
深刻な事態に陥る同時多発火災の恐怖と実施するべき対策
目次[非表示]
- 1.消防の対応力を超えるおそれがある同時多発火災
- 2.同時多発火災につながるリスクがある主な火災の種類
- 3.企業における主な火災対策
- 3.1.BCP・防災マニュアルを策定する
- 3.2.定期的に防災訓練を実施する
- 3.3.迅速に初期消火を行う
- 3.4.感震ブレーカーを導入しておく
- 4.リスク情報を早期把握できるFASTALERT
- 5.最後に
- 6.関連お役立ち資料集
地震などの災害発生時は、同時多発火災が発生してしまうおそれがあり、被害の拡大を防ぐために平時から火災対策に努めなければなりません。
しかし、同時多発火災に備えるためにどのような対策を導入すれば良いのかと悩んでいる方も中にはいるでしょう。
そこで本記事では同時多発火災の概要や同時多発火災に繋がるリスクのある火災の種類、企業の主な火災対策などを説明していきます。
この記事を読むことで同時多発火災による被害を防ぐ対策を考える上でのヒントが分かるので、ぜひ参考にしてください。
消防の対応力を超えるおそれがある同時多発火災
同時多発火災とは、ほぼ同じタイミングで広いエリアに発生する火災のことであり、特に大規模な地震が起きた場合は同時多発火災が誘発されてしまうリスクが高いです。
同時多発火災が発生した場合は、延焼によって大規模な火災へ繋がることから消防の対応力を上回る火災に発展し、深刻な被害をもたらしてしまうおそれがあります。
防火という点では脆弱な木造密集市街地では、同時多発火災による被害が大きくなる傾向があり、内閣府の「阪神・淡路大震災教訓情報資料集【04】火災の発生と延焼拡大」で説明されているように、1995年に発生した阪神・淡路大震災では震度6以上の被害を受けた地域を中心に計285件の火災が発生しました。
当時の風速が小さかったこともあって延焼速度こそ遅かったものの、地震による水道配管の損傷によって消火栓が使用不可になり、スムーズに消火活動を行えず、大規模な同時多発火災へ発展してしまったのです。
首都直下地震でもこの同時多発火災の発生も懸念されており、自治体は消防を待たずに初期消火を開始できるように街中にスタンドパイプ(消火用機材)の設置など様々な対策に講じています。
同時多発火災につながるリスクがある主な火災の種類
では同時多発火災を引き起こす可能性のある火災には、どういった種類があるのでしょうか。
この章では同時多発火災の原因となる主な火災の種類を説明していくので、ぜひ参考にしてください。
通電火災
通電火災とは、途絶していた電気が復旧した際に暖房器具や損傷した電源コードなどが可燃物に触れていたことが原因で発生する火災のことです。
被災によって別の安全な場所へ避難中に通電火災が発生してしまうケースが多く、発生に気づきづらいため、初期消火などが行えずに大規模な火災へ発展するリスクがあります。
さらに詳しく通電火災を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
津波火災
津波火災とは、津波によって浸水した地域に発生する火災のことで大規模な延焼に繋がりやすいというリスクがあります。
津波と火災が結びつかないという方も中にはいるかもしれませんが、主に以下の原因によって深刻な被害をもたらす火災へ繋がるおそれがあります。
- 燃えた瓦礫などが津波によって車やビル、山などに漂流する
- 浸水した地域で重油タンクなどが損傷してしまう
- 津波によって建物や車などの電気設備・電子機器が損傷する
企業における主な火災対策
同時多発火災による被害を最小限に抑えるためには、一人一人が十分に火災対策を行なっておくことが重要です。
この章では企業における主な火災対策を説明していくので、ぜひ参考にしてください。
BCP・防災マニュアルを策定する
火災発生時に被害を最小限に抑えるための防災行動をすみやかに開始するためにあらかじめ防災行動の内容をBCP・防災マニュアルで定めておきましょう。
BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、災害や事故など企業における災害発生時にその影響を最小限に抑えて、事業継続もしくは事業の早期復旧を図るための計画のことです。
万が一、BCPや防災マニュアルを策定していない状態で災害などのリスクに見舞われてしまった場合は、混乱によって的確な判断ができず、被害が拡大するおそれがあるため、平時のうちに策定しておきましょう。
詳しくBCPを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
定期的に防災訓練を実施する
BCPや防災マニュアルで定めた防災行動を社員に対して十分に浸透させるためには、定期的な防災訓練の実施が欠かせません。
防災訓練ではリアリティのあるシナリオを用意した上でBCP・防災マニュアルで定めた防災行動の訓練を行なっていきますが、同じ内容を繰り返す形骸化した防災訓練では想定外の事態に巻き込まれた際に対応できなくなってしまうリスクがあるのです。
そのため、地震から火災へ対象のリスクを変更するなど、防災訓練を行う度に内容を変えて、様々な対応を浸透させていきましょう。
防災訓練で用意が必要なシナリオを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
迅速に初期消火を行う
火災発生時に消防に連絡しても到着までにタイムラグがあるので、被害の拡大を防ぐために自分たちで初期消火を行わなければなりません。
火災発生時の初期消火は、まだ火が小さいうちの最初の3分が重要で、この時間内に初期消火を実現できれば被害を最小限に抑えることができます。
しかし、無理に初期消火を続けようとすることは非常に危険であり、天井にまで火が到達してしまった場合は自分たちだけでは消火を行うことが難しくなるため、直ちに安全な場所へ避難しましょう。
詳しく初期消火の対応などを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
最初の3分が最重要な初期消火とスムーズに初期消火を行うための鉄則
感震ブレーカーを導入しておく
前述した同時多発火災へ発展してしまうおそれがある通電火災を防ぐためには、感震ブレーカーが有効です。
感震ブレーカーとは、設定値以上の揺れを検知した場合に自動的に電気の供給を遮断する機器のことであり、電気が復旧した際に起こる通電火災の発生を阻止することができます。
ブレーカーを落とすことも有効ですが、災害発生時は避難など迅速な防災行動の開始が求められていますし、場合によってはオフィス家具の転倒などによってブレーカーを触れないケースもあるため、あらかじめ感震ブレーカーを導入しておくと安心です。
リスク情報を早期把握できるFASTALERT
災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。
しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。
この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。
FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。
弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。
詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。
最後に
地震などの大規模な災害発生時は、同時多発火災によって深刻な事態に陥るおそれがあるため、平時から一人一人が十分に火災対策を行なって、被害を最小限に抑える必要があります。
この記事を参考にして、同時多発火災を想定した火災対策を平時から導入しておきましょう。