安全な避難のタイミングを知らせる大雨特別警報と被害を軽減するための豪雨対策5選

毎年のように日本では豪雨が発生しており、ニュースなどで大雨特別警報をご覧になった方もいるでしょう。しかし大雨特別警報などの防災情報を正しく認知していない方も少なからずいるはずです。

この記事ではそんな方のために大雨特別警報の概要と警戒レベル・警戒レベル相当情報との関係、効果的な豪雨対策などを説明していきます。この記事を読むことで大雨特別警報など防災情報に対する理解が深まるので、ぜひ読み進めてください。

豪雨による危険性を知らせる大雨特別警報

国土交通省の世界平均の2倍、日本の降水量によれば日本における年の平均降水量は1,718mmであり、世界の平均降水量880mmの約2倍に相当するのです。

この降水量などが原因となって毎年のように日本では豪雨による水害が起きており、内閣府が発表する市町村のための水害対応の手引きで語られていますが、平成18年から平成27年の10年間に一度も水害が発生していない地域は、全市区町村1,741のうち、わずか60市町村しかありません。

気象庁が発表する特別警報の発表基準についてで説明されているとおり、「台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予想される場合」に気象庁によって大雨特別警報が発表されます。

この定義でありながら大雨特別警報は頻繁に発表されており、違和感を覚えた方も多いのではないでしょうか。これについては気象庁がよくある質問集で「数十年に一度とは地域ごとにみた場合のものであり、全国的にみた場合には、年に1~2回程度あるかもしくはないかの頻度になります。」と回答しています。

大雨特別警報・警戒レベル・警戒レベル相当情報の関係

気象庁が発表する大雨特別警報は、警戒レベル5相当情報に該当します。警戒レベルとは気象庁・市町村が発表する防災情報のことで、以下の5段階にレベル分けされています。

【警戒レベル1(気象庁が発表)】
防災情報を確認するなど災害に備える必要がある

【警戒レベル2(気象庁が発表)】
安全な避難場所・避難経路を確認しておく

【警戒レベル3(市町村が発表)】
高齢者や身体の不自由な方、その支援者は避難する。その他の方は避難の準備を始める

【警戒レベル4(市町村が発表)】
全員避難とも呼ばれ、安全な場所へ避難する

【警戒レベル5(市町村が発表)】
すでに災害が発生している状況であり、命を守るために最善の行動をとる

警戒レベル3から避難が必要ですが、災害の状況によっては段階を踏まずにレベルが上昇する場合もあるため、早めの避難を心がけることが重要です。

また警戒レベル4は全員避難とも呼ばれることがありますが、これは決して全員が避難所に向かわなければならないという意味ではありません。分かりやすく言えば安全な場所へ避難する必要があるという意味であり、警戒レベル4が発表された地域の中でも災害による危険性が高い場所にいる方が避難所などへ向かう必要があるのです。防災情報を確認した上で自宅が安全であることが分かっていれば、在宅避難を選ぶことができます。

警戒レベル相当情報とは、国土交通省・気象庁・都道府県が発表する防災情報のことであり、以下の4段階に分類されています。

【警戒レベル2相当情報】
氾濫注意情報に相当

【警戒レベル3相当情報】
大雨(土砂)警報、洪水警報、氾濫警戒情報、高潮注意報に相当

【警戒レベル4相当情報】
土砂災害警戒情報、氾濫危険情報、高潮特別警報、高潮警報に相当

【警戒レベル5相当情報】
大雨特別警報、氾濫発生情報に相当

基本的に警戒レベル相当情報が発表された後で警戒レベルが発令されますが、警戒レベルの最終的な判断は市町村が担当するため、必ずしも警戒レベル相当情報が流れてきたからと言って警戒レベルが発表されるとは限りません。

万が一、警戒レベル相当情報が発表された場合は、警戒レベルで推奨されている行動も参考にしておきましょう。

豪雨に備えておくための防災対策5選

ここまで大雨特別警報の基礎知識を説明しましたが、大雨特別警報が発令された場合に備えて日頃からどのような対策を実施しておけば良いのでしょうか。この章では効果的な豪雨対策を説明していきます。

BCP・防災マニュアルを策定しておく

豪雨など企業を取り巻くリスクに備えてBCP・防災マニュアルを策定しておきましょう。BCPとは災害や事故などのリスク発生時にその被害を最小限に抑え、事業継続または早期復旧を図るための計画のことです。

災害などのリスク発生時に備えてあらかじめ対応を明確に定めておきますが、BCP・防災マニュアルが作成されていないままリスクが発生すると混乱が生じることで適切な判断ができず早期復旧が図れないおそれがあるだけでなく、被害が拡大してしまう可能性があります。

