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的確な復旧対応を進める上で鍵となる災害時の目標復旧時間と適切な時間を決めるためのポイント

災害発生後に事業を迅速に復旧させるためには、適切な目標復旧時間の中で復旧対応をす進めていくことが必要不可欠です。BCPなどでも重視されている目標復旧時間ですが、具体的にどのように定めるべきなのか困っている企業の防災担当者も中にはいるでしょう。

今回はそんな方のために目標復旧時間の概要と定める上でのポイント、セットで考えるべき目標復旧レベル、そのほかの防災対策などを説明していきます。この記事を読むことで適切な目標復旧時間を定められるようになるので、ぜひ最後まで読み進めてください。

BCPの実行や復旧対応を行う上で重要な目標復旧時間

自然災害や事故などのリスク発生後は、安全確保などの後で事業を立て直すための復旧対応を行いますが、復旧対応を効率的に進める上では明確な目標復旧時間を定めておきましょう。

目標復旧時間(RTO:Recovery Time Objective)とは、災害などのリスクによって事業が停止してしまった場合に「いつまでに復旧するのか」を定める指標のことであり、秒・時間・日で設定し、例えば目標復旧時間が1日であれば1日以内に企業の存続を図る上で重要な業務の復旧対応を完了させます。

目標復旧時間を定める上では、以下のいずれかの条件の中で業務の最大許容停止時間(MTPD:Maximum Tolerable Peroid of Disruption)に基づいた時間を設定していきましょう。

  1. 納期遅延による取引先からのペナルティ
  2. 取引先・顧客との信頼関係を喪失してしまう期間
  3. 企業の財務要件 など

①の場合、契約であらかじめペナルティが決まっていれば、取引先と相談した上でペナルティが発生するまでの期間内で復旧対応の完了を目指します。②に関しては、例えば製造メーカーである場合に取引先に部品を供給できない期間が長ければ商品の生産に多大な悪影響を与えてしまうおそれがあり、これによって同業他社に乗り換えられてしまう可能性が高いので、信頼関係が喪失してしまう期間を考慮して早期復旧を図る必要があるのです。

③は、災害などのリスク発生によって業務が停止すると利益が途絶などで苦しい状況に陥りますが、復旧コストや従業員への賃金などが支払わなければなりません。そのため、企業の資金が業務・サービスの停止に耐えられる期間の限界も把握しておくことが重要です。

しかし、目標復旧時間の設定だけではどの程度まで復旧させれば良いのか分かりませんし、一度にリスク発生前の状態へ復旧させようとすると結果的に迅速に復旧対応ができない可能性が高いので、まだこれだけでは不十分と言えます。

復旧対応を開始する上では目標復旧時間と一緒に目標復旧レベル(RLO: Recovery Level Objective)も定める必要があります。目標復旧レベルとは、業務・サービスをどの程度まで復旧させるのかを定める指標のことです。

目標復旧レベルは%で表され、目標復旧時間が1日で目標復旧レベルが50%であれば、1日以内に50%の業務・サービスを開始できるように復旧させる必要があります。

もちろん目標復旧レベルを100%に近づければ近づけるほど完全な復旧になっていきますが、それに比例して復旧コストもかかりますし、それよりは50%など最低限の業務を開始できる状態にした方が迅速な事業継続を図れます。

また目標復旧時間の選定をトップダウン方式・ボトムアップ方式で決める方法もあります。ボトムアップ方式では現場の状況を最も理解している担当部署が目標復旧時間を決め、トップダウン方式は企業全体を考える上層部が優先して復旧させるべき業務にあたる部署と相談して目標復旧時間を定める方法です。

ボトムアップ方式は特定の現場が中断した場合の影響が把握しづらく適切な目標復旧時間を定めることが難しいケースもあるため、基本的にはトップダウン方式で目標復旧時間を定めていくと良いでしょう。

ビジネスインパクト分析で優先して復旧させる重要業務を特定する

前述したように目標復旧時間と目標復旧レベルを事前に定めた上で復旧対応を進めていきますが、企業の存続を図る上で優先して復旧させるべき業務・サービスはどのように把握すれば良いのでしょうか。

そんな場合に役立つのが、災害などのリスク発生によって業務が中断した場合に事業が受ける影響を分析・評価するビジネスインパクト分析(BIA:Business Impact Analytics)です。

災害などのリスク発生時は、その被害によって経営資源(ヒト・カネ・モノ)が想定以上に失われてしまい、限られたリソースを事業継続を図る上で特に重要な業務の復旧に集中させなければなりません。

