
万が一のために本当に必要な防災グッズの種類とリスト一覧
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被災後に安全な避難生活を送れるようにするためには、防災グッズの備蓄が必要不可欠ですが、これから用意する場合は特にどのような防災グッズを揃えていけば良いのか分からない方もいるのではないでしょうか。
そこでそんな方のために本記事では防災グッズの概要と防災グッズのリスト一覧などを説明していきます。
この記事を読むことで用意するべき防災グッズの種類が分かるので、ぜひ読み進めてください。
安全確保のために防災グッズの備蓄が重要な理由
大規模な災害が発生した場合はその被害によって避難生活が長期化してしまうおそれがあり、避難所で用意されている食糧などの防災グッズも数に限りがあります。
また、洪水などの災害によって在宅避難を選んだ場合は、自宅にある防災グッズで一時的に避難生活を送らなければならないため、災害に備えてある程度は自分で防災グッズを備蓄しておかなくてはなりません。
企業における安全配慮義務と防災グッズの関係性
企業の場合は、東日本大震災で発生した約515万人の帰宅困難者が人命救助の妨げになるなど様々なトラブルを招いたことを機に政府は以下の東京都帰宅困難者対策条例第17号などで防災グッズの備蓄が求められています。
【東京都帰宅困難者対策条例第17号】
事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の3日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します
現時点ではあくまでも努力義務であり、この条例を破ったことに対する罰則は設けられていませんが、企業にはこれとは別に労働契約法第5条によって社員に対する安全配慮義務が法的に課せられています。
【労働契約法第5条】
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
つまり、コストがかかるからと一切の防災グッズを備蓄しなかったことが原因で社員が被害を受けてしまった場合は安全配慮義務違反が法的に問われ、損害賠償金を支払わなければなりません。
そのため、社員が安全に避難生活を送れるようにするためにも、ある程度の防災グッズは平時から備蓄しておきましょう。
3種類の防災グッズと種類別のチェックリスト
阪神・淡路大震災を機に設立された「人と未来防災センター」では、防災グッズを以下の3種類に分類されています。
【0次】
非常持ち出し品のなかでいつでも携帯できるようにしておきたい防災グッズ
【1次】
非常持ち出し品として被災後の1日を過ごすための防災グッズ
【2次】
ライフラインの途絶によって、数日間を過ごすための防災グッズ
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・飲料水(500ml) ・お菓子や栄養補給食などの携帯食 ・ホイッスル ・懐中電灯と予備電池 ・携帯ラジオと予備電池 ・携帯電話と充電器、バッテリー ・健康保険証や運転免許証などの身分証 ・筆記用具 ・現金 ・救急用品や常備薬 ・マスク ・簡易トイレ ・テッシュペーパーやトイレットペーパー ・使い捨てカイロ ・ハンカチや手ぬぐい ・安全ピン ・ポリ袋 ・雨具 ・風呂敷 |
・防災グッズを入れるためのバッグ ・飲料水(1人1.5L) ・水や調理なしで食べられる非常食 ・インスタント食品や缶詰などの保存食 ・新聞紙やダンボール ・防災ヘルメットや防災頭巾 ・作業用手袋 ・運動靴 ・ハサミやナイフを搭載した万能ツール ・避難ばしこの代用として使う10m程度のロープ ・とげ抜きやピンセットとして使う毛抜き ・水がないときに使うウェットティッシュ ・サバイバルブランケット ・汚れの拭き取りやケガの手当などに使うタオル ・レジャーシートやブルーシート ・暖房器具の点火などに使うライター ・様々な用途に使えるガムテープ |
・衣類 ・毛布 ・塩や調味料 ・食器類 ・ラップ ・アルミホイル ・缶切り ・カセットコンロとボンベ ・鍋 ・歯磨きセットや洗口液 ・石鹸 ・ドライシャンプー ・重曹 ・工具類 ・避難や帰宅支援をするための地図 ・ロウソク ・非常用給水袋やタンク類 ・キッチンペーパー ・メモ提示に使えるホワイトボード ・さらしの布 ・スリッパ ・蚊取り線香 |
1次では0次の防災グッズも必要とするなど、0次〜2次につれて必要な防災グッズの種類は増えていきます。
一度に上記の防災グッズを揃えるのが大変だという場合は、まずは防災グッズセットを購入した上で徐々に足りない防災グッズを揃えていくと良いでしょう。
備蓄するべき主な防災グッズの詳細
