
新型肺炎に関する日本の取り組みと要請・指示の意味
目次[非表示]
- 1.日本でも増加する新型肺炎感染者
- 2.新型肺炎の感染経路と主な症状
- 3.日本政府などの表明で使われる要請と指示の意味
- 4.日本政府が行う新型肺炎の主な6つの対応
- 4.1.イベントの延期・中止などの要請
- 4.2.小中学校の休校要請
- 4.3.週末の外出自粛要請
- 4.4.各国の入国制限
- 4.5.緊急事態宣言による休業要請
- 4.6.全世帯への布マスク配布
- 5.新型コロナウイルスや自然災害などリスク情報で活躍するFASTALERT
- 6.まとめ
- 7.関連お役立ち資料集
新型肺炎の感染拡大を阻止するために世界で様々な対策が実施されていますが、日本ではどのような対応が行われているのか具体的に知りたい方もいるでしょう。
今回はそんな方のために新型肺炎に対する日本の対応や新型肺炎の基礎知識を説明していきます。
この記事を読むことで日本で行われている対策の理解を深めることができるので、ぜひ参考にしてください。
※現時点(本記事公開時点)の情報を説明していきます。今後の動向などによって、内容が変わるおそれがあるので、ご注意ください。
日本でも増加する新型肺炎感染者

2020年1月16日に神奈川県で国内初の新型肺炎(新型コロナウイルス)感染者が確認されてから現在に至るまで感染が拡大し続けており、現時点では国内で約8,000人の感染者が判明しています。
国内外で新型肺炎の感染拡大を防止するために数多くの対策が行われていますが、日本の対応に対しては様々な意見があがっています。
しかし、海外で実施されているようなロックダウン(都市封鎖)は法律の違いによってできないのが現状であり、現時点では日本政府が自治体や国民に協力を依頼する形で最善と考えられる対応を要請・指示している状態です。
さらに詳しく日本におけるロックダウンを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
新型肺炎の感染経路と主な症状

日本政府が行う新型肺炎の対応を知る前にまずは新型肺炎の感染経路を把握しましょう。
現時点で立証されている新型肺炎の感染経路には、飛沫感染と接触感染の2種類があります。具体的な意味は、それぞれ以下のとおりです。
【飛沫感染】
新型肺炎感染者の咳やくしゃみによって飛び散った飛沫(ウイルスを含んだ水分)を鼻や口から吸い込み、感染することです。
現時点では飛沫の最大飛距離は約2メートルであり、これ以上離れていれば感染することはないと考えられています。
【接触感染】
新型肺炎感染者の飛沫に手で接触し、その状態のまま目・鼻・口などの粘膜に触れると感染することを指します。
ドアノブや手すり、電車のつり革など不特定多数の方が触れる部分には十分に注意する必要があります。
日本政府などの表明で使われる要請と指示の意味

日本政府などの表明で要請や指示という表現を聞いたことはありませんか。各自治体に決定権があるなど様々な理由から現時点の法律では内閣総理大臣であっても権限を有していない場合が多く、強制することもできないとされています。
そのため、基本的には自治体や国民などに協力を依頼する形で要請と指示を表明していることが多いのが現状です。例えば新型肺炎の感染拡大を防止するために日本政府が全国の学校に一斉臨時休校を要請しました。
しかし現時点では地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第21条〜第22条や学校保健安全法第20条などの法律にもとづいて休校の決定権は、首長や教育委員会にあります。
また要請は「強く推奨する」という意味合いで、指示はそれよりも強いニュアンスとなり、要請に応じない場合は指示できるとされています。
しかし現時点の法律では判断が自治体や国民に委ねられているケースが多く、強制力をもたないことが多いです。
ただし、新型肺炎の拡大防止という観点では、強制力がないからと言って要請や指示に従わないのは適切ではないと考えられます。
日本政府が行う新型肺炎の主な6つの対応

