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災害発生時に悪影響を及ぼすパニックと発生を防ぐための対策

報道や日常会話などの中で何気なく使われているパニックですが、災害心理学における意味を正しく把握していなければパニックの発生を食い止めることができずにさらに事態が悪化してしまうおそれがあります。

しかし、この記事をお読みの方の中には災害心理学におけるパニックの意味が分からない、パニック対策をどのように考えれば良いのか困っている、などの悩みを抱えているのではないでしょうか。

そこで本記事では災害心理学におけるパニックの概要と発生する4つの条件、企業における主なパニック対策などを説明していきます。

この記事を読むことでパニック対策を行う上で参考になるので、ぜひ最後まで読み進めてください。

災害心理学におけるパニックと発生する4つの条件

災害心理学におけるパニックとは、災害や事故などのリスクから自身を守るために他者を無視した行動をする混乱状況のことです。

広瀬弘忠氏の『人はなぜ逃げおくれるのかー災害の心理学』では、以下のようにパニックを定義しています。

【パニックの定義】
各個人が自分自身の安全を脅かす事態をさけようとして、他者の安全を無視して行う、非合理かつ無秩序な行動の集積である。

引用:「人はなぜ逃げおくれるのかー災害の心理学」広瀬弘忠氏著

災害や事故などの危機発生時は必ずパニックが発生することが常識という誤ったパニック神話が広まっていますが、そうした災害や事故などの発生時は平常心でいることこそ難しいものの、必ずしもパニックに発展するとは限りません。

広瀬弘忠氏の同書でも説明されているようにパニックは以下4つの条件によって発生し、この条件のいずれかが欠けている場合はパニックは起きづらくなるという特徴があります。

  1. 危険が差し迫っているという認識が人々の間にある場合
  2. 脱出など危険を回避できる可能性がある場合
  3. 危険を回避できる可能性はあるが、助かる保証はない場合
  4. 人々のコミュニケーションが正常に成り立たなくなっている場合

意外だと思う方も中にはいるかもしれませんが、唯一の脱出口が塞がっていて避難できないなど助かる見込みがない場合は、避難自体を人々は諦めるため、パニックが発生しません。

万が一、災害発生時にパニックが起きた場合は、混乱によって利己的に行動することで危機を回避する、もしくはその影響を最小限に抑えるために欠かせない初動対応などの防災行動が的確に行えず、さらに被害が拡大してしまうため、パニックの発生は何としてでも防ぐ必要があります。

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パニック」はパニックではないケースが多い

報道や日常会話の中で「パニックになった」などの表現が使われていることがありますが、狭義には災害心理学ではこの表現は正しくないケースが多いです。

災害心理学のパニックはあくまでも前述の条件を満たした際に発生すると考えられており、「パニックになった」などの表現は、状況にもよりますが「パニックに近い状態になった」などに言い換える必要があります。

パニックの発生を防ぐには条件を不成立にする

パニックの発生を防ぐためには、前述した4つの条件のうちいずれかの成立を崩すことが大切です。

ただし、だからと言ってパニックの発生を防ぐために条件の①を排除しようと災害や事故などが発生したことの発表を遅らせたり、知らせずにいたりすると危機に気づいた人々は正常な判断力を失って、深刻な事態を招きかねません。

そのため、被害を最小限に抑えるためには迅速に災害や事故などの危機を迅速かつ正確に周囲の人々に知らせた上で、②〜④のいずれかの条件を排除していくことが必要不可欠です。

パニックが招いた明石花火大会歩道事故

パニックが甚大な被害をもたらした事例には、2001年の明石花火大会歩道事故があげられます。

死者11人・重軽傷者247人という前代未聞の被害が発生したこの事故の直接的な原因は、群衆雪崩でした。

明石市が開催した花火大会終了後に帰ろうとする観客と露店などを見るために会場へ向かおうとする観客が駅前の歩道橋で衝突。

この歩道橋付近が花火がよく見えるスポットであったことや露店が多く立ち並んでいたことでさらに人々が殺到する状態に陥ったのです。

そして花火大会の運営側が迂回路の案内をしなかったことや混雑によって蒸し風呂状態に陥ったなど様々な要因が重なったことにより、やがて人々はパニックに陥って、深刻な被害を及ぼした群衆雪崩が発生。

