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防災力向上に役立つ事業継続力強化計画と作成するメリット


目次[非表示]

  1. 1.事業継続力強化計画とは
    1. 1.1.事業継続力強化計画と事業継続計画(BCP)の違い
    2. 1.2.事業継続計画(BCP)について
  2. 2.事業継続力強化計画を提出するメリット
    1. 2.1.防災設備の導入で必要な資金の金融支援
    2. 2.2.防災・減災設備に対する税制措置
  3. 3.事業継続力強化計画で記入する主な内容
    1. 3.1.事業継続力強化に取り組む目的
    2. 3.2.自社拠点の災害リスクと被害想定
    3. 3.3.災害発生時の初動対応
    4. 3.4.災害から事業を守るための具体的な対策
  4. 4.事業を守るためのそのほかの防災対策
    1. 4.1.BCP・防災マニュアルを策定する
    2. 4.2.定期的に防災訓練を実施する
    3. 4.3.防災グッズを備蓄しておく
  5. 5.災害などのリスク情報をリアルタイムで把握できるFASTALERT
  6. 6.最後に
  7. 7.関連お役立ち資料集


※2021年4月15日更新

近年は大きな被害を及ぼす自然災害や新型コロナウイルスによる売上減少、企業活動の縮小などのリスクが発生していますが、こうした状況に平時から備えるために策定が推奨されているのが、事業継続力強化計画です。

しかし、企業の防災担当者の中には事業継続力強化計画がどういった計画なのかご存知ない方もいるでしょう。

そこでこの記事では事業継続力強化計画の概要と記入する主な内容、策定するメリットなどを説明していきます。

この記事を読むことで事業継続力強化計画の理解が深まるので、ぜひ参考にしてください。

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事業継続力強化計画とは

(出典:sosiukin

事業継続力強化計画とは、中小企業における事業継続を目的とした防災減災対策に関する計画およびに計画の認定で支援を受けられる制度のことです。

計画の作成と申請で経済産業省大臣によって認定を受けた中小企業は税制優遇措置など様々な支援を受けることができます。

令和元年7月16日に施行された中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(通称:中小企業強靭化法)の中で、中小企業庁は中小企業の防災や減災を促進するために事業継続力強化計画とその内容を国が認定する制度を設けました。

近年、頻発している自然災害の被害や新型コロナウイルスによるリスクに備えるための第1歩として事業継続力強化計画は位置付けられています。

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事業継続力強化計画と事業継続計画(BCP)の違い

事業継続力強化計画と事業継続計画(BCP)を混同している方も中にはいるかもしれませんが、具体的に何が違うのでしょうか。

両者の違いを一口に言えば、事業継続計画が事業を守るための総合的な防災対応などを定めた計画であるのに対し、事業継続力強化計画は企業における防災対応に関する計画の第1ステップです。

帝国データバンクの「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2020 年)」でも説明されていますが、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」「策定する時間を確保できない」などの理由から総合的な対応を定める事業継続計画の策定に難儀している企業も少なくありません。

しかし、事業継続力強化計画は事業継続計画よりも定めるべき対応などが少ないことから、事業継続計画の簡易版だと言え、初めて自社内で策定に取り組む場合でも着手しやすいようになっています。

事業継続計画(BCP)について

事業継続計画(BCP)とは、自然災害や事故などのリスク発生時に事業への被害を最小限に抑え、事業の継続または早期復旧を図るための計画のことです。

事業継続計画ではリスク発生時の対応を明確に定めておくため、防災訓練をとおして全社的に対応を浸透させておけば的確な初動対応の開始に繋がります。

もし事業継続計画を策定していない状態でリスクに巻き込まれた場合は、的確な判断が取れないばかりか、対応が遅れることで被害が拡大してしまうおそれがあるのです。

詳しく事業継続計画を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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事業継続力強化計画を提出するメリット

(出典: roobcio

事業継続力強化計画を提出し、認定されるとどういったメリットがあるのでしょうか。

この章では、中小企業庁が発表する「-中小企業等経営強化法- 事業継続力強化計画 策定の手引き」に基づいて、事業継続力強化計画を提出する企業側のメリットを説明していきます。

防災設備の導入で必要な資金の金融支援

認定を受けた事業者が事業継続力強化計画で必要な設備に資金に関しては、低利融資を受けることができます。

▼貸付金利
基準利率から0.9%引き下げ(運転資金は基準利率)

▼貸付限度額
中小企業:7億2,000万円(うち運転資金は2億5,000万円)
国民生活事業:7,200万円(うち運転資金は4,800万円)

▼貸付期間
・設備資金20年以内
・長期運転資金7年以内(据置期間2年以内)

