津波警報など津波情報の概要ともしものために行いたい対応

津波は車両や建築物、看板などを破壊しながら凄まじいエネルギーで押し寄せていくため、万が一、発生した場合は十分な防災対応を取らなければ深刻な被害を受けてしまいます。

津波から安全に避難できるように気象庁は津波警報などを発表していますが、津波に関する防災情報に基づいてどういった対応をとればいいのか困っている企業の防災担当者も中にはいるでしょう。

そこで本記事ではそんな方のために津波警報等の津波に関する防災情報の概要と注意点、防災情報に基づく対応などを説明していきます。

この記事を読むことで津波警報など津波に関する防災情報が発表された場合に備えてどういった対応をするべきかを把握できるため、ぜひ読み進めてください。

津波警報など津波に関する防災情報

気象庁では、地震が発生した場合に地震の規模や位置に基づいて津波の高さを予想し、約3分(一部は2分)以内に津波に関する防災情報を発表しています。

もし津波が発生した場合は、被害を最小限に抑えるためにこの防災情報をすみやかに把握して、避難などの防災対応を開始する必要があります。

この章では、津波に関する主な防災情報を具体的に説明していくので、ぜひ参考にしてください。

津波注意報

津波注意報は、0.2m以上〜1m以下の津波が発生し、被害を与えるおそれがある場合に発表されます。

0.2m以上〜1m以下の津波では、海の中で人が巻き込まれる、小型船舶が転覆する、などの被害が発生するおそれがあり、海にいる場合はただちに陸に上がって、海岸から離れる必要があります。

また津波の高さが低いからと言って決して安心とは限らず、津波は車両や看板など様々なものを破壊しながら押し寄せていくので、漂流物によって被害を受けてしまうおそれがあり、注意しなければなりません。

津波警報

津波情報は、1m以上〜3m以下の津波が発生する場合に発表されますが、巨大地震の場合は津波の高さを「高い」と表現されるのが特徴です。

M8を超えるような巨大地震の場合は、正確な地震の規模をすぐに把握することはできないため、最初の津波警報や大津波警報では、津波の高さを「高い」「巨大」と表現し、非常事態であることを伝えます。

1m以上〜3m以下の津波では、標高が低い地域は津波によって浸水被害が発生し、人が津波に巻き込まれてしまうため、特に沿岸部や川沿いにいる場合は高台や避難ビルなど安全な場所へただちに避難しなければなりません。

大津波警報

大津波情報は、予想される津波の高さが3mを超える場合に発表、巨大地震発生時は大津波警報の発表と共に津波の高さを「巨大」と表現されます。

気象庁の「津波警報・注意報、津波情報、津波予報について」で説明されているとおり、この大津波情報発表時に「巨大」と表現された場合は、東日本大震災で発生したような巨大津波クラスの津波が襲来するおそれがあるため、要注意です。

また、そうではなくても大津波情報が発表された場合は、津波によって木造家屋が全壊・流出し、人が津波に巻き込まれるなどの甚大な被害が発生するおそれがあるため、特に沿岸部や川沿いにいる場合は安全のためにすみやかに高台や避難ビルなどへ移動しなければなりません。

津波注意報であっても海抜ゼロメートル地帯は要注意

海抜ゼロメートル地帯とは、地表標高が海面や河川と同じまたはそれらよりも低い位置にある地域のことです。

堤防の設置など自治体が被害を防ぐために様々な対策を行なっているものの、海抜ゼロメートル地帯は他の地域よりも水害による被害を受けやすい傾向にあります。

特に海抜ゼロメートル地帯では0.2m以上〜1m以下の津波を予測する津波注意報であっても、堤防などが決壊した場合に洪水など深刻な被害を受けてしまうおそれがあるのです。

そのため、海抜ゼロメートル地帯にいる場合に津波注意報が発表された場合は、周囲の状況と津波に関する防災情報を十分に把握した上で的確な防災対応を行いましょう。

今回は簡易的な説明となりましたが、詳しく海抜ゼロメートル地帯を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