この事故の発生後、花火大会の人手を予想しながらも十分に警備計画を作成していなかった、配属した警備員の人数に不備があったなど、当時の警備会社と警察の対応がずさんであったことが明らかとなり、大きな批判を浴びました。

災害発生時における主なパニック対策

では、災害発生時の防災行動に深刻な悪影響を及ぼすパニックを防止または軽減するためにはどうすれば良いのでしょうか。

この章では企業における主なパニック対策を説明していくので、企業の防災担当者はぜひ参考にしてください。

BCP・防災マニュアルを策定する

災害や事故など想定外の事態発生時は、混乱によって臨機応変に動くことは難しく、事前に定められていた対応しかできない傾向があるため、被害を最小限に抑えるためには可能な限り想定外をなくしていくことが大切です。

そのため、まずはパニックを防ぐためにリスク発生時の詳細な防災行動を定めたBCP・防災マニュアルを策定しておきましょう。

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、経営資源である従業員を含めた事業を守る観点で災害や事故など企業におけるリスクによる被害を最小限に抑えて、事業の継続もしくは早期復旧を図る計画のことです。

BCPや防災マニュアルにはリスク発生時の防災対応を明確に定めておきますが、もしこれらのいずれかを策定していない状態でリスクに巻き込まれた場合は想定外の事態に的確な判断ができず、被害が拡大してしまうおそれがあります。

そのため、事業を守るためにはリスクが発生する前の平時からBCPや防災マニュアルを策定しておくことが望ましいです。

詳しくBCPを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

企業におけるBCP(事業継続計画)の概要と導入する必要性

防災訓練を徹底する

前述のBCP・防災マニュアルで定めた防災行動を社員に十分に浸透させるためには、定期的に開催する防災訓練の存在が欠かせません。

防災訓練はリスク発生時のシナリオを用意した上でBCP・防災マニュアルで定めた防災行動の効果検証をしていきますが、毎回のように同じ内容の訓練を繰り返す形骸化した防災訓練では想定外の事態が発生した際に対応できないリスクが高まるため、訓練自体が無意味になってしまうのです。

そのため、シナリオの内容を地震から火災へ変更する、参加者の役割を変えるなど想定外を少しでもなくしていくためにはバラエティに富んだ様々な内容の防災訓練を開催していく必要があります。

詳しく防災訓練のシナリオを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

防災訓練シナリオの基本と完成度の高いシナリオを作る方法

正確な情報収集を行う

パニックの発生を防ぐためには迅速にリスク発生時の状況を情報収集した上で、危機を過度に強調したり、過小評価したりせずにあのままの正確な内容を周囲に伝えて、被害を最小限に抑えるための的確な防災行動を開始する必要があります。

情報収集の手段にはテレビやラジオ、自治体の防災情報などがありますが、近年は個人間だけでなく企業や自治体でも情報収集・発信の手段としてTwitterをはじめとしたSNSが活用されています。

災害発生時にSNSで情報収集・発信をすることをソーシャル防災と言いますが、情報収集の手段として急激にSNSが注目を集めている理由としてはテレビやラジオなどの報道と比較してSNSの方が即時性が高いからです。

テレビやラジオなどの報道は取材を経てから編集と放送という手順を踏む必要があるため、迅速に状況を把握することが難しいですが、SNSの場合は災害などのリスクが発生してからほぼリアルタイムで状況を把握することができます。

その即時性の高さからテレビやラジオなどのマスメディアも取材のネタ探しのためにSNSを活用しているほどであるため、SNSも情報収集の手段として活用すると良いでしょう。

災害などのリスク発生時にSNSで情報収集・発信を行うソーシャル防災を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

ソーシャル防災が今、重視されている理由とその基礎知識

リスク情報を早期把握できるFASTALERT

災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。

情報収集の手段にはテレビやラジオのほかに前述したSNSがあげられますが、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。

この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。

FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。

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最後に

災害や事故などの発生時に必ずしもパニックが誘発されるとは限りませんが、万が一パニックが発生した場合は被害を最小限に抑えるために欠かせない防災行動に深刻な悪影響を及ぼしてしまいます。

前述したようにパニックは4つの条件を満たした場合のみに起こり得るので、この機会に可能な限りパニックの条件を排除する対策を導入し、事業への影響を最小限に抑えると良いでしょう。

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