これまでのBCP・防災マニュアルは今ある経営資源(ヒト・カネ・モノ)に基づいて対応が決められている傾向がありましたが、コロナ禍の現在ではリスク発生時に新型コロナウイルスの影響で想定以上に経営資源が不足するおそれがあるため、経営資源自体にリスクが発生した場合の対応も定めておくと良いでしょう。

詳しくBCP・防災マニュアルを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

コロナ禍でBCPが重視される理由と策定する上でのポイント
コロナ禍で導入するべき防災マニュアルの基礎知識と策定手順

ハザードマップを確認する

豪雨など自然災害による状況を把握しておくために事前にハザードマップを確認しておきましょう。ハザードマップとはあらかじめ自然災害の状況・範囲を予測し、安全な避難場所・避難経路を記載した地図のことであり、水害や地震など災害別に国土交通省や自治体に容易されています。

注意点としてはあくまでも今まで発生した災害履歴に基づく予見にすぎず、実際の災害発生時は安全とされていた避難場所・避難経路も被災してしまうおそれがあるため、複数の避難場所・避難経路を選んだ上で常に防災情報を確認しておきましょう。

避難方法を明確にする

避難方法を明確にした上で状況に応じてどの避難方法を選ぶべきなのかを定めておきましょう。水害発生時の避難方法には主に水平避難と垂直避難の2種類があります。

【水平避難】
今いる場所から避難所など安全な場所へ移動する

【垂直避難】
オフィスや自宅の高層階へ避難する

通常は水平避難を選びますが、今いる建物の浸水がすでに始まっているなど切羽詰まった状況では垂直避難を行います。ハザードマップでも浸水深の目安が分かりますが、水害発生時に無理に水平避難すると危険が伴うので、どのようなタイミングで垂直避難へ切り替えるべきなのかをよく考えておきましょう。

防災グッズを備蓄しておく

水害発生時に備えて防災グッズを確保しておきましょう。一般的に電気・水道・ガスのライフラインの復旧や人命救助が落ち着くまでに3日程度かかると言われています。広範囲にわたる災害が発生した場合も想定し、3日分を必要最低限とし余裕をもって1週間分の防災グッズを用意しておきましょう。

企業の場合は2011年の東日本大震災で約515万人の帰宅困難者が発生したことを機に東京都帰宅困難者対策条例条例17号などで政府から帰宅困難者の一時的な帰宅の抑制を目的として防災グッズの確保が求められています。

【東京都帰宅困難者対策条例条例17号】
事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の3日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します

努力義務とあるようにこの条例を破ったとしても現時点では罰則を受けることはありませんが、企業には労働契約法第5条で従業員に対する法的な安全配慮義務が課せられています。

【労働契約法第5条】
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする

防災グッズを一切用意してなかったことが原因で万が一従業員が被害を受けた場合は、安全配慮義務違反として法的責任を問われ、損害賠償金を支払う必要があるので、従業員を守るためになるべく多くの防災グッズを用意しておくことが重要です。

またコロナ禍の現在では多くの企業でテレワークが実施されていますが、従業員が自宅での垂直避難を選んだ場合、氾濫などによって電気・ガス・水道・トイレの復旧が長引くおそれがあるため、1週間分の防災グッズを従業員の自宅に用意しておくように促しておきましょう。

リスク情報を日頃から収集する

平時はもちろん、災害などのリスク発生時は適切な初動対応を行うために迅速で正確なリスク情報の収集が必要不可欠です。リスク情報を収集する手段には防災情報、テレビやラジオなどの報道がありますが、近年はSNSを使ってリスク情報を収集・発信するソーシャル防災が企業や自治体で注目を集めています。

SNSに投稿されたリスク情報は報道よりも早く投稿されていることが多く、現地に出向かなくても災害の状況がテキスト・映像・写真で分かるという利点があり、今では報道機関でも取材のために活用され始めているのです。

ただしSNSに投稿されたリスク情報の分析は難しく、分初動対応の開始までにタイムラグが空いてしまう問題があり、効率的に分析するためにFASTALERTなどのSNS緊急情報サービスの普及が企業や自治体で広まっています。

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【FASTALERTの4つのできる】
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迅速なリスク情報の収集は事業の被害を抑えるための初動対応を開始する上では必要不可欠なので、リスク情報の収集をスムーズに行いたいとお考えの担当者さまは、ぜひFASTALERT基本紹介資料から資料をお申し込みくださいませ。

【サービス資料で分かる3つの内容】
・これまでFASTALERTが検知した主なリスク情報一覧
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最後に

日本では毎年のように豪雨などによる水害が発生しており、前述したように10年間で一度も水害が発生していない地域は、1,741市区町村のうちわずか60市町村しかありません。

そのため、どのような地域であっても水害は軽視できるものではなく、事前に対策しておくことが重要です。大雨特別警報などの防災情報を正しく認知し、適切な対応ができるようにしておきましょう。

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