニュアルを策定する
防災訓練を行うためには、まずBCP・防災マニュアルでリスク発生時に行う防災行動をあらかじめ明確に定めておきましょう。
BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、自然災害や事故など企業におけるリスク発生時にその影響を最小限に抑えて、事業の継続もしくは早期復旧を図るための計画のことです。
もしBCP・防災マニュアルを策定していない状態でリスクに巻き込まれてしまった場合は、混乱によって的確な判断や防災行動ができずに被害が拡大してしまうおそれがあります。
詳しくBCPを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
リスク発生時の状況を想定したシナリオを準備する
BCP・防災マニュアルの策定が終わった、またはすでに策定している場合は、防災訓練を行うためにシナリオを用意しましょう。
防災訓練は、リスク発生時の状況を想定したシナリオに基づいて、BCP・防災マニュアルの防災行動を行うため、防災訓練を実施する前にシナリオを用意しておくことが大切です。
リアリティのあるシナリオを用意すれば、参加者はどのように行動すれば良いのか、何を学ぶ必要があるのかなどを伝えることができるため、参加者の防災意識向上にも繋がります。
詳しく防災訓練で必要なシナリオを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
参加者の役割を決めて進行する
防災訓練を行う際は、災害対策本部での役割を各参加者に与えて、BCP・防災マニュアルで定めた防災行動を予行演習として進めていきます。
災害対策本部とは、自然災害などのリスク発生時もしくは発生するおそれがある場合に意思決定を行うために設立される組織のことです。
防災訓練でも災害対策本部の班に参加者を割り当てて、防災行動を進めていきますが、災害発生時は何が起こるのか分からず、場合によっては班のリーダーが被災してしまうおそれがあります。
そのため、もし欠員が出た場合に備えてメンバーの代行者も複数人、選んだ上で代行者にもその役割を浸透させていくと良いでしょう。
災害対策本部の班やその役割を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
防災行動に関する意見交換を行う
防災訓練終了後は、参加者との意見交換をする場を設けて、BCP・防災マニュアルで定めた防災行動に関する意見を聞くようにしましょう。
というのもBCP・防災マニュアルで定めた防災行動は1度決めただけでは完成度の高い内容になるとは限らず、見直しを繰り返すことでより効果的な内容に近づけていく必要があるからです。
防災訓練で定めた防災行動を実際に予行演習で試すと「対応が複雑でスムーズにいかなかった」「もっと効果的な防災行動があるはず」など様々な意見が出る場合があるため、聞いた意見に基づいて、BCP・防災マニュアルの防災行動を見直して、次の防災訓練に活かすと良いでしょう。
補助的に活用できる防災ゲーム
社員の防災意識を高めるためには、全社で行う定期的な防災訓練のほかにも補助的に防災ゲームも活用すると良いでしょう。
防災ゲームとは、防災教育ツールの1種で気軽に楽しみながら防災を学ぶことができるため、自治体から家庭まで様々なシーンで利用されています。
防災ゲームでは、食糧をどのように配分するのか、どの避難ルートで移動するのが安全なのか、など常に参加者に選択が求められていくため、防災ゲームを通じて災害発生時に必要な判断力を養うことができます。
詳しく防災ゲームの種類などを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
リスク情報を早期把握できるFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
最後に
自然災害や事故などのリスク発生時に的確な防災行動をとるためには、定期的に開催する防災訓練で定めた防災行動を社員に浸透させていくことが重要です。
しかし、防災訓練の開催自体が目的となって、同じ内容を繰り返しているだけでは想定外の事態が発生した際に対処できなくなる原因となってしまうため、この記事を参考に効果的な防災訓練を実施していきましょう。