自治体の受援体制を定めた受援計画と自治体における事例5選

自然災害の被害を受けたことで自治体の対応に限界が生じた場合に迅速に受援を要請できるように日本政府が受援計画の策定を求めています。

しかし、自治体担当者の中には必要性を感じていても、事例が見つからないなどの理由で具体的にどのように定めるべきなのか悩んでいる方も中にはいるのではないでしょうか。

今回はそんな自治体担当者のために受援計画の概要と受援計画を策定する自治体の主な事例などを説明していきます。

この記事を読めば受援計画の事例が分かるので、受援計画を策定する上で役立つでしょう。

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※本記事で使用している写真は、一部を除いてAdobe Stockで取得しています。

被災した自治体が支援を受けるための「受援計画」とは

(出典:cacaroot

受援計画とは、災害発生時に被災した自治体がほかの公共団体や民間団体から人的・物的支援を受け入れるための手順や体制を定めた計画のことです。

地震などの自然災害によって自治体が被災してしまうと、救助や復旧等に対応する職員や物資が不足することで円滑な防災対応ができなくなり、地域の被害が拡大してしまうおそれがあります。

過去の災害でも被災によって自治体の対応に限界が生じた事例は複数確認されており、こうした状況を踏まえて日本政府は「地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドライン」を発表し、自治体に受援計画の策定を求めています。

被災した自治体の対応に限界が生じた主な事例

(出典:L.tom

次に自治体が被害を受けたことでスムーズに防災対応を進められなかった事例を説明していきます。

より効果的な受援計画を策定するためにも教訓として参考にしてください。

東日本大震災

この災害では、防災拠点である自治体庁舎や対応を行う職員が津波などによって被災し、多くの自治体で連携を図るための行政無線が使えなくなりました。

そればかりか道路損傷など交通インフラが被害を受けたことによって、被災から逃れた職員も思うように応援に駆けつけられず、自治体機能が想定以上に低下してしまったのです。

津波や放射能汚染によって自治体機能を移転せざるを得なくなった自治体も多数ありましたが、いちから役所づくりを始める必要があり、こうした限られた状況の中では被災者支援などを十分に対応できない事態に陥りました。

熊本地震

この災害では、東日本大震災を教訓として被災した自治体の要請を待たずに物資を送るプッシュ型支援が初めて実施されました。

プッシュ型支援によって被災地には多くの物資が到着しましたが、受け入れる建物が被災していたことや対応する職員の不足などによって被災者のもとへ物資を迅速に提供できない事態となってしまったのです。

また日本経済新聞の「熊本地震の罹災証明申請、4万7千件超 職員不足で発行に遅れ 」でも説明されているとおり、被災した家屋の状況を調査できる職員が不足していたことにより、被災者が支援を受けるための罹災証明書の発行までに時間を要しました。

自治体の担当者必見!受援計画を導入する自治体の事例5選

(出典:patpitchaya

では、具体的にどの自治体が受援計画を導入しているのでしょうか。

この章では自治体における主な受援計画の導入事例を説明していくので、これから策定したいと考えている自治体担当者はぜひ読み進めてください。

【大阪府吹田市】吹田市受援計画

大阪府吹田市では、災害発生時に備えて「吹田市受援計画」が策定されています。

地域防災計画の下位計画として受援の対応を定めると共に業務継続計画を実施する際に不足した人的・物的資源を確保するための計画として位置付けられています。

受援の対応や体制を明記しているだけでなく、この受援計画ではPCDAサイクルに基づく改定と以下の定期的な訓練や研修で受援力を向上を図っているのが特徴です。

さらに担当者や連絡先等の確認や輸送拠点のレイアウトの見直しなどを定期的にアップデートすることで、災害発生時に対応できるようにしています。

【神戸市】災害受援計画

神戸市では、今後の発生が懸念される南海トラフ地震などの大地震に備えるために「災害受援計画」が導入されています。

阪神淡路大震災や東日本大震災で受援と支援の両方を行なった経験に基づいて、この災害受援計画では、次の4点を重視して策定されているのが特徴です。

【情報処理】
支援を受け入れるためには情報提供が重要であるため、被害状況や部署で完結できる業務を災害対策本部に報告する

【指揮調整】
応援受入本部との調整や応援職員などに明確な指示を出すために受援担当者を定め、指揮系統を明確にする

【現場対応環境】
現場で活動するために必要なスペースの確保や応援職員がスムーズに活動できるように地図や業務フロー、資機材などを整備する

【民間との協力関係づくり】
災害発生時には行政と民間が役割分担して対処することが重要であるため、事前に協定などを結ぶ、業務委託を行うなどの対応を実施する

【三重県津市】津市災害時受援計画

三重県津市では、災害発生時に円滑に支援を受け入れて、早期復旧を図るために「津市災害時受援計画」が策定されています。

津市は、受援体制を効果的に機能させるために以下の3点を明確にすることが重要であると考え、これらを中心に対応や体制が定められているのが特徴です。

また建物等の応急危険度判定や上下水道の応急復旧など受援が必要な業務があらかじめ定められているほか、想定される受援の人的・物的支援の時期を明記し、的確に対応できるようにしています。

【熊本県熊本市】熊本市災害時受援計画

熊本県熊本市では、熊本地震での対応による教訓を踏まえて「熊本市災害時受援計画」が策定されています。

災害発生時の初動期・応急期・復旧期を対象とし、市民の安全を確保や業務継続を実現するために以下の点が基礎的な考えとして明記されています。

【応援要請を躊躇しない】
受援の範囲や内容が具体的に定まっていない場合でも、市民の安全を優先して応援要請をする

【応援職員に丸投げしない】
応援を要請しても受援側の業務には受援側の責任があるため、丸投げはせずに役割分担をする

【職員を疲弊させない】
適切な職員配置や健康管理を配慮することで効率的に業務継続を図る

【宮城県仙台市】仙台市災害時受援計画・応援計画

宮城県仙台市では、東日本大震災で受援体制が不十分であったことを反省し「仙台市災害時受援計画」が策定されました。

被災後の受援体制や対応を定めた上で人的・物的資源を最大限に活かすことを目的として作成されており、「仙台市業務継続計画」とは相互補完関係にあります。

応援職員の受け入れに関しては各部・区本部が主体的に実施できるようになっているのが特徴ですが、どのようなフローで要請するのかが明確に定められています。

また受援を必要とする業務ごとに「受援業務個別シート」が用意されており、スムーズに対応できるように工夫されています。

災害発生時に情報収集で活躍するFASTALERT

(出典: taa22

地震などの自然災害発生時に受援・支援するためには、情報収集で状況を具体的に把握することが重要です。

しかし災害が発生すると限られた状況の中で対応する必要があり、場合によっては現地に赴いて情報収集を行うことが難しい、その他の対応で十分に情報収集を行えない、といった課題が発生するおそれがあります。

そこで今回ご紹介したいのが、自然災害の被害状況などをスムーズに情報収集できるFASTALERTです。

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最後に

過去の災害でも確認されているように場合によっては自治体が被災することで市民を守るための防災対応が十分に行えない事態へ発展してしまうおそれがあります。

災害はいつどこで発生するのか分からないため、平時から受援計画を定め、どのような事態に陥った場合でも対応できるようにしておくと良いでしょう。

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