海抜ゼロメートル地帯の水害リスクと効果的な企業の水害対策

地形によって津波の高さが変わる

沿岸の地形によって津波の高さは異なり、場合によっては局所的に予報よりも高い津波が襲来してしまうおそれがあるため、注意が必要です。

岬や湾奥は特に津波のエネルギーが一点に集中しやすいため、湾岸よりも津波の高さが高くなる傾向があり、これに伴って深刻な被害が発生してしまいます。

また湾の形によっても津波の高さは異なり、袋型、直線海岸、U字型、V字型の順に津波の高さも高くなっていきます。

岬の場合は、津波に水深の浅い方へ曲がりながら進んでいくという性質があるため、津波の波高が高くなりやすい傾向があるのです。

そのため、津波に関する防災情報を確認した上でこれらの地形近辺にいる場合は、万が一の事態に備えて、予報よりも波高が高い津波が襲来することを考慮しておきましょう。

津波と地震の関係性

津波は地震などによって海底の地形変動が引き起こされたことで発生する現象で、火山噴火などほかにも津波が発生する原因はあるものの、津波が発生するメカニズムには大きく地震が関わっており、津波と地震は密接な関係にあります。

地震が原因で発生する津波は、主に以下のとおりです。

【地震津波】
地震に伴って発生する津波のことで、地震の規模に比例して、津波の規模も大きくなる傾向にある

【津波地震】
地震の揺れが小さいにも関わらず、大規模な津波が発生する現象のこと。海底では断層破壊が緩やかに大きく進むが、断層変動のパワーは通常と変わらないため、想定外の規模の地震が発生する

【遠地津波】
遠地(沿岸から600km以上離れた海底)で発生した地震によって、津波だけが沿岸部に襲来する現象

地震速報と津波に関する防災情報はよく確認しておく必要がありますが、津波地震が発生するおそれがあるため、地震速報で地震の規模が小さくても津波の心配をしなくて良いとは限りません。

津波地震が甚大な被害をもたらした事例としては、1896年に発生した明治三陸地震があげられます。

この地震の震度は2〜3程度であり、当時は地震と津波を関連づける考えがなかったこともあって、誰もこの地震を気に留めていませんでしたが、その後に最大遡上高38.2mを記録する巨大津波が襲来しました。

この巨大津波の襲来を予想していなかったこともあって当時の人々は逃げ遅れ、死者約22,000人、流失家屋約9,000戸を記録する深刻な被害が発生してしまったのです。

津波地震は稀な現象だとは言え、地震の規模が小さいからと楽観視して津波の襲来を想定・防災対応を開始しなければ多大な被害を受けてまうリスクがあるので、万が一のために防災情報などをよく確認しておきましょう。

津波に関する防災情報が発表された場合に備えるための対応

津波に関する防災情報が発表された場合に備えて、どのような対応を行なっておけば良いのでしょうか。

この章では津波に関する防災情報が発表された場合に備えるための対応を説明していくので、特に企業の防災担当者はぜひ参考にしてください。

BCP・防災マニュアルを策定する

企業の場合は、津波などのリスク発生に備えてBCP・防災マニュアルを策定しておきましょう。

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、自然災害や事故など企業におけるリスク発生時に事業への被害を最小限に抑え、事業の継続もしくは早期復旧を図るための計画のことです。

BCPや防災マニュアルには、事業継続の観点でリスク発生時に行うべき安全確保などの対応を明確に記載しておきますが、もし策定されていない状態でリスクが発生した場合は混乱によって対応が遅れることで被害が拡大してしまうおそれがあるため、必ず平時に策定しておきましょう。

またBCPや防災マニュアルは1度策定しただけでは十分に機能する内容に仕上がるとは限らず、定期的に開催する防災訓練で定めた対応が本当に機能するかどうかを確かめる必要があります。

詳しくBCPを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

企業におけるBCP(事業継続計画)の概要と導入する必要性

防災グッズを備蓄しておく

津波によって深刻な被害を受けた場合に社員が安全に避難生活を送れるように平時から防災グッズを備蓄しておきましょう。

一般的に災害発生時は、電気・水道・ガスのライフラインの復旧や人命救助が落ち着くまでに3日程度かかると言われていますが、冠水が続くなどの理由で避難生活が長引く場合に備えて1週間分以上の防災グッズを用意しておくと安心です。

企業の場合、東日本大震災で約515万人の帰宅困難者が発生し、人命救助の妨げや二次被害に巻き込まれるなど様々なトラブルを招いたことから以下の東京都帰宅困難者対策条例第17号などで、防災グッズの備蓄が求められています。

【東京都帰宅困難者対策条例第17号】
事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の3日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します

