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新しい生活様式が広がる今こそ企業に実践して欲しい熱中症対策4選

※2021年8月10日更新

猛暑日が続く今の状況では新型コロナウイルスだけでなく、熱中症に関してもきちんと対策をとっておく必要があります。

しかし、コロナ禍をふまえた熱中症対策は前例がないため、どのように対策すれば良いのか困っている企業担当者も少なからずいるでしょう。

今回はそんな方のためにコロナ禍における熱中症の現状と主な熱中症対策、労災との関係などを説明していきます。

この記事を読むことでコロナ禍をふまえた熱中症対策の理解が深まるので、ぜひ読み進めてください。

感染拡大が進む新型コロナウイルスと新しい生活様式における熱中症

コロナ禍の熱中症対策

新型コロナウイルスの感染が依然として続いており、その対策の一環としてマスクを着用されている方がほとんどです。しかし全国的に猛暑日が続く夏は、新型コロナウイルスだけでなく、熱中症にも十分に気をつけなければなりません。

熱中症とは気温が高い場所にいることによって体温の調整機能が狂ったり、水分・塩分が不足したりすることによって、めまい・頭痛・痙攣などの症状を引き起こす病気であり、最悪の場合は亡くなるおそれがあるのです。

毎年のように熱中症を発症する方が確認されており、NHKが発表する「東京 熱中症で新たに26人死亡 今月で79人 熱中症対策を」によれば、2020年8月に東京都では79人の方が熱中症で亡くなっています。

コロナ禍の現在ではマスクを着用すると熱中症のリスクもあると考えられ、読売新聞が発表する「屋外でマスク、表面温度は39度超…熱中症のリスク上昇」によれば、2020年8月2日の当時、気温32度を記録した大阪市内でサーモグラフィーカメラを使って通行人を撮影したところ、マスクを着用した部分の表面温度が39.2度を記録したケースもあったようです。

また同記事で専門家が語っているとおり、マスクの長時間の着用は身体に負担がかかるだけでなく、猛暑での着用では以下のリスクがあります。

  • 口が常に湿った状態になるため、水分不足に気づかず熱中症へ繋がるおそれがある
  • 汗などでマスクが湿るため、マスクに雑菌が繁殖しやすくなる

だからと言ってマスクの着用をしないと新型コロナウイルスに感染してしまうおそれがあるため、マスクの着用など新型コロナウイルス対策をしつつ、熱中症対策にも取り組む必要があるのです。企業の場合、以下の労働契約法第5条で従業員に対する安全配慮義務が課せられています。

【労働契約法第5条】
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする

熱中症対策に取り組まなかったことが要因となって従業員が熱中症に陥るなどの被害を受けた場合、安全配慮義務違反として法的責任を問われ、損害賠償金を支払わなくてはなりません。

そのため、従業員の安全を確保するために空調の調整や定期的な水分補給を促すなどきちんと対策をしておきましょう。

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熱中症の概要と主な種類

熱疲労

熱中症とは、体内にある塩分・水分の減少や体温調整機能が十分に働くなり熱がこもることで発症する病気で、めまいや頭痛など様々な症状があります。

熱中症は総称であり、症状によって以下の4種類に分類されます。

【熱失神】
皮膚血管の拡張に伴う血圧低下によって、脳血流が減少することで発生し、めまいや失神、顔面蒼白などが現れる

【熱けいれん】
大量の汗をかいた時に水だけを摂取して体内の塩分濃度が低下した際に発生し、筋肉痛や痛みを伴ったけいれんが現れる

【熱疲労】
大量の汗を書いた時に体内の水分が低下した時の脱水などが原因で発生し、倦怠感やめまい、頭痛などが現れる

【熱射病】
体温が過度に上昇することで脳機能に異常が発生し、言動がおかしい、応答が鈍いといった意識障害などの症状が現れ、進行すると昏睡状態となるおそれがある

熱中症の3つの重症度分類

熱中症は、その重症度によって、以下の3種類に分類されており、熱中症に気づいたら、直ちに的確な対応をとることが重要です。

【重症度1度:軽症】
めまいや失神、筋肉痛、手足の痺れなどが現れている状態で、その場で直ちに応急処置をする必要がある

【重症度2度:中等症】
頭痛や吐き気、嘔吐、倦怠感などの症状が現れている状態で、医療機関へ搬送する必要がある

【重症度3度:重症】
全身のけいれん、意識障害、歩行困難などの症状が現れている状態で、入院や医療機関での治療が必要

熱中症に陥ってしまう主な理由

環境省が発表する「熱中症の基礎知識」で説明されているように環境・身体・行動による原因が重なることで熱中症が引き起こされるため、熱中症を防ぐためにはその原因を可能な限りなくしていく必要があります。

熱中症を発症するそれぞれの条件は以下のとおりです。

【環境】
・気温や湿度が高い
・風が弱い
・日差しが強い
・エアコンがない部屋
・閉め切った屋内

【身体】
・糖尿病などの持病がある
・低栄養状態
・二日酔いや寝不足などの体調不良
・高齢者や乳幼児など

【行動】
・激しい運動や慣れない運動
・長時間の屋外作業
・水分補給ができない状況が続いている

暑さ指数(WBGT)と熱中症警戒アラート

熱中症警戒アラート

適切な熱中症対策を行うためには、日頃から暑さ指数や熱中症警戒アラートを確認しておくことが大切です。

暑さ指数とは熱中症予防のために1954年にアメリカで考案された指標のことであり、単位は気温と同じ接氏度で表されますが、気温だけでなく湿度・輻射熱・気流などを総合的に判断した上で暑さ指数が決まります。

