
警戒が必要な新型コロナウイルスのラムダ株の概要とその現状
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日本国内でも2021年7月20日に初めての感染者が見つかったペルー由来の新型コロナウイルスのラムダ株。
現時点では十分なことが判明していないこともあって、どのように気をつければ良いのか困っている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事ではラムダ株の基礎知識や研究結果の現状などを説明していきます。
この記事を読むことで新型コロナウイルスにおけるラムダ株の理解が深まるので、ぜひ読み進めてください。
日本でも感染が確認された新型コロナウイルスのラムダ株
新型コロナウイルスのラムダ株は、日本でも2021年7月20日に羽田空港で国内初の感染者が見つかり、デルタ株などその他の変異株とともに感染拡大が危惧されています。
新型コロナウイルスのラムダ株とは、2020年8月にペルーで確認され、チリやエクアドルなどの南米を中心に世界的に感染拡大が進んでいる新型コロナウイルスの変異株のことです。
東京大学医科学研究所が2021年7月28日に発表したラムダ株の研究結果である査読前の「SARS-CoV-2 Lambda variant exhibits higher infectivity and immune resistance」によれば、ラムダ株は従来の変異株よりも1.5〜2倍ほど感染しやすく、ワクチンの中和作用を下げるほか、たとえワクチンを摂取していても※ブレイクスルー感染(ワクチン摂取後に感染すること)を引き起こす可能性があるとしています。
その一方でニューヨーク大学の多田卓哉博士らの研究チームが2021年7月2日に発表した査読前の「SARS-CoV-2 Lambda Variant Remains Susceptible to Neutralization by mRNA Vaccine-elicited Antibodies and Convalescent Serum」では、ラムダ株はデルタ株と同程度の感染力であり、モデルナ社やファイザー社が提供する現行のワクチンは有効だと結論づけられています。
これらの論文のように従来株やそのほかの変異株と比べて、ラムダ株は十分に疫学的なデータが揃っていないこともあって、研究者の間でも見解が異なっており、正確な情報は現時点ではまだ判明していません。
日本ではラムダ株がVOC・VOIに分類されていないのが現状
WHO(世界保健機関)では、新型コロナウイルスの変異株を以下の2種類に分類し、その危険性を世間に呼びかけており、ラムダ株は現時点では注目すべき変異株に指定されています。
【注目すべき変異株(Variant of Interest:VOI)】
感染性や重篤度、ワクチンの効果に影響を与える可能性がある変異株で、E484Kがある変異株・イプシロン株・シータ株・カッパ株、ラムダ株が含まれている
【懸念される変異株(Variant of Concern:VOC)】
感染性や重篤度が増していたり、ワクチンの効果を弱めるなどの性質に変化したおそれのある変異株で、アルファ株・ベータ株・ガンマ株・デルタ株が分類されている
注目すべき変異株よりも懸念される変異株の方が危険性が高く、デルタ株は当初、注目すべき変異株に分類されていましたが、その後は感染力などに基づいて、より警戒が必要な懸念される変異株に指定されました。
日本においてもWHOの注目すべき変異株と懸念される変異株をベースに国立感染症研究所が国内の感染状況をふまえた上で変異株を分類しています。
しかし、日本国内のラムダ株の感染事例はまだ少なく、感染力や重篤度など正確な情報が判明していない状況のため、国立研究所は現時点では注目すべき変異株・懸念される変異株のいずれにもラムダ株を分類していません。
変異株の概要を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
分かっていないからこそ日頃の新型コロナウイルス対策が重要
前述したようにラムダ株は疫学的なデータがまだ出揃っていないこともあって、研究者間でも見解が異なり、現時点では正確な情報が判明していません。
全貌が明らかになっていないラムダ株の感染拡大を防ぐために日々の研究が進められていますが、感染拡大を防ぐためには正確な情報が現時点では判明していない状況だからこそ、現在、求められているワクチン摂取などの新型コロナウイルスの基本的な対策に日頃から注力する必要があります。
現時点で求められている主な新型コロナウイルス対策は、以下のとおりです。
- 手洗いとアルコール消毒を徹底する
- 不織布マスクを鼻まで着用する
- 定期的に室内の換気をする
- 3つの密を可能な限り回避する
- 不要不急の外出をしない
- 少しでも体調が悪い時はテレワークをする など
詳しく新型コロナウイルス対策を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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最後に
ラムダ株は従来株やその他の変異株よりも疫学的なデータが揃っていないために、研究者の間でも見解が異なっており、現時点では正確なことが判明していないため、今は従来の新型コロナウイルス対策を徹底しつつ、今後の動向に注視することが重要です。
この記事を参考にラムダ株に最大限の警戒をしつつ、日頃から新型コロナウイルス対策を徹底しましょう。