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新型コロナウイルスの空気感染に関する現状と3つの感染経路

(最終更新日:2021年9月14日)

新型コロナウイルスの全貌はまだ明らかになっていませんが、新型コロナウイルスが空気感染するという話を聞いたことはありませんか。

しかし、日々膨大な量の情報が発表されているため、新型コロナウイルスによる空気感染が本当かどうか分からず不安な方もいるでしょう。

今回はそんな方のために新型コロナウイルスの空気感染に関する研究と研究結果が誤認された背景、換気が推奨されている理由などを解説していきます。

この記事を読むことで現時点で立証されている感染経路の理解が深まるので、ぜひ参考にしてください。

※現時点(本記事公開時点)の内容を説明しています。今後の研究結果やデータによって内容が変わるおそれがありますので、ご注意ください。

現時点では新型コロナウイルスによる空気感染は確認されてない

新型コロナウイルス

NIH(アメリカ国立衛生研究所)などの研究グループが2020年3月17日に「Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1」で新型コロナウイルスがエアロゾルで最大3時間生存することが判明したと発表。

同記事によれば、この実験は新型コロナウイルスの小粒子(5μm未満)を湿度65%に設定した特殊な金属製円筒の中で人工的に発生させ、空気中に漂う状態を維持した上でその生存率を調査するといった内容でした。

実際に新型コロナウイルス感染者周辺の空気を調査した実験ではありませんでしたが、これらがもとになって新型コロナウイルスが空気感染するという誤った認識が主にSNSなどで拡散されたのです。

日本エアロゾル学会が発表する「エアロゾルとは」によれば、エアロゾルは以下のように定義されています。

【エアロゾル】
気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体(0.001μm〜100μm程度)

上記のように空気中に漂う様々な粒子をエアロゾルと呼ばれ、医学や工学など幅広い分野で使われており、新型コロナウイルスを含むエアロゾルを吸入したことで感染することをエアロゾル感染(マイクロ飛沫感染)と表現されています。

現時点では新型コロナウイルスによる空気感染は確認されておらず、前述したNIH(アメリカ国立衛生研究所)が2020年3月24日に発表した「Study suggests new coronavirus may remain on surfaces for days」によれば、あくまでも新型コロナウイルスによる空気感染の可能性を示唆しているのみであり、空気感染がどの程度、起こる可能性があるのかは研究が進んでいないとしています。

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エアロゾル感染(マイクロ飛沫感染)と空気感染の違い

エアロゾル感染の概要

THE PAGEの『「マイクロ飛沫感染」は空気感染ではない 尾身氏「あえて」言及(※音声注意)』で新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長が説明しているように、エアロゾル感染(マイクロ飛沫感染)とは、空中に浮遊する新型コロナウイルスの小粒子(5μm未満)を吸い込むことで感染する新型コロナウイルスの感染経路のことであり、換気の悪い密閉空間で起こりやすいとされています。

WHO(世界保健機関)の「Coronavirus disease (COVID-19): How is it transmitted?」やCDC(アメリカ疫病予防管理センター)の「Scientific Brief: SARS-CoV-2 Transmission」では、このエアロゾル感染も新型コロナウイルスの感染経路の1つとして明記しているものの、空気感染に関しては現時点では説明されていません。

国内の記事ではエアロゾル感染が空気感染と訳されている場合もあるため、エアロゾル感染と空気感染を同一視している方も増えていますが、エアロゾル感染と空気感染は定義や感染の仕組みが異なっており、NHKの「新型コロナ デルタ株“空気感染”する?! いま分かっていること」で解説されているように現時点では新型コロナウイルスの空気感染は立証されていない状態です。

空気感染とは、長時間かつ長距離漂い続けるウイルスの小粒子を吸い込んで感染することであり、現時点ではCDCなどで麻疹ウイルスや結核ウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスに関しては空気感染が認められています。

空気感染は、ウイルスを含んだ小粒子が長時間・長距離を漂うため、電車の場合は同じ車両全体に感染リスクがありますが、新型コロナウイルスにおけるエアロゾル感染は空気感染よりもウイルスが広範囲にわたって漂うことはなく、空気感染が立証されている結核ウイルスよりも感染力が弱いため、換気などの対策をしていれば感染しない可能性があると考えられています。

空気感染を前提とした対策をするべきという動きも

空気感染

新型コロナウイルスの空気感染は現時点では立証されておらず、厚生労働省や新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長はエアロゾル感染(マイクロ飛沫感染)を認めつつも、新型コロナウイルスの空気感染に関しては否定的です。

しかし、J-CASTトレンドの『コロナ「空気感染が主因」説が波紋 「換気」「不織布マスク」研究者ら強調』で説明されているように、2021年8月27日に東北大大学院理学研究科の本堂毅准教授と高エネルギー加速器研究機構の平田光司氏の専門家や医師ら38人が「新型コロナウイルスの感染の主因は空気感染である」とオンライン記者会見で声明を発表。

同発表では、最新の研究によって新型コロナウイルスの空気感染が考えられる以上、空気感染を前提とした対策に取り組まなければならないとし、日本政府や自治体に対して、換気や不織布マスクの着用、空気清浄機の利用などを周知するように求めました。

前述したように現時点では新型コロナウイルスの空気感染は立証されておらず、医師や専門家の間でも意見が分かれているものの、今後も新型コロナウイルスによる空気感染が確実に発生しないとは限りません。

