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デジタルトランスフォーメーションが自治体・企業に求められる背景とその取り組み事例

「仮想と現実を融合させ経済発展と社会的課題の解決を両立させる」Society5.0の実現に向けて日本政府はデジタルトランスフォーメーションを推進しています。

しかし自治体や企業の担当者は、具体的な事例が見つからずにどのように取り組みを進めていけば良いのか困っている方もいるでしょう。

そんな方のためにデジタルトランスフォーメーションの概要と現状の課題、自治体・企業における取り組み事例などを解説していきます。

この記事を読むことでデジタルトランスフォーメーションに取り組む上でのヒントが分かるので、ぜひ自治体・企業担当者は最後までお読みください。

※2020年11月19日更新
※本記事では、一部を除き、Adobe Stockで入手した画像を使用しています。

デジタルトランスフォーメーションとは?

デジタルトランスフォーメンション

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:DX)とは、IoTやAIなど最先端デジタル技術の活用によって、人々の生活をより豊かにしたり、これまで抱えていた課題を解決したりする取り組みのことです。

トランスフォーメーション(変革)とあるように、この取り組みを行うことで良い意味で社会全体に変革を与えることができるとしています。

日本では2018年に経済産業省がデジタルトランスフォーメーションを実現するための課題や対応などをデジタルトランスフォーメーションに向けた研究会で検討した上で報告書であるD X レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~を発表。

これが契機となって日本政府主導のもと企業・自治体の間でIoTやAI、クラウドなど最先端のデジタル技術を活用するデジタルトランスフォーメーションの取り組みが始まったのです。

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もともとはスウェーデンで提唱された概念

近年になって日本でも取り組まれているデジタルトランスフォーメーションですが、決して新しい概念ではありません。

もともとは2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授がINFORMATION TECHNOLOGY AND THE GOOD LIFEで提唱した「ITの浸透によって人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念でした。

この論文では、多くの人々の関心事は「より良い人生」であり、デジタルトランスフォーメーションがそれを実現するための手助けにならねばならないとしています。

日本におけるデジタルトランスフォーメーションの定義

経済産業省のデジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX 推進ガイドライン) Ver. 1.0では、以下のようにデジタルトランスフォーメーションが定義されています。

【デジタルトランスフォーメーションの定義】
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

なぜDXと略されているのか?

デジタルトランスフォーメーションをDTではなく、DXと略すことに違和感を覚えている方も中にいるでしょう。

英語圏では「Transformation」を「X」と略すことが一般的であるため、デジタルトランスフォーメーションは、「DX」と呼ばれています。

デジタイゼーションやデジタライゼーションとの違い

デジタイゼーション

デジタルトランスフォーメーションを実現するためにはデジタイゼーションとデジタライゼーションの2つが欠かせませんが、中にはデジタルトランスフォーメーションとデジタイゼーションやデジタライゼーションを混同している方もいるでしょう。

デジタイゼーションとデジタライゼーションの意味は、それぞれ以下のとおりです。

【デジタイゼーション(Digitization)】
デジタル技術の活用によって、ビジネスプロセスをデジタル化すること

【デジタライゼーション(Digitalization)
デジタル技術の活用によって、ビジネスモデルを変革し、サービスなどに付加価値を与えること

デジタイゼーションは、従来のビジネスプロセスをデジタルに置き換えることを差しますが、デジタライゼーションは、ビジネスモデルを変革することで新しい事業価値や顧客体験を創出することです。

狭義にはデジタイゼーションとデジタライゼーションが自治体や企業の中で行われる取り組みであり、それが社会に影響を与える場合はデジタルトランスフォーメーションだと考えることができます。

自治体・企業がデジタルトランスフォーメーションに取り組む背景

デジタルトランスフォーメーション

では、なぜ近年になって日本の自治体や企業でデジタルトランスフォーメーションが求められているのでしょうか。

この章では自治体・企業でデジタルトランスフォーメーションが求められている背景を説明していきます。

自治体がデジタルトランスフォーメーションを求められている背景

総務省が発表する地方公共団体の総職員数の推移で説明されているとおり、地方自治体の職員は減少し続けており、1994年と比較して2019年は約54万人の減少となりました。

この減少には行政改革による定数削減、団塊世代の退職、市町村の合併など様々な理由があげられますが、職員数が減少しているのにも関わらず、一人あたりの業務量は年々、増加しているのです。

これまでは民間委託や非正規職員の動員などで対応されてきましたが、やはり限界があり、コスト削減や業務効率化などを目的として自治体においてもデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが求められています。

企業がデジタルトランスフォーメーションを求められている背景

近年さまざまな産業で最先端のデジタル技術を駆使した新しいビジネスモデルを提供する新規参入者が次々と現れる状況になっています。

システムの老朽化などの理由で既存システムでは新しい事業やサービスをスムーズに展開することが難しいケースも多々あり、デジタルトランスフォーメーションで最先端のデジタル技術を活用しなくては競合企業から将来的に取り残されてしまうおそれがあるのです。

