
知っておくべき防災靴の予備知識と安全な1足を選ぶ基準
目次[非表示]
- 1.覚えておきたい防災靴の基礎知識
- 1.1.防災靴が必要な理由
- 1.2.防災靴には2種類ある
- 2.最適な防災靴の3つの選び方
- 2.1.必要最低限の性能があるかチェックする
- 2.2.JIS規格の安全靴に決める
- 2.3.歩きやすさを重視する
- 3.自然災害などリスク情報の収集やBCPで活躍するFASTALERT
- 4.まとめ
- 5.関連お役立ち資料集
地震などの災害発生直後は、瓦礫やガラス片が散らばった道を歩く必要がありますが、何も考えずに普段の靴で歩いてしまうと、余計なケガを負いかねません。
そんな場合に役立つのが足を保護してくれる防災靴です。
しかし防災靴と言っても、どんな製品を選べばいいのか分からないという方も多いはず。
今回はそんな方のために防災靴の基本情報と安全な防災靴を選ぶポイントを解説していきます。
この記事を読むことで、被災中に活躍する1足を手に入れることができるので、ぜひ参考にしてください。
覚えておきたい防災靴の基礎知識

はじめに防災靴の基本を紹介していきます。どれも役立つ情報ばかりなので、ぜひ読み進めてください。
防災靴が必要な理由
あなたは被災を想定してどんな靴を用意していますか?
普段履いている革靴やスニーカーなどで構わないと考えている方も多くいらっしゃるでしょうが、実は足が頭部の次に守るべき大事な部分です。
地震などの災害発生後は避難のために瓦礫や釘、ガラス片の中を歩く必要がありますが、通常の靴ではソールを貫通して負傷する踏み抜きが起きやすく、たとえ軽いケガだとしても応急処置をすぐにできなければ破傷風になる恐れがあります。
実際に東日本大震災などでも踏み抜きによるケガが多発していると報告されており、足をケガしてしまうと迅速な避難ができません。
それを防ぐために役立つのが様々な危険から足を守ってくれる防災靴です。
安全靴との違いがよく分からないという方もいますが、防災靴は、つま先の保護だけではなく、耐踏み抜き性能や靴底の耐滑性能など災害時に助けとなる工夫が施されており、安全な避難を実現してくれます。
そのため、防災として1足は揃えておくと万が一の時でも安心です。
防災靴には2種類ある
市販されている防災靴のタイプには、スニーカーと安全靴の2つがあります。
スニーカータイプの場合、ガラス片から足を保護でき、軽量なので普段とあまり変わらない歩きやすさになりますが、瓦礫や釘などによる踏み抜きを防止できません。
そのため、踏み抜き防止インソールなどを別途、用意する必要があります。
その一方で安全靴タイプであればスニーカータイプよりもソールが厚底で最初から耐踏み抜き性能を備えている製品がほとんどのため、釘やガラス片などが散乱としている道端でも心配ありません。
また足甲の保護ができる耐切創の素材が使われている製品もあるため、安全性を考えると防災靴は安全靴タイプを選んでおくと良いでしょう。
最適な防災靴の3つの選び方

ここまで防災靴の予備知識を解説しました。次に安全性の高い防災靴選びの3つのポイントを紹介していくので、どんな防災靴を選べばいいのか困っている方は、ぜひ参考にしてください。
必要最低限の性能があるかチェックする
防災靴を購入する前に、その1足に最低限の性能が備わっているのかどうかをよく確認しておきましょう。
日本安全靴工業会と日本プロテクティブスニーカー協会が共同で発表した「災害時に着用する活動靴(防災靴)についてのガイドライン」によれば、防災靴の必要最低限の性能は以下の3つです。
【重量物の落下・圧迫に対するつま先の保護性能】
物体の落下に対して回避しづらい、つま先の保護が重要
【靴底の耐踏み抜き性能】
被災中は瓦礫やガラス片など鋭利な物が散乱する可能性が高いため、それらの突起物に対して、ある程度の耐久性が必要
【靴底の耐滑性能】
災害直後は不安定な場所が多く、転倒する可能性が高まるため、滑りにくい材質や構造を持った靴底が大切
ほかに防水や靴表面の耐切創性能を持つタイプもありますが、必要最低限である上記3つを満たしていない製品は安全性が低いと言わざるを得ないので、防災靴としての使用は控えておいた方が良いでしょう。
JIS規格の安全靴に決める
防災靴として使える靴には、以下の2種類があります。
- JIS規格(JIST8101)に合格した安全靴
- JSAA規格のプロテクティブスニーカー(略称:プロスニーカー)
JIS規格とJSAAはあくまでも安全靴の規格であり、防災として定められた規格ではありませんが、前述した防災靴に求められる3つの性能を有していることから防災靴として役立つのです。
JIS規格の安全靴に使われる素材は革とゴムの2種類のみと定められているのに対して、JSAA認定品のプロテクティブスニーカーは革やゴムだけでなく合成皮革やプラスチック、編物などさまざまな素材が使えます。
そのためJSAA認定品のプロテクティブスニーカーは履き心地を追求している製品が多いです。
しかし、JIS規格の安全靴と比べるとその分、素材の強度が下がるため、足甲への防御力・耐久性が劣ってしまいます。
防災靴として使うことを考えると足甲の防御力に優れ、足全体を保護してくれるJIS規格の安全靴の方が安心です。
JIS規格であるJIST8101に合格している安全靴は必ず製品の箱や公式サイトに「JIST8101」と明記されているので、よく確認しておきましょう。
歩きやすさを重視する
避難や避難後の救助活動、避難所での移動など、被災中の移動は頻繁にあるため、歩きやすい防災靴を選ぶことは大切です。
そのため、履き心地はもちろんのこと、瓦礫などによる道のでこぼこが足に伝わりづらいソールの厚い防災靴を選んでおくと、長距離を歩くことになったとしても体力を消耗せずに済むでしょう。
また、防災靴の履きやすさにも注目してください。災害の発生ですぐに避難しなくてはいけない状況で靴を履くのに時間がかかっていると、避難に遅れて最悪の場合は命を落とすことになりかねません。
防災靴の中には靴紐を結ぶ必要がない製品やサイドジッパーを採用したタイプがあるので、前述したJIS規格に合格していることを前提として、歩きやすく着脱が容易な安全靴を選んでください。
自然災害などリスク情報の収集やBCPで活躍するFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
まとめ
今回は防災靴の基本と安全性の高い1足の選び方を紹介しました。本記事の重要なポイントには、次の3つがあげられます。
- 安全性を考えると、安全靴タイプがいい
- JIS規格に合格した防災靴を選ぶ
- 歩きやすさと着脱のしやすさを意識する
この記事を参考にして、安全に避難できる1足を手に入れましょう。