場合によっては今後、新型コロナウイルスの空気感染が立証される可能性もあるので、少しでも感染リスクを下げるためには、新型コロナウイルスに関する最新の研究結果やニュースに注目しつつ、平時から可能な限りの感染対策を徹底すると良いでしょう。

新型コロナウイルスの3種類の感染経路

飛沫感染

次に現時点(本記事公開時点)で立証されている新型コロナウイルスの感染経路を解説していきます。

対策をとる上でどれも重要な内容となるため、ぜひ読み進めてください。

飛沫感染

飛沫感染とは、新型コロナウイルス感染者による咳やくしゃみによって周囲に飛び散った飛沫(ウイルスを含んだ粒子)を口や鼻から吸い込んで感染することです。

現時点では、飛沫の最大飛距離は約2メートルであり、それ以上離れていれば感染しないと考えられています。

接触感染

接触感染とは、新型コロナウイルス感染者の飛沫に手で接触した状態で目・鼻・口などの粘膜に触れると感染することです。

ドアノブやエレベーターの押しボタン、電車のつり革など不特定多数の方が触れる場所には十分に注意し、粘膜に触れる前に手洗いなどをすることが有効と考えられています。

エアロゾル感染(マイクロ飛沫感染)

前述しましたが、新型コロナウイルスにおけるマイクロ飛沫感染とは、新型コロナウイルス感染者のくしゃみや咳などによって空中に漂った新型コロナウイルスの小粒子(5μm未満)を吸い込むことで感染することで空気感染と定義や仕組みが異なります。

換気されていない密閉空間などでエアロゾル感染が発生しやすいと現時点では考えられており、小粒子の吸い込みを防ぐために不織布マスクの着用や定期的な換気が求められています。

定期的な換気が推奨される理由

窓

厚生労働省が発表する「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」によれば、以下3つの条件を満たす場所で集団感染が確認されているようです。

  • 換気が悪い空間(密閉空間)
  • 人が密集している(密集場所)
  • 近距離で会話や発生が行われる(密接場所)

政府はこの3つの条件を合わせて「3つの密」と呼んでおり、この条件の場所を避けるように推奨しています。

換気が悪い密閉空間の場合は、新型コロナウイルス感染者のくしゃみや咳、近距離の会話などによって、新型コロナウイルスを含む飛沫やエアロゾルが飛び散ることで感染リスクが高まってしまうのです。

しかし、花王健康科学研究会の『「富岳」を用いたウイルス飛沫対策の研究』で理化学研究所計算科学研究センターチームリーダー/神戸大学大学院システム情報学研究科の坪倉誠教授が説明しているように、定期的に室内を換気していれば、空気中のウイルス濃度を低下させることができるとされています。

現時点で有効とされる新型コロナウイルス対策3選

手洗い

次に現時点で有効だと考えられている新型コロナウイルス対策を紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

手洗い・アルコール消毒

日本ウイルス学会が発表する「新型コロナウイルスについて」によれば、今回の新型コロナウイルスはアルコールや手洗いなどに弱いエンベロープウイルスに該当するとされています。

そのため、新型コロナウイルスの接触感染を防ぐために手洗いやアルコール消毒を徹底的に行いましょう。

厚生労働省の「手洗いの時間・回数による効果」によると、ハンドソープを使って10秒または30秒のもみ洗いをして、15秒すすいだ場合、手洗いなし(残存ウイルス数:約1,000,000個)と比較してウイルスを数百個まで減少できることが判明しています。

より詳しく新型コロナウイルスに関する消毒方法を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

マスクの着用

マスクには新型コロナウイルスを含む飛沫を周囲を拡散することを防ぐ、飛沫を吸い込むことを防ぐといった効果があるため、日頃から欠かさずにマスクを着用するようにしましょう。

マスクであれば、どのような種類でも良いということはなく、花王健康科学研究会の『「富岳」を用いたウイルス飛沫対策の研究』や理化学研究所計算科学研究センターチームリーダー/神戸大学大学院システム情報学研究科の坪倉誠教授が発表する「室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策」で説明されているように、理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピュータ富岳のデータによれば、感染予防の観点では不織布マスクの効果がもっとも高く、布マスクからウレタンマスクの順に性能が低下していくことが判明しました。

もっとも感染予防効果が高い不織布マスクを着用する場合でも、金具を使って鼻に密着させていなかったり、マスクから鼻を出していたりすると、性能が低下してしまうため、不織布マスクを顔に密着させて使うことが大切です。

もちろん、感染予防のためには不織布マスクだけに頼るのではなく、手洗いやデスクやドアノブのアルコール消毒など、その他の対策も怠らないようにしましょう。

テレワークなどで周囲と距離をとる

新型コロナウイルスによる飛沫感染・接触感染を防ぐために以下4つの対策を行いましょう。

  • テレワークで在宅勤務する
  • フレックスで満員電車などによる通勤を控える
  • オンラインで会議や面談を行う
  • イベントや外出の自粛

もちろん、運輸など企業によっては業務上テレワークなどを実施できないケースもあります。その場合は、手洗いやアルコール消毒などその他の対策を徹底すると良いでしょう。

より詳しくテレワークや新型コロナウイルス対策を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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まとめ

今回は新型コロナウイルスの空気感染に関する現状と換気が推奨されている理由などを説明しました。

最後にもう一度おさらいすると本記事の重要なポイントには、次の2点があげられます。

  • 現時点では新型コロナウイルスの空気感染は立証されていない
  • 現時点で立証されているのは飛沫感染と接触感染の2種類

この記事を参考にして適切な新型コロナウイルス対策を導入しましょう。

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