そのため、ビジネスインパクト分析で事前に企業への影響度が高い業務を特定するビジネスインパクト分析の実行が重要です。ビジネスインパクト分析の中でも目標復旧時間の選定は含まれていますが、主に以下のプロセスで進めていきます。

このビジネスインパクト分析を実施すると適切な目標復旧時間を設定できることはもちろん、優先する重要業務、復旧対応に必要な経営資源などが明確に分かるので、業務の中断による悪影響を最小限に抑えることができるので、事前に行なっておくと良いでしょう。

今回は簡易的な説明となりましたが、詳しくビジネスインパクト分析を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

ビジネスインパクト分析がBCPに欠かせない理由

事例や過去の経験に基づく目標復旧時間の設定が失敗に終わる理由

上記のようにビジネスインパクト分析で特定した優先して復旧するべき業務やステークホルダーとの関係、納期遅延のペナルティなどに基づいて適切な目標復旧時間を設定する必要がありますが、もし他社事例や過去の経験に従って目標復旧時間を設定した場合は時間内に復旧対応が終わらず混乱を招くおそれがあります。

というのも事例として参考にすることはできますが、あくまでも他社事例や過去の経験であるため、必ずしも同じ状況に陥るとは限らないからです。同じようなリスクに思えたとしても、ほんの少しの違いによって復旧対応の内容や目標復旧時間が異なります。それにリスクは事業の状況にあわせて常に変化していくという特性をもっているため、一概に他社や過去の事例が今の自社の状況に当てはまるとは言えません。

そのため、他社事例や過去の経験を参考にした目標復旧時間は適切ではないと考えられるので、発生し得るリスクを洗い出した上で必ず自社の今の状況に基づいた目標復旧時間を定めておきましょう。

企業の損失を防ぐために実施しておきたい主な3つの防災対策

復旧対応はリスク発生後の対応であり、あくまでも目標復旧時間も復旧対応を効率的に進める指標でしかありません。

もちろん復旧対応の内容や目標復旧時間を定めることも事業を守る上では必要不可欠ですが、災害などのリスクによる被害を最小限に抑えるためには効果的な防災対策を事前に導入しておくことも重要です。

この章では、そんな企業で有効となる主な防災対策を説明していくので、特に企業の防災担当者はぜひ参考にしてください。

BCPや防災マニュアルを策定しておく

災害などのリスク発生時に事業と従業員を守るためには、あらかじめBCPや防災マニュアルを策定しておきましょう。BCPとは、災害や事故などのリスク発生時に事業への影響を最小限に留め、事業継続または早期復旧を図るための計画のことです。

BCP・防災マニュアルにはリスク発生時の対応も明確に定めておきますが、万が一、策定されていない状態でリスクが発生すると混乱が生じることで適切な防災対応ができないばかりか、対応が遅れることでさらに被害が拡大してしまうおそれがあるため、事前に策定しておくと良いでしょう。

またBCP・防災マニュアルは1度の策定で完璧な内容になるとは限らないため、定期的にBCP・防災マニュアルで定めた対応を訓練で浸透させる中で、その都度「本当に機能している」のかを確かめる必要があります。

詳しくBCPを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

コロナ禍でBCPが重視される理由と策定する上でのポイント

防災グッズを確保しておく

災害などのリスク発生時は、何が起こるのか分からず、特に大規模な自然災害に見舞われてしまった場合は一時的に避難生活を送る状況に陥ることも想定されます。そんな場合は従業員が安全に避難生活を送れるようにある程度の防災グッズを確保しておきましょう。

一般的に電気・ガス・水道などのライフラインの復旧や人命救助が落ち着くまでに3日程度かかると言われていますが、大規模な災害によって避難生活が長期化する場合に備えて3日分を必要最低限とし、余裕をもって1週間分の防災グッズを用意しておくことが望ましいです。

2011年の東日本大震災では約515万人の帰宅困難者が発生したことで救命救助の妨げになるなど数々のトラブルが発展しました。これによって企業の場合は、東京都帰宅困難者対策条例条例17号などで安全を確保するために帰宅困難者となった従業員の一時的な帰宅の抑制と防災グッズの備蓄が求められています。

【東京都帰宅困難者対策条例条例17号】
事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の3日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します

努力義務と記載されているように現時点では、この条例を破ったことに対する罰則は特に設けられていません。しかし企業にはこの条例のほかに労働契約法第5条によって従業員に対する安全配慮義務が課せられています。

【労働契約法第5条】
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする

もしコストなどが問題となって一切の防災グッズを用意していなかったことが起因となって従業員が被害を受けてしまった場合、安全配慮義務違反として法的責任を問われ、損害賠償金をその従業員に対して支払わなければなりません。従業員の安全を確保するためにも万が一の事態に備えて、可能な限りの防災グッズを確保しておくと良いでしょう。