また最先端デジタル技術が人々の生活に浸透しつつあり、それが顧客の評価につながる段階に来ているので、企業の価値を高めるためにもデジタルトランスフォーメーションの推進が求められています。

「2025年の崖」を防ぐために必要なデジタルトランスフォーメーション

2025年の崖

D X レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~で説明されているとおり、開発したシステムの維持管理費の高額化などによって十分にデジタルトランスフォーメーションが進まなければ、結果的に2025年以降に年間で最大12兆円の損失(現在の3倍)が発生するとこのレポートで経済産業省が警鐘を鳴らしています。

この損失は「2025年の崖」と呼ばれていますが、その一方でデジタルトランスフォーメーションを実現できた場合は2030年の実質GDPで130兆円の押し上げができると試算されています。

2025年の崖による日本の損失や国力低下を防ぐためには自治体・企業が積極的にデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいかなければなりません。

デジタルトランスフォーメーションに取り組む上での課題

ブラックボックス化

自治体と企業では前述した背景によってデジタルトランスフォーメーションに力を入れるようになっていますが、状況によっては以下のような課題が発生する場合があります。

  • 複雑化や開発者など有識者の退職による既存システムのブラックボックス化
  • デジタルトランスフォーメーションに取り組む人材の不足
  • 取り組む上での時間的・金銭的コストが負担になる

ブラックボックス化とは、機能していても内部構造がどうなっているのか解明できない、または調査に時間がかかるシステムや装置のことを指します。

既存システムがブラックボックス化する理由には、システム開発者のノウハウが受け継がれないまま退職されてしまったり、個別の最適化を進めて結果的にシステムの全体像が複雑化してしまったりなどがあげられます。

こうしたブラックボックス化した既存のシステムに新しいデジタル技術を取り入れても機能しない、全社で利用できない限定的な機能になるなどの問題が発生するおそれがあるのです。

デジタルトランスフォーメーションに取り組む主なメリット

メリット

ここまでデジタルトランスフォーメーションの概要や自治体・企業が取り組むことを求められている背景を解説しました。

この章ではデジタルトランスフォーメーションに取り組むメリットを説明していくので、これから検討中の担当者は、ぜひ参考にしてください。

業務効率化や生産性向上を図れる

デジタルトランスフォーメーションに取り組めば、これまで行なっていた業務の自動化や分散していた業務の統合ができるため、業務効率化はもちろん、生産性・精度の向上を図ることができます。

従来の業務にかけていた人的・時間的コストを軽減できるため、より重要な業務にリソースを集中させることが可能です。

また業務をデジタル化・自動化すれば、一部の業務を24時間継続できますし、人為的なミスの発生も防げます。

事業継続につながる

日本経済新聞が発表する「DX改革、企業明暗 コロナで鮮明に」で説明されているとおり、新型コロナウイルスの影響によって消費行動が落ち込む状況の中でもデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいた企業は収益が伸びていることが分かりました。

もちろん事業継続のために必ずしもデジタルトランスフォーメーションが必要ということではありませんが、BCP(事業継続計画)の実効性を高める上ではデジタルトランスフォーメーションが役立つと言えます。

例えば新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、リモート営業や業務の自動化・省人化などに取り組む企業が増えていますが、この取り組みによってリスクが発生した場合にBCPを実行する上での選択肢を広げることができます。

デジタルトランスフォーメーションで利用される主なデジタル技術や対応

RPA

これからデジタルトランスフォーメーションに取り組みたいと考えていても、どういったデジタル技術などが活用されているのか分からないと悩んでいる担当者も中にはいるのではないでしょうか。

そこでこの章ではデジタルトランスフォーメーションで使われている主なデジタル技術や対応などを説明していくので、ぜひ読み進めてください。

RPA

RPA(Robotic Process Automation)とは、コンピューター上で行なっている一連の作業をソフトウェアのロボットが自動化することです。

単純作業を正確に行う場合はRPAが役立ちますが、事前に命令されたことしかできませんし、複雑な作業を自動化するために多くの命令を与えなければなりません。

RPAは事務業務や経費処理などバックオフィス業務で有効に使われています。

SFA

SFA(Sales Force Automation)とは、営業活動の支援や効率化を図るための情報システムのことです。

SFAを利用すれば、顧客情報や案件の進捗等のデータやアポイントメントの日程などが一元的に管理できるため、より効率的な営業活動に繋がります。

顧客の状況をより理解し、収益拡大を実現するために多くの企業でSFAが活用されています。

テレワーク

働き方改革や新型コロナウイルスの発生によって、多くの企業でテレワークが始まっていますが、これもデジタルトランスフォーメーションの一環と言えます。

テレワークを始めるためにはVPNなどITセキュリティ対策を徹底しておく必要がありますが、通勤費やワークスペースなどのコストを削減できるほか、自然災害などのリスク発生時でも自宅等で業務を継続できるというメリットがあります。