環境省が発表する「暑さ指数(WBGT)とは?」によれば、暑さ指数は主に日常生活に関する指針と運動に関する指針の2種類に分類されていますが、本記事では日常生活に関する指針のみを紹介します。

【日常生活に関する指針】
・危険(31度以上)
高齢者の場合は安静にしていても熱中症を発症するおそれがある。なるべく外出は控えて、涼しい屋内に移動する
・厳重警戒(28度以上〜31度未満)
外出する場合は炎天下を避けて、室内では室温の上昇に十分に注意する
・警戒(25度以上〜28度未満)
激しい作業をする場合は、定期的に十分な休息をとる
・注意(25度未満)
基本的に熱中症の危険性は低いが、激しい運動時などは注意する

また熱中症対策の呼びかけを目的に現時点では関東甲信地方(東京・茨城・群馬・埼玉・千葉・神奈川・山梨・長野)で熱中症警戒アラートが試行されています。

熱中症警戒アラートは前述した暑さ指数が33度以上の場合に気象庁や環境省によって発表されているため、暑さ指数などとあわせて確認しておくと良いでしょう。

コロナ禍における主な熱中症対策4選

水分補給

熱中症を予防するためにどのような対策を行えば良いのでしょうか。この章ではコロナ禍をふまえた主な熱中症対策を解説していくので、ぜひ読み進めてください。

十分な距離が取れる場合は、一時的にマスクを外す

コロナ禍で求められている新しい生活様式で新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにマスクの着用が推奨されていますが、マスクを着用すると心拍数や呼吸数が増えるなど身体に負担がかかるばかりか、熱中症へ繋がるおそれがあります。

ただし、マスクを着用せずにいると新型コロナウイルスに感染してしまうリスクがあるため、周囲の方と2m以上の距離が取れる場所では一時的にマスクを外して休息すると良いでしょう。

新しい生活様式を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

エアコンなどを使用する

熱中症を防ぐためにエアコンなどを使って温度・湿度を調整しましょう。企業においては以下の事務所衛生基準規則第5条によって、室温・湿度に関する基準が定められています。

【事務所衛生基準規則第5条】
事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17度以上28度以下及び相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない。

あくまでも求められているのは室温であり、エアコンなどの設定温度ではないため、この基準に合うように室温・湿度を調整することが大切です。

また「努めなければならない」と記載されているとおり、この条例を破ったとしても現時点では罰則を受けることはありませんが、企業には前述した従業員に対する安全配慮義務が法的に課せられているので、従業員を守るためにこの条例も参考にしておきましょう。

工場など企業によってはエアコンによる冷気が室内に行き届かない場合もあるため、熱中症を予防するために上着の内部に小型のファンが内蔵された空調服を用意しておくのも1つの手です。

熱中症対策を防ぐ上でも重要なエアコンですが、エアコンは室内の空気を循環させているだけであって換気したことにはなりません。新型コロナウイルス対策の一環として定期的な換気が重視されており、エアコンを使いながら窓を定期的に開けるなどの工夫が大切です。

詳しく新型コロナウイルス対策としての換気を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

適度な水分補給を心がける

マスクを着用していると口の中が常に湿った状態になるので、喉の渇きなどに気づきづらく、水分不足によって熱中症に陥るおそれがあります。そのため、喉が渇いていなくても定期的な水分補給を心がけ、大量に発汗した場合は特に塩分を摂取しましょう。

しかし、1時間に1リットルの水を飲むなど短時間で大量の水分を摂取すると頭痛やめまいなどの体調不良に陥るおそれがあるため、1時間にコップ1杯など少しずつ水分補給をすることが大切です。

直射日光を防ぐ

熱中症は屋外で発症すると考えている方もいるかもしれませんが、屋内で発症するケースも多いです。オフィス内の窓付近など直射日光が当たる場所は温度が上がりやすく、屋外と同じぐらいの気温になっている場合もあるため、室内でも熱中症を発症するおそれがあります。

そのため、熱中症を防ぐためにブラインドを閉めたり、窓ガラスに遮光フィルムを貼っておいたりするなどの工夫をしましょう。また直射日光を防ぐことによって室内の温度を下げられるため、エアコンなどの節電にも繋がります。

熱中症も労災認定される

労災

勤務・通勤中に従業員が熱中症を発症するケースもありますが、その場合は労働基準法施行規則別表第1の2で業務上の負傷に起因する疫病に熱中症が含まれているとおり、基本的に労災が認められます。

もちろん、従業員の睡眠不足など業務が熱中症の原因でなければ労災を認定されませんが、万が一、業務が起因となって従業員が熱中症を発症した場合は、すみやかに労災保険を申請させましょう。

詳しく労働災害や労災保険を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

新型コロナウイルスなどリスク情報の収集に役立つFASTALERT

災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。

しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。

この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。

FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。

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まとめ:コロナ禍をふまえた熱中症対策が重要

熱中症は体調不良だけでなく、最悪の場合は死亡してしまうリスクもあり、従業員に対する安全配慮義務が課せられている企業はきちんと熱中症対策に取り組まなければなりません。

企業における経営資源の1つである従業員を守るために新型コロナウイルスをふまえた対策をきちんと実施し、従業員の熱中症の発症を未然に阻止しましょう。

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