
コロナ禍における防災訓練と集団感染リスクを低減させる方法
目次[非表示]
- 1.コロナ禍で中止・延期となる防災訓練
- 2.コロナ禍でも防災訓練を実施するための3つのポイント
- 2.1.防災訓練の参加者を減らす
- 2.2.新型コロナウイルス対策を徹底する
- 2.3.オンラインを活用する
- 3.リスク情報を早期把握できるFASTALERT
- 4.まとめ
- 5.関連お役立ち資料集
コロナ禍で自然災害が発生した場合、従来の防災では対応しきれない可能性があるため、コロナ禍を踏まえた防災訓練の実施が重要です。
しかし新型コロナウイルス対策を十分に行なっていない状態でこれまで通りに防災訓練を開催すると集団感染が発生するおそれがあり、どのように防災で定めた対応を参加者に浸透させるべきなのか悩んでいる方も多いでしょう。
この記事ではコロナ禍における防災訓練の現状と集団感染リスクを防いだ上で防災訓練を行う方法などを紹介してきます。
この記事を読むことでコロナ禍における適切な防災訓練の実施方法が分かるので、ぜひ参考にしてください。
※現時点(本記事公開時点)の情報が含まれています。今後の新型コロナウイルスに関する研究結果によって、内容の一部が変わるおそれがあるので、ご注意ください。
コロナ禍で中止・延期となる防災訓練

朝日新聞が発表する「宮城)16市町村、防災訓練は中止や縮小 6月予定分」や青森県の十和田市役所が「令和2年度十和田市総合防災訓練の中止のお知らせ」で説明しているように新型コロナウイルスの感染リスクを防ぐために自治体などで防災訓練を中止・延期または縮小する動きがあります。
理由としては従来の対面で行う防災訓練は日本政府が回避を求めている以下の3つの密を満たしやすいと推測されるのです。
- 換気が悪い空間(密閉空間)
- 人が密集している(密集場所)
- 近距離で会話や発声が行われる(密接場所)
首相官邸の「3つの密を避けるための手引き!」によれば、3つの密を満たした場合だけでなく、集団感染リスクを低減させるためにはできうる限り全ての条件を避けたゼロ密を目指すように推奨しています。
これを踏まえて防災訓練を中止・延期または縮小する自治体などがあります。
新型コロナウイルスにおける3つの密を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
コロナ禍でも防災訓練を実施するための3つのポイント

新型コロナウイルスが蔓延する今の状況で自然災害などが発生した場合、集団感染リスクなど従来の防災対策では対応しきれないケースも想定されるため、コロナ禍を踏まえた防災訓練が重要です。
防災訓練を実施できなければ十分に定めた対応を浸透させることができないおそれもあります。
集団感染リスクを防いだ上でコロナ禍に対応した防災訓練を実施するにはどうすれば良いのでしょうか。
この章ではコロナ禍でも防災訓練を実施するためのおさえておきたいポイントを紹介していきます。
集団感染リスクを低減させる上ではどれも重要な内容になるので、ぜひ参考にしてください。
防災訓練の参加者を減らす
総合防災訓練だとしても参加者の人数を減らし、十分なフィジカルディスタンス(身体的距離)を確保しましょう。
新型コロナウイルス感染者による飛沫(ウイルスを含んだ水分)の最大飛距離は約2メートルであり、これ以上離れていれば感染しないと考えられているのが現状です。
そのため、防災訓練の参加者を減らした上で参加者同士の間隔を2メートル以上空けるようにしましょう。
その上で後述する新型コロナウイルス対策を徹底し、全員が参加できるように複数回の防災訓練を実施すると安心です。
新型コロナウイルス対策を徹底する
対面で行う防災訓練は必ず以下の新型コロナウイルス対策を徹底し、集団感染リスクを低減させましょう。
- 検温を徹底するほか、少しでも体調が悪い参加者は欠席させる
- 定期的に手洗い・アルコール消毒を実施する
- マスクを着用する など
新型コロナウイルスに感染しても目立った症状が現れず、少し体調が悪い程度にしか自覚できない無症状となる場合も確認されています。
CDC(アメリカ疫病予防管理センター)が発表する「Presymptomatic Transmission of SARS-CoV-2 — Singapore, January 23–March 16, 2020」で説明されているとおり、無症状でも周囲に感染を拡大させていたと判断できる事例も見つかっているため、集団感染リスクを防ぐために少しでも体調の悪い方の参加は見送るようにしましょう。
また新型コロナウイルスの飛沫が目・鼻・口などの粘膜に触れることで感染する接触感染を防ぐために定期的な手洗い・アルコール消毒を行なってください。
詳しく新型コロナウイルスの無症状などを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
オンラインを活用する
NHKの「自宅にいながら参加 オンライン防災訓練 新型コロナウイルス」で説明されているとおり、実際に開催されていますが、集団感染リスクを防ぐという観点で最も推奨できるのがオンライン上での防災訓練です。
対面で行う防災訓練は集団感染リスクがゼロではないと考えられますが、オンライン形式であれば新型コロナウイルスの感染リスクを心配することなく、災害などのリスク発生時の対応を参加者に浸透させることができます。
オンラインで防災訓練を行う際は、ライブ配信・机上訓練で実施し、それぞれ役割を与えた参加者に災害発生時の対応を浸透させていくと良いでしょう。
リスク情報を早期把握できるFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
まとめ
今回はコロナ禍における防災訓練の現状と集団感染リスクを低減させた上で防災訓練を実施するためのコツなどを紹介しました。本記事の重要なポイントには、次の3点があげられます。
- 新型コロナウイルス対策を十分に行わない状態で防災訓練を実施すると集団感染が発生するリスクがある
- コロナ禍で自然災害などが発生した場合は従来の対応では通用しないおそれがあるため、コロナ禍を踏まえた防災訓練の実施が重要
- 集団感染リスクを防げるオンライン上での防災訓練の開催が最も推奨できる
この記事を参考にコロナ禍で自然災害が発生した場合に備えて、集団感染リスクを防いだ防災訓練を実施しましょう。