次にこの章では平時から備蓄しておいた方が良い主な防災グッズの量などの詳細を説明していくので、ぜひ参考にしてください。
飲料水
人間は水を飲まないと3日程度で命を落としてしまうと言われており、防災グッズとして飲料水を備蓄しておくことは必要不可欠です。
必要な水の量は大人1人につき2.5〜3Lであり、一般的に電気・水道・ガスなどのライフラインの復旧には3日程度かかると言われています。
そのため、1人あたり9L(3日分)の飲料水を必要最低限とし、大規模な災害によって避難生活が長引く場合も想定して、21L(1週間分)の飲料水を用意しておくと良いでしょう。
また、災害に備えて普段から使っている飲料水などを多めに備蓄しておくという日常備蓄という考え方があるので、職場にあるウォーターサーバーの水の量を多めに契約しておくという手もあります。
防災ラジオ
停電や設備の損傷などによってテレビやスマートフォンで情報収集できない場合に備えて1台は、ラジオ放送以外にも災害発生時に役立つ機能を備えた防災ラジオを確保しておきましょう。
防災ラジオには様々な充電方法がありますが、乾電池による駆動がメインで補助的に手回し充電ができるタイプを選ぶと万が一、備蓄していた電池が切れてしまった場合でも安心です。
東日本大震災では当時、巨大津波が襲来することがテレビで発表されましたが、停電によって放送自体が見られなかったことで逃げ遅れてしまった地域もあるため、もしもの事態に備えて防災ラジオも用意しておきましょう。
簡易トイレ
地震など広範囲に及ぶ災害によって水道が途絶してしまうと、復旧されるまでタンクに残った水の数回分しかトイレを流すことができません。
またオフィスやマンションなど電動ポンプによってトイレに給水している場合は停電から復旧されるまで使用できなくなるため、災害発生時に備えて簡易トイレを用意しておくと良いでしょう。
簡易トイレには、携帯式・便座に被せるタイプ・組み立て式の3種類がありますが、組み立て式はサイズが大きく、保管スペースを圧迫してしまうおそれがあるため、携帯式と便座に被せるタイプを人数に合わせて用意しておくことが望ましいです。
防災ヘルメット
地震など災害発生時は、建築物の倒壊や落下物によって急所である頭部を負傷するおそれがあり、最悪は命を落としてしまうおそれがあるため、少しでも安全に避難できるように人数分の防災ヘルメットを用意しておきましょう。
防災ヘルメットはヘルメットであれば何でも言いということはなく、国家検定に合格した証である「労・検ラベル」が貼られた飛来・落下物用のヘルメットを選ぶことが重要です。
これ以外のヘルメットは防災用としては安全性が低いと言わざるを得ないので、使用を控える必要があります。
ライト
夜間に災害が発生した場合に手探りで動こうとするとガラス片などで負傷してしまうおそれがあるため、ライトを用意しておきましょう。
防災グッズとして使うライトには、主に懐中電灯・ヘッドライト・ランタンの3種類がありますが、シチュエーションによって使うべきライトは異なるため、作業用や停電した場合の部屋の照明代わりなど用途に合わせて複数の種類を用意しておくことが重要です。
また照明の範囲が広く、遠くまで照射できるライトであっても点灯時間が短いのであれば避難には向かないため、点灯時間をあらかじめ確認しておきましょう。
いつでも使えるように管理方法や保管場所を工夫する
せっかく防災グッズを備蓄していても管理がずさんであれば、消費期限切れや乾電池の使用期限切れなどによって、いざという時に使えないおそれがあります。
そのため、防災グッズは先入れ先出しで保管し、以下の内容を記載した在庫管理表を作成しておきましょう。
- 防災グッズの使用期限や消費期限
- 購入日
- 種類
- 数量
- 保管している場所 など
また災害発生時はすみやかに安全な場所へ避難する必要があるため、迅速に備蓄している防災グッズを取り出せるように1箇所の倉庫だけでなく、社員のデスクの下や別のフロアなど保管場所を分散させておくと良いでしょう。
リスク情報を把握できるFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
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最後に
災害発生時でもある程度の避難生活は送れると楽観視している方もいますが、避難所に用意されている防災グッズの量には限りがありますし、被災によって必要な食糧などが手に入らない事態に陥る場合があるため、防災対策として平時から防災グッズを備蓄しておかなければなりません。
この記事を参考に災害発生時に備えて、可能な限りの防災グッズを備蓄し、安全な避難生活を送れるようにしましょう。