詳しく用意するべき防災グッズの種類や量などを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

揃えておきたい防災グッズの基本と必要な防災グッズ18選
Withコロナで備蓄が不可欠な防災グッズの現状とその基本

リスク情報を収集する

自然災害などのリスク発生時は市区町村が発表する防災情報を確認するほか、リスクによる被害状況を具体的に把握した上で、事業への被害を最小限に留めるために初動対応を開始する必要があり、きちんとリスク情報を把握していなければ適切な初動対応にならない可能性があります。

リスク情報の収集手段は自治体が発表する防災情報やテレビ、ニュースなど様々ですが、近年は個人だけでなく自治体や企業でもSNSを利用したソーシャル防災が活用されています。

SNSには発生したばかりの事象がテキスト・映像・写真などと共にほぼリアルタイムで投稿される傾向があり、報道機関さえも取材のためにSNSを活用するほど今ではテレビやラジオと肩を並べるほどの影響力を持っています。

SNSを活用すれば取引先や地域周辺の被害状況もSNSで調べることができますし、リスク発生から初動対応開始までのタイムラグを最小限に抑えられますが、災害発生時は特に悪質なデマや誤った情報も拡散されやすいというSNS特有の課題を抱えているのが現状です。そのため、SNSでリスク情報を調査する場合は決して情報を鵜呑みにはせず、情報の裏付けをとった上で共有すると良いでしょう。

自然災害など幅広いリスクを収集・分析するFASTALERT

自然災害などのリスクによる被害を最小限に抑えるためには迅速にリスク情報を把握しておく必要があり、万が一リスク情報の確認が遅れると初動対応の開始が遅くなるため、場合によっては被害の拡大へつながるおそれがあります。

しかしリスクと一口に言ってもリスクは自然災害や事故、異物混入、システム障害など、その種類は多岐にわたります。リスクによる被害を抑えようと多くのリスクを収集しようとすればするほど、リスクの種類にあわせたツールの導入など人的・時間的コストがかかりますし、人の目だけではどうしても必要なリスク情報の取り漏らしが発生してしまうのです。

では、どのようにリスク情報をスムーズに収集していけば良いのでしょうか。近年、人的・時間的コストをかけずに様々なリスク情報を迅速に収集するために企業や自治体でFASTALERTなどのAI緊急情報サービスが導入されています。

BCPや防災対策などを目的としてすでに全ての民放キー局や大手報道機関、一般企業、自治体で幅広く導入されているFASTALERTは次の4つのメリットがあるため、迅速なリスク情報の収集と初動対応を開始することができるのです。

【FASTALERTの4つのできる】
・災害などのリスク情報がAIによってほぼリアルタイムで検知できる
・報道ではカバーしきれない地域などの細かい情報も入手できる
・1つのサービスで自然災害、事故、事件など幅広いリスクを調査できる
・現地に行かなくてもテキスト、映像、写真で状況が把握できる

Twitterをはじめとした様々な場所から“報道前”のリスク情報を検知・分析し、サービス利用者に提供しています。

例えばFASTALERTでは2019年9月5日の京急脱線事故を事故発生から1分後に第1報を検知・サービス利用者に情報提供していましたが、これはテレビの報道よりも1時間15分ほど早かったことが分かっています。

報道で知れば良いと思う方もいるかもしれませんが、事象の発生から報道までに大きなタイムラグが空きますし、当事者の場合はこのリスクの把握と初動対応の遅れによって被害が拡大してしまうおそれがあるのです。

迅速なリスク情報の収集は事業の被害を抑えるための初動対応を開始する上では必要不可欠なので、リスク情報の収集をスムーズに行いたいとお考えの担当者さまは、ぜひFASTALERT基本紹介資料から資料をお申し込みくださいませ。

【サービス資料で分かる3つの内容】
・これまでFASTALERTが検知した主なリスク情報一覧
・業種ごとのFASTALERTの活用シーン
・現在ご利用いただいている企業さまのレビュー

FASTALERTは、企業・自治体のお客様専用のサービスとなります。
※ソーシャルリスクレポートなどその他の資料は、こちらの資料ダウンロードからご覧ください。

最後に

事業継続を図るためには目標復旧時間を定めた上で復旧対応を進めていくことが重要であり、ここが曖昧な状態であればスムーズな復旧対応には取り組めません。

また事業や発生するリスクの状況はそれにあわせて変化していくため、条件を把握した上でこの機会に適切な目標復旧時間が設定されているのか、無理なく達成できる目標復旧時間なのか、などを十分に見直すと良いでしょう。

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