そのため、社員の安全を確保するために可能な限り多くの防災グッズを平時から用意しておくと良いでしょう。

詳しく防災グッズの種類や用意するべき具体的な量を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

揃えておきたい防災グッズの基本と必要な防災グッズ18選

防災で準備するべき食品「非常食」のおさえておきたい基礎知識

安否確認の手段を確保しておく

津波はいつどこで発生するのか分かりませんし、場合によっては海沿いに居住している社員が被災してしまうおそれがあるため、津波が発生した際にすみやかに社員と連絡がとれるように安否確認の手段を用意しておきましょう。

安否確認は社員の安全を確認することはもちろん、被災によって被害を受けた事業を立て直すための人員を確保するという目的があるため、事業継続の観点でも極めて重要な対応です。

電話で十分だと思う方も中にはいるかもしれませんが、東日本大震災や大阪府北部地震など過去の震災で確認されているように震災直後は安否確認の電話が集中することで回線が輻輳状態に陥り、通信規制が実施されて、一時的に利用できなくなるため、法人向けSNSやチャットツールなど安否確認の手段は複数用意しておくと良いでしょう。

また安否確認ツールを導入してもオフィスのみで操作できるようにしてしまうと広範囲にわたって被災した場合に迅速な安否確認が実現できないため、インターネットブラウザを介してどのような場所でも安否確認を行えるようにしておく必要があります。

BCP対応としての安否確認の手段をさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

BCPで安否確認が最重要な理由とその基礎知識

オフィス機能や拠点を分散させておく

工場を海沿いに構えている製造メーカーは特にですが、津波によって工場やオフィスが被災してしまった場合に備えて、事業継続の一環としてあらかじめオフィス機能や拠点を分散させておきましょう。

高台など事前に津波被害の少ない場所へオフィスや工場を移転・分散させている企業もありますが、様々な理由でそこまでのコストをかけられないといった場合は以下の対応を行いましょう。

上記の対応を並行して行なっていれば、もしオフィスが被災し一時的に機能しなくなった場合でもクラウドサービスに保存していたデータを活用してテレワークで事業継続を図ることができます。

事業継続としてのクラウドサービスを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

BCP対策でクラウドの活用が避けて通れない理由

沿岸部付近で地震が発生した場合は直ちに避難する

特に沿岸部など地震の震源地と陸地が近いと津波警報などの防災情報が津波の襲来までに間に合わないケースがありますし、津波は沖合いでジェット機並(時速約800km)、陸地に近づいて減速した場合でも車に匹敵する速度(時速約36km)で襲来するため、目視で確認してからでは避難がとても間に合いません。

そのため、沿岸部付近で地震の揺れを少しでも感じた場合や津波警報などの防災情報が発表された際は、津波が近づいている様子を確認できなかったとしても安全のためにすみやかに高台や避難ビルなどに向かう必要があります。

また、津波は1度の襲来で終わるのではなく、複数回にわたって発生するのが特徴であり、最初の津波よりも後で発生した津波の波高の方が高い場合もあります。

避難後になかなか次の津波が来ないからと元の場所へ戻ることは得策ではなく、被害に巻き込まれてしまうリスクが高まるため、避難後も警報などが正式に解除されるまでは安全な場所から離れないようにしましょう。

リスク情報などの早期把握ができるFASTALERT

災害発生時は、意思決定に基づいた初動対応をすみやかに開始するために、被害状況などの情報収集を行わなければなりません。

しかし、災害発生時はリソースが限られた状況の中で情報を精査しなければならず、場合によっては対応しきれないおそれがあり、これによって的確な対応ができない可能性があります。

この状況を解決するために自治体や企業では、AI情報収集サービス「FASTALERT」が活用されています。

FASTALERTは、自然災害・事故・事件など自治体や企業におけるリスクが発生した場合にAIが正誤を分析した上でほぼリアルタイムでサービス利用者に提供する仕組みです。

弊社ではFASTALERTの紹介資料やSNSで炎上が起きる理由など、企業や自治体の防災担当者が抱えるお悩みを解決するために防災に関する資料を幅広く用意しています。

詳しくご覧になりたい方は、「防災お役立ち資料」から資料をお気軽にダウンロードしてください。

最後に

すみやかに津波から避難できるように気象庁から発表されている津波警報など津波に関する防災情報ですが、安全のためには津波に関する注意点をあらかじめ把握した上で防災情報を確認することが必要不可欠です。

この記事を参考に万が一、津波が発生した場合に備えて的確な対応を迅速に行えるようにしておきましょう。

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