次に日本政府が新型肺炎の感染拡大を防止するために行ってきた対応を説明していきます。ぜひ参考にしてください。
イベントの延期・中止などの要請
2020年2月26日に日本政府が新型コロナウイルス感染症対策本部で、新型肺炎(新型コロナウイルス)の感染拡大を防ぐために全国的なスポーツなどのイベントに関して2週間の中止・縮小・延期を要請しました。
25日以前もイベント開催に関する一律の自粛は要請していなかったものの、推奨はしていない状態でしたが、26日に新型肺炎の集団感染を防ぐためにイベントの自粛要請を表明したのです。
もちろん、緊急事態宣言による休業要請などによって現在(本記事公開時点)もイベントを自粛する動きが続いています。
小中学校の休校要請
2020年2月27日に日本政府が新型コロナウイルス感染症対策本部で、3月2日から春休みまで以下4種類の全国全ての学校に休校を要請しました。
- 小学校
- 中学校
- 高等学校
- 特別支援学校
これにもとづいて全国の学校で一斉臨時休校が始まり、時事ドットコムニュースが発表する『安倍首相、休校要請を段階的に解除する方針 イベント「慎重」継続を―新型コロナ』によると、2020年3月20日に新学期で段階的に休校要請を解除していくと表明しました。
しかし2020年4月7日に日本政府が表明した緊急事態宣言によって登校日の設定など、現時点(本記事公開時点)では先行きが見通せない状態になっているとされています。
週末の外出自粛要請
2020年3月25日、東京都の小池百合子知事が緊急会見を開き、都民に対して週末の外出自粛を要請しました。
時事ドットコムニュースが発表する『都知事、週末の外出自粛要請 感染爆発「重大局面」―新たに41人確認・新型コロナ』によれば、週末の外出自粛だけでなく、平日に関しても在宅勤務と夜間の外出自粛を推奨したのです。
その後も小池百合子都知事は外出自粛を求め続けており、緊急事態宣言を受けて新型肺炎の感染拡大を防ぐために都民に地方へ帰省しないように推奨しています。
各国の入国制限
2020年3月5日に新型コロナウイルス感染症対策本部で「水際対策の抜本的強化に向けた新たな措置」が決定され、海外からの入国制限が始まりました。
当初は2020年3月9日から3月末までとされていましたが、新型肺炎の感染拡大に伴い、期間は延長され続けています。
外務省海外安全ホームページが発表する「日本における新型コロナウイルスに関する水際対策強化(新たな措置)」によれば、現時点(本記事公開時点)ではアメリカやイギリスなどを含む73カ国・地域で入国制限が行われています。
現段階(本記事公開時点)では入国制限が課されている国・地域の外国人が対象であり、日本国民や特別永住者などの入国(帰国)は制限されていません。
ただし、対象となる国・地域に過去2週間以内に滞在していた場合は、全員にウイルスを検出するPCR検査の実施が義務付けられています。
緊急事態宣言による休業要請
2020年4月7日に日本政府は、政府対策本部で改正された新型インフルエンザ等対策特別措置法にもとづく緊急事態宣言を東京都や神奈川県を含む7都府県に対して発令しました。
期限は2020年5月6日までであり、東京都防災ホームページが発表する「対象施設FAQ(令和2年4月13日19時00分)」によれば、休業が要請されている主な施設は以下のとおりです。
- ライブハウスやバーなどの遊興施設
- 大学や学習塾など
- スポーツクラブやテーマパークなど運動・遊技施設
- 映画館やプラネタリウムなどの劇場
- 文化会館などの集会・展示場
- 旅行代理店などの商業施設
またNHKが発表する『「緊急事態宣言」で暮らしはどうなる』によれば、休業要請などに全面的に協力する中小企業に関しては、感染拡大防止協力金として以下の金額を支給することを明らかにしています。
- 1つの事業者:50万円
- 店舗など2つ以上の事業所がある事業者:100万円
また緊急事態宣言で対象になった都道府県知事は行政に要請・指示できるようになりますが、次の2点は強制力を持ち、正当な理由なく応じない場合は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
- 医薬品や食料品の業者に対する必要な物資の保管に関する要請など
- 臨時の医療施設を開設するために所有者の同意を得ずに土地や建物を使用できる
全世帯への布マスク配布
2020年4月1日に行われた第25回新型コロナウイルス感染症対策本部で、日本政府が1世帯あたりに2枚配布することを表明。
さらに3月時点で全国の医療機関に対しては1,500万枚の医療用マスクを供給済みであり、さらに追加で1,500万枚の医療用マスクを配布すると述べました。
なぜ医療用マスクではなく布マスクを配布することに決定したのでしょうか。
CDC(アメリカ疫病予防管理センター)が発表する「Recommendation Regarding the Use of Cloth Face Coverings, Especially in Areas of Significant Community-Based Transmission」によると、医療用マスクは医療従事者に優先して供給されるべきであると主張されており、一般の方には布マスクを推奨しています。
また一般的に布マスクは使い捨てではなく、洗濯することによって再利用できるのです。
これらを踏まえると、この日本政府の表明は医療機関への医療用マスクを確保しつつも、増大するマスクの需要に応えるという意図があると考えられます。
新型コロナウイルスや自然災害などリスク情報で活躍するFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。
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まとめ
今回は新型肺炎の基礎知識と日本政府の取り組みなどを説明しました。最後にもう一度おさらいすると本記事の重要なポイントには、以下の3点があげられます。
- 現時点では協力を依頼する形での強制力をもたない要請・指示が多い
- 感染拡大を防ぐために地方への帰省が推奨されていない
- 緊急事態宣言によって強制力をもつ都道府県知事の要望もある
この記事を参考にして新型肺炎の国内における状況の把握に役立てましょう。