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新型コロナにおけるエアロゾル感染の誤解と企業の主な対策

※2021年9月2日更新

感染拡大が続く新型コロナウイルスの収束を図るために様々な研究が行われているものの、依然としてその全貌は明らかになっていません。

毎日のように新型コロナウイルスにまつわる情報が発表されていますが、中にはエアロゾル感染がどういった状態を指すのか把握しきれていない方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は新型コロナウイルスにおけるエアロゾル感染の概要と空気感染との違い、企業における現時点では有効とされる主な対策などを説明していきます。

この記事を読むことで新型コロナウイルスにおけるエアロゾル感染の理解が深まるため、新型コロナウイルス対策を考える上での参考になるでしょう。

感染拡大が続く新型コロナウイルス

昨年2020年から感染拡大が進んでいる新型コロナウイルスは、経済活動の縮小など深刻な被害を及ぼし、コロナ禍の現在では従来の防災のあり方も大きく変化しています。

研究によって新型コロナウイルスのメカニズムや適切な対策は発表され続けていますが、まだ不明な点も多く、有効なワクチンが普及していない現時点では細心の注意を払いながら日々の情報収集を行うと共に対策を徹底しなければなりません。

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エアロゾル感染(マイクロ飛沫感染)は明確に定義されていない

厚生労働省が発表する「新型コロナウイルス感染症はこうした経路で広がっています」で説明されているようにエアロゾル感染(マイクロ飛沫感染)は空気中に漂うエアロゾル(またはマイクロ飛沫)を吸い込んで感染することです。

日本エアロゾル学会が発表する「エアロゾルとは」で説明されているように、エアロゾルは気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体(0.001μm〜100μm程度)と定義されています。

新型コロナウイルスを含むエアロゾルが特に密閉空間に漂った場合にエアロゾル感染するおそれがあると現時点では考えられており、フィジカルディスタンスだけでなく、不織布マスクの着用や定期的な換気が求められています。

しかし、エアロゾル感染は飛沫感染と空気感染の中間的な概念だとされていますが、日本呼吸器学会が発表する「感染症・結核学」で説明されているように現時点では世界的にその定義が統一されていません。

※明確に定義されていませんが、本記事では便宜上、エアロゾル感染と説明させていただきます。

エアロゾル感染と空気感染の違い

エアロゾル感染と空気感染を混同していることが原因で、中には新型コロナウイルスはすでに空気感染すると思っている方もいるかもしれません。

実際にはエアロゾル感染と空気感染の原理は異なるため、エアロゾル感染=空気感染ではない点に注意しておきましょう。

2020年3月17日にNIH(アメリカ国立衛生研究所)などの研究グループが「Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1」で新型コロナウイルスを含むエアロゾルが特殊な金属製円筒の空気中で漂う状態で実験したところ、最大3時間生存することが判明したと発表。

その後にCDC(アメリカ疫病予防管理センター)が「How COVID-19 Spreads」で新型コロナウイルスによる空気感染が発生するおそれがあるとの声明を発表しました。

しかし、菊池病院の「空気感染と飛沫感染」やMedical Noteの「東京都医師会 尾﨑治夫会長に聞く、新型コロナウイルスの感染経路 ~空気感染はする? 家庭内感染の予防や”変異”についても解説~」で説明されているようにエアロゾル感染と空気感染の原理は異なります。

具体的には麻疹ウイルスや結核菌などのウイルスは、飛沫となった後も感染力が低下せずに空気中に漂って広範囲にわたって感染を拡げていくため、空気感染が認められています。

電車の場合は麻疹ウイルスや結核菌などの感染者がいる車両全域に空気感染リスクがありますが、エアロゾル感染の場合はエアロゾルが飛沫ほど広範囲に漂うことはなく、さらに麻疹などのウイルスよりも新型コロナウイルスの感染力が弱いため、感染しない可能性があると現時点では考えられています。

つまり新型コロナウイルスによる空気感染が発生する可能性を示唆しつつも、実際に空気感染が明確に確認された訳ではないため、新型コロナウイルスが空気感染するとは断言できないのが現状です。

もちろん、前述した新型コロナウイルスにおける空気感染に関しては現時点での見解であるため、必ずしも新型コロナウイルスによる空気感染が今後も発生しないという意味ではありません。

今後の研究や感染事例によっては新型コロナウイルスにおける空気感染が認められる可能性もあるので、現時点では示唆されているだけであったとしても、万が一の事態に備えて今から対策しておくと良いでしょう。

空気感染も感染経路の1つとして考える動きも

WHO(世界保健機関)の「Coronavirus disease (COVID-19): How is it transmitted?」やCDC(アメリカ疫病予防管理センター)の「Scientific Brief: SARS-CoV-2 Transmission」では、※エアロゾルの吸入も感染経路の1つとして明記しているものの、空気感染に関しては現時点では言及されていません。

※エアロゾルの吸入による感染を空気感染と表現している国内の記事などもあります

また厚生労働省や新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長も飛沫感染と接触感染だけでなく、エアロゾルを吸入したことによる感染も新型コロナウイルスの感染経路と認めつつも、空気感染に関しては否定的であるのが現状です。

しかし、朝日新聞の『「コロナは空気感染が主たる経路」 研究者らが対策提言』やJ-CASTトレンドの『コロナ「空気感染が主因」説が波紋 「換気」「不織布マスク」研究者ら強調』で説明されているように、東北大大学院理学研究科の本堂毅准教授と高エネルギー加速器研究機構の平田光司氏ら38人が2021年8月27日に行われたオンライン記者会見で新型コロナウイルスの感染は空気感染が主因である考えられると声明を発表。

