
企業における災害ボランティアの基礎知識と主な活動内容
目次[非表示]
- 1.復興支援を担う災害ボランティアと4つの原則
- 2.コロナ禍で変わる災害ボランティア
- 3.企業における主な災害ボランティアの活動
- 3.1.現地に行く前の情報収集
- 3.2.災害ボランティアに必要な持ち物の用意
- 3.3.ボランティア活動保険への加入
- 3.4.義援金・支援金の支援
- 4.リスク情報の早期把握に役立つFASTALERT
- 5.最後に
- 6.関連お役立ち資料集
被災した場合、企業は事業継続の観点でも近隣地域の災害ボランティアに参加するべきですが、中には災害ボランティアをどのように考えるべきなのか困っている企業の担当者もいるのではないでしょうか。
そこで今回はそんな方のために災害ボランティアの概要と企業における災害ボランティアの主な活動などを説明していきます。
この記事を読むことで災害ボランティアの活動を始める上でのヒントが分かるので、ぜひ参考にしてください。
復興支援を担う災害ボランティアと4つの原則
災害ボランティアとは、地震や台風などによって被災した場合に復旧・復興活動を行うことであり、災害ボランティアも以下のボランティア活動の4つの原則に基づいて実施されています。
【自主性・主体性】
災害ボランティアは強制や義務で参加するのではなく、告知などによって自らの自由意志で活動するかどうかを決める
【社会性・連帯性】
誰もが豊かに暮らせるようにみんなで協力しながら、力を合わせて活動を行う
【無償性・無給性】
金銭的な報酬を期待して行う活動ではなく、災害ボランティア活動を通して感動や喜びを得られる
【創造性・開拓性・先駆性】
今、何が求められているのかを自分たちで考えながら、より良い社会を目指して活動を行う
企業の場合は、事業継続の観点でも被災した地域の復旧支援などの災害ボランティアが重要であり、災害発生時にいくらオフィスが無事であったとしても、社員やステークホルダーの居住地である近隣地域が被災していれば事業を継続できません。
また被災した近隣地域よりも自社の復旧活動のみを優先してしまった場合は、その後に企業の大幅なイメージダウンを招くことで事業継続にも悪影響を及ぼす事態に陥るため、災害発生時に備えて災害ボランティアの対応も定めておくと良いでしょう。
コロナ禍で変わる災害ボランティア
新型コロナウイルスの蔓延によって災害ボランティアの対応は従来と変化してきており、適切な新型コロナウイルス対策を行わない状態で災害ボランティアを始めると集団感染の発生など感染拡大してしまうおそれがあります。
この状況を受けて認定NPO法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が2020年6月1日に「新型コロナウイルスの感染が懸念される状況におけるボランティア・NPO等の災害対応ガイドライン」を発表しました。
同ガイドラインでは、主に以下の内容に細心の注意を払いつつ、災害ボランティアの活動を進めなければならないとしています。
- 被災した地域の意向を前提にする
- 被災した地域以外の外部からの人的支援は遠隔で行う
- 情報収集はできるだけ遠隔で行う
- 現地入りする前には在宅勤務の徹底で感染を防ぐ措置をとる など
企業における主な災害ボランティアの活動
では、これから災害ボランティアを行いたいと考えている企業はどのように災害ボランティアの対応を考えれば良いのでしょうか。
この章では企業が行う主な災害ボランティアの対応を説明していくので、ぜひ参考にしてください。
現地に行く前の情報収集
被災後にすぐに現地に向かいたいと思っても、災害ボランティアの受け入れ体制が整っていないことで、かえって迷惑をかけてしまうおそれがありますし、被災の状況などによって求められるニーズは異なるため、以下の情報収集をあらかじめ行っておきましょう。
- 被災地の被害状況の把握
- 被災地で必要とされているボランティア活動の内容
- 被災地のボランティア活動受け入れ体制の確認
受け入れ体制の確認は、ボランティア活動を支援している社会福祉法人全国社会福祉協議会のウェブサイトなどで確認することができます。
また復旧など様々な緊急対応を行っている職員に負担をかけてしまうため、被災地の自治体への電話は控えておきましょう。
災害ボランティアに必要な持ち物の用意
被災地には多くの方が集まるため、何も準備せずに向かうと迷惑をかけてしまうため、あらかじめ災害ボランティアに必要な持ち物は用意しておきましょう。
発生した災害の種類や季節、被災地側のニーズによって準備しておくべきニーズは異なりますが、主に以下の持ち物を用意しておくことが望ましいです。
- 帽子やヘルメット
- 作業用の軍手
- 長袖と長ズボン
- 食糧と飲料水
- マスク
- タオル
- 着替え
- 常備薬 など
災害が発生したばかりの被災地では現地調達ができないことが多く、できたとしても被災者である現地住民に大きな負担をかけてしまうため、必ず被災地に到着する前に用意しておきましょう。
ボランティア活動保険への加入
倒壊した建築物の片付けなどボランティア活動中に事故に巻き込まれるおそれがあるため、あらかじめボランティア保険に加入しておきましょう。
ボランティア活動保険では、万が一の事態が発生した場合に主に以下の補償を受けることができます。
- 死亡保険金
- 後遺障害保険金
- 入院保険金
- 通院保険金
- 手術保険金
- 特定感染症(新型コロナウイルス感染症を含む)の補償
- 葬祭費用保険金
- 賠償責任保険金
このボランティア活動保険は、最寄りの社会福祉協議会で加入手続きが必要になり、被災地には証明書を持っていくようにしましょう。
義援金・支援金の支援
現地に赴くことが難しい場合は、義援金や支援金で災害によって被災した近隣地域を支援しましょう。
義援金と支援金を混同している方も中にはいるかもしれませんが、以下のように使われ方に違いがあるため、どちらを利用するのかはよく考えておきましょう。
【義援金】
被災者に向けて支援する金銭のことで、日本赤十字社などの団体を通して被災者に直接、平等に分配される。被災地での救命・復旧活動には使われず、分配が必要なため、支援までに時間がかかる
【支援金】
被災地にあるNPO法人などに寄付する金銭のことで、被災地で人命救助や復旧活動などにすみやかに使われる。支援金の用途は寄付を受けた団体が決める
リスク情報の早期把握に役立つFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
最後に
企業における事業継続の観点でも重要な近隣地域の災害ボランティアですが、事前に準備しておかなければ被災地に負担をかけてしまうおそれがあるため、被災地への配慮を最優先に対応を考えておかなければなりません。
この記事を参考にして、企業における災害ボランティアの対応を見直しておくと良いでしょう。