ペーパーレス化

新型コロナウイルスの影響で進むテレワークの導入に伴って、多くの自治体や企業で書類のペーパーレス化が始まっています。

ペーパーレス化は業務で管理している書類や文書を電子化し、従来の紙依存から脱却を図ることです。

ペーパーレス化を進めると、印刷コストの削減だけでなく、コンピューター上で管理できることから業務の効率化が図れます。

自治体・企業におけるデジタルトランスフォーメーションの事例4選

自治体・企業における事例

ここまで日本におけるデジタルトランスフォーメーションの概要を説明しましたが、具体的にSOCIETY5.0に向けてどのような取り組みが行われているのでしょうか。

この章では自治体と企業の一例を紹介していくので、特にデジタルトランスフォーメーションの取り組みに行き詰まっているという担当者はぜひ読み進めてください。

RPAとOCRを組み合わせた東京都葛飾区

以前から最先端のデジタル技術の活用に力を入れていた東京都葛飾区では、RPAとOCR(光学文字認識)を活用し、業務の効率化が行われています。

自治体通信ONLINEの「OCRと連携可能なツールで、紙を扱う業務もロボットに代替できた」によれば保育園の入園申込書関連業務など紙の文書を扱う業務でRPAが活用されており、結果的に年間712時間もの業務削減(2019年12月時点)が成功しているのです。

ICTを活用する福島県会津若松市

東日本大震災復興プロジェクトでいち早くICT技術を導入していた福島県会津若松市では様々な取り組みが展開されており、現時点では主に以下のシステムが活用されています。

会津若松+
住民に役立つ情報を提供する地域情報ポータルサイト。データ分析によって行動やライフスタイルなど個人個人のニーズに合わせた情報を提供している

母子健康情報サービス
乳幼児健診・予防接種の記録や計算に基づいたおすすめの予防接種日の提案などを行うPC・スマートフォン・タブレットのサービス

AIとRPAで業務効率化を図る宮城県仙台市

宮城県仙台市では18年の19年にRPA実証実験を経て、今年から業務効率化のために全庁でRPAを導入しており、これまで手作業で行っていたデータ入力などの事務業務で主に活用されています。

また仙台市ではAIも活用されており、仙台市が発表する「仙台市の業務における RPA等の利活用について」でも説明されているように、2019年から以下の取り組みが行われているのです。

  • ビッグデータ分析によって税金滞納者の規則性の発見
  • 税金滞納者の行動特性をAIで予測 など

これによって税金滞納者が電話に出やすい時間帯、固定電話と携帯電話のどちらが適切なのかなどを分析し、職員の経験によらない効率的な徴収を図っているようです。

RPAで月1600時間の業務削減に成功したリコー

株式会社リコーは2018年からRPAを導入しており、事務部門だけに限らず生産部門、設計開発部門など様々な部門で幅広くRPAが活用されています。

日刊工業新聞の「月1600時間分の業務削減に成功、“デジタル革命”進める企業の専門部隊」によれば、すでにグループ全体で200以上のRPA用ソフトを開発しており、業務自動化によってこれまでかけていた月間約1,600時間の業務削減に成功しているようです。

リスク情報の収集コストを削減できる「FASTALERT」

内閣府が「Society 5.0 新たな価値の事例(防災)」で説明しているとおり、Society5.0では防災においてもAIやIoTなど最先端デジタル技術の活用が計画されています。

具体的には人工衛星やドローンによる被災地状況等のデータをAIが分析した上で安全な避難情報の提供や救助などに役立てることが現時点では想定されているのです。

しかし自治体や企業によってはこうしたAIやIoTにかける費用や人材が不足している場合もあるでしょうし、デジタルトランスフォーメーションに取り組む上で今すぐ防災分野にAIやIoTを活用して業務効率化を図りたい担当者もいるでしょう。

そこで災害や事故などの幅広いリスク情報を収集するために役立つFASTALERTをご紹介させていただきます。防災やBCP対策などですでに全ての民放キー局や大手報道機関、一般企業、自治体で幅広く導入されているFASTALERTによって、的確な初動対応を迅速に開始することができます。

Twitterをはじめとした様々な場所から“報道前”のリスク情報を検知・分析し、サービス利用者に提供しています。

例えばFASTALERTでは2019年9月5日の京急脱線事故を事故発生から1分後に第1報を検知・サービス利用者に情報提供していましたが、これはテレビの報道よりも1時間15分ほど早かったことが分かっています。

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FASTALERTは、企業・自治体のお客様専用のサービスとなります。

最後に

Society5.0の実現を目指す上で様々な自治体・企業でデジタルトランスフォーメーションの取り組みが行われており、今後も加速的に最先端のデジタル技術の活用が進んでいくと考えられます。

このデジタルトランスフォーメーション時代に乗り遅れないように事例を参考にした上で、どのような取り組みを始めるべきなのかを考えましょう。

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