同発表によると、最新の研究などによって新型コロナウイルスの空気感染が主たる原因であると考えられる以上、空気感染を前提とした新型コロナウイルス対策の徹底が必要不可欠であるとし、政府や自治体に対して不織布マスクの着用や換気、空気清浄機の活用などの周知を呼びかけました。

現時点では新型コロナウイルスの空気感染は立証されておらず、医師や専門家の間でも見解が異なっていますが、感染リスクを少しでも減らすためには最新の情報を確認しつつ、平時から新型コロナウイルス対策を徹底することが重要です。

企業における主な新型コロナウイルス対策

では、企業は事業を守るためにどのような新型コロナウイルス対策を行えば良いのでしょうか。

この章では企業における現時点で有効とされている主な新型コロナウイルス対策を説明していくので、ぜひ参考にしてください。

手洗い・消毒を徹底する

新型コロナウイルスによる飛沫感染や接触感染リスクを低下させるために日頃の手洗いを徹底しましょう。

日本ウイルス学会が発表する「新型コロナウイルス感染症について」で説明されているように新型コロナウイルスはアルコールや石鹸などによって感染力が低下するエンベロープウイルスに該当すると考えられています。

新型コロナウイルスを含む飛沫がドアノブや電車のつり革、エレベーターのスイッチなどに付着している場合があり、その状態で目や口などの粘膜に触れると感染してしまうおそれがあるため、社員に手洗いを徹底させるほか、オフィスの出入り口付近などに消毒液を設置しておきましょう。

詳しく新型コロナウイルスにおける手洗いや消毒を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

新型コロナウイルス対策で消毒が有効とされる理由

マスクを着用する

新型コロナウイルスの飛沫感染やエアロゾル感染を防ぐために他者と対面する際や外出する際は、必ず忘れずに不織布マスクを着用するようにしましょう。

東京大学医科学研究所が河岡義裕教授らの研究グループが発表する「新型コロナウイルスの空気伝播に対するマスクの防御効果」によれば、本物の新型コロナウイルスを使った実験を行なったところ、マスクを着用することによって周囲へ拡散する量や吸入する量が減少することが明らかになりました。

もちろん、マスクであれば何でも良いということはなく、日テレNEWS24の「尾身会長 若い世代に拡散してほしいこと」で日本医師会会長の尾身氏が説明しているように効果が低い布マスクやウレタンマスクよりも効果の高い不織布マスクやサージカルマスクを着用することが望ましいです。

定期的な換気を行う

前述したように密閉空間ではエアロゾルが室内で漂うことによってエアロゾル感染へ繋がってしまうおそれがあるため、新型コロナウイルスにおけるエアロゾル感染のリスクを低減させるために定期的に換気を行いましょう。

厚生労働省の『「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法』では、1時間に2回以上(30分に2回以上)、窓を全開にして換気を行うことが推奨されていますが、適切な換気回数は部屋の大きさや人数によって異なるため、適切な換気回数を知りたい場合は以下の計算式で換気回数を把握する必要があります。

【換気回数の計算式】
必要換気量/部屋の容積(㎡)=換気回数

【必要換気量の計算式】
20*部屋の容積(㎡)/1人あたりの占有面積(㎡)=必要換気量

※20は、静かに座っている成人男性のCO2排出量に基づく

3密を回避する

新型コロナウイルスの感染リスクを下げるために日本政府が回避を求めている3つの密を回避しましょう。

厚生労働省が発表する「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」で説明されているように3つの密は、調査によって判明した新型コロナウイルスの集団感染(クラスター)が多く発生した場所の条件のことであり、以下の種類があげられます。

  • 換気が悪い空間(密閉空間)
  • 人が密集している(密集場所)
  • 近距離で会話や発声が行われる(密接場所)

首相官邸が発表する「3つの密を避けるための手引き!」で説明されているように3つの密全てに当てはまる場所さえ回避すればいいということはなく、1つの条件でも感染リスクがあるため、可能な限りゼロ密を目指すと良いでしょう。

テレワークを導入する

新型コロナウイルスによる接触感染・飛沫感染やエアロゾル感染のリスクを低減させるためには、在宅勤務で行うテレワークが有効です。

CDC(アメリカ疫病予防管理センター)が発表する「Telework Before Illness Onset Among Symptomatic Adults Aged ≥18 Years With and Without COVID-19 in 11 Outpatient Health Care Facilities — United States, July 2020」で説明されているとおり、実際に新型コロナウイルスに感染した労働者は感染しなかった労働者よりもテレワークの実施率が低かったことが明らかになりました。

また新型コロナウイルスに感染していても主な症状が現れない無症状に陥っている場合もあるため、少しでも体調が悪い新型コロナウイルスの潜伏期間である2週間はテレワークをさせると良いでしょう。

詳しく新型コロナウイルス対策におけるテレワークを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

テレワークが新型コロナウイルス対策として重視される理由

新型コロナウイルスなどリスク情報を早期把握できるFASTALERT

災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。

しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。

この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。

FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。

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最後に

まだ全貌が明らかになっていない新型コロナウイルスの研究や報道が連日のように続いており、的確に新型コロナウイルス対策を考える上では日頃から情報収集をしつつ、その時々で最善の対策へアップデートし続けなければなりません。

この記事を参考にすでに導入されている新型コロナウイルス対策を見直して、事業への影響を最小限に抑えましょう。

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