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防災・減災設備に対する税制措置

認定された事業継続力強化計画の中で記載した設備などを導入した場合は、取得価額の20%の特別償却が適用されます。

具体的な設備などは、以下のとおりです。

▼機械や装置(100万円以上)
自家発電設備、排水ポンプ、制震・免震装置、浄水装置、揚水装置など自然災害発生時に事業活動への影響を軽減する機械や装置

▼建物附属設備(60万円以上)
自家発電設備、変圧器、配電設備、電力供給自動制御システム、貯水タンク、浄水装置、排水ポンプ、火災報知器など自然災害発生時に事業活動への影響を軽減する設備

▼器具や備品(30万円以上)
全ての器具や備品が対象

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事業継続力強化計画で記入する主な内容

(出典:mapo

この章では提出のために事業継続力強化計画で記入する主な内容を説明していきます。

事業継続力強化計画の作成に着手したいと考えている中小企業の防災担当者は、ぜひ参考にしてください。

事業継続力強化に取り組む目的

まずは事業継続力強化を図る目的を記入しておく必要があります。

「事業継続力強化を図って、事業を守る」など自社内で完結した目的ではなく、サプライチェーンに与える影響、従業員に対する責務など地域経済に及ぼす被害の軽減という観点から目的を定めなくてはならないので、注意しましょう。

自社拠点の災害リスクと被害想定

災害の被害状況を予想したハザードマップなどを活用して、事業所や工場周辺の災害リスクを洗い出しましょう。

その上でヒト(人員)、モノ(建物・設備・インフラ)、カネ(リスクファイナンス)、情報の4つの観点から具体的に自社にどのようなリスクが発生するのかを記載する必要があります。

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災害発生時の初動対応

次に災害発生直後にどのような初動対応を開始するのかを記載する必要があります。

初動対応には従業員への安否確認などがありますが、事業継続力強化計画では人命の安全確保、非常時の緊急時体制の構築、被害状況の把握・被害情報の共有も明確にすることが求められています。

災害から事業を守るための具体的な対策

(出典:事業継続力強化計画 策定の手引き

前述したでヒト(人員)、モノ(建物・設備・インフラ)、カネ(リスクファイナンス)、情報の観点から自然災害発生時に具体的にどのような対策を実施するのかを定めます。

必ずしも全ての観点で記載する必要はありませんが、上記の例を参考に定めると良いでしょう。

事業を守るためのそのほかの防災対策

(出典:Vitalii Vodolazskyi

事業と従業員を守るために事業継続力強化計画をきっかけとして防災対策の実施を進めていきましょう。

この章では企業における主な防災対策を説明していくので、ぜひ参考にしてください。

BCP・防災マニュアルを策定する

事業と従業員を守るために総合的な防災対応を定めたBCPや防災マニュアルを策定しておきましょう。

もしBCPや防災マニュアルを策定していない状態で自然災害などのリスクが発生した場合、的確な対応がとれないことで事業の早期復旧ができないばかりか、被害が拡大してしまうおそれがあるのです。

またBCPや防災マニュアルは1度策定しただけで十分に機能するとは限らないため、次に紹介する防災訓練で内容を見直す必要があります。

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定期的に防災訓練を実施する

BCPや防災マニュアルで定めた対応を従業員に浸透させるために定期的に防災訓練を実施しましょう。

しかし同じ内容の防災訓練を形骸的に繰り返しているだけでは、想定外の事態が発生した場合に十分に対応できないおそれがあります。

そのため、防災訓練で使うシナリオは火災から地震に変更するなど、訓練の度に内容を変更し、どのような状況に陥っても対応できるようにしておくと良いでしょう。

詳しく防災訓練のシナリオを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

防災訓練シナリオの基本と完成度の高いシナリオを作る方法

防災グッズを備蓄しておく

災害発生時に社員が安全に避難生活を送れるようにあらかじめ防災グッズを用意しておきましょう。

一般的に電気・水道・ガスのライフラインの復旧や人命救助が落ち着くまでに3日程度かかると言われていますが、大規模な災害が発生した場合も想定し、3日分を必要最低限とし、余裕をもって1週間分の防災グッズを備蓄しておくと安心です。

詳しく用意するべき防災グッズの種類や量を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

Withコロナで備蓄が不可欠な防災グッズの現状とその基本

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災害などのリスク情報をリアルタイムで把握できるFASTALERT

災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。

しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。

この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。

FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。

弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。

詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。

最後に

防災対策の第1歩として位置付けられている事業継続力強化計画は、様々な理由からまだ導入していない企業もある事業継続計画よりも簡易的に策定できます。

災害発生時は何が起こるのか分からないので、この事業継続力強化計画をきっかけに今から事業を守るために様々な防災対策に取り組んでいくと良いでしょう。

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