企業で新型コロナ感染者が出た際の対応と公表する上での鉄則

新型コロナウイルスに感染する方は増え続けており、コロナ禍の現在では自社の従業員がいつ感染してもおかしくありません。

しかし、従業員が新型コロナウイルスに感染した場合、どのように対応すれば良いのか分からず、困っている企業担当者も中にはいるでしょう。

この記事ではそんな担当者のために感染者を発表する企業の現状、自社で感染者が発覚した場合の具体的な対応などを解説していきます。

この記事を読むことで、感染者の対応を行う上でのポイントが分かるので、ぜひ読み進めてください。

感染が拡大し続ける新型コロナウイルスと公表する企業への誹謗中傷

2020年5月25日をもって日本国内の緊急事態宣言が解除されましたが、依然として新型コロナウイルスの感染拡大が進んでおり、今月8月1日〜12日の全国新規感染者数は※合計で15,034人、平均では1,253人です。

新型コロナウイルス最新感染状況マップの新規感染者数で計算

新型コロナウイルス対策を企業で徹底していたとしても必ず感染を防げるというものではありませんし、感染者が増え続ける今の状況ではいつどこで従業員が新型コロナウイルスに感染してしまっても決しておかしくありません。

コロナ禍で自社の従業員が新型コロナウイルスに感染していたことを感染防止のために公表する企業もありますが、朝日新聞の『岩手初の感染者に中傷続く 知事「鬼になる必要ある」』でも語られているとおり、企業の不祥事ではないにも関わらず、苦情や根拠のない誹謗中傷や悪質なデマの拡散などをされてしてしまう場合も増えているのです。

朝日新聞の同記事で紹介されているケースでは岩手初の新型コロナウイルス感染者と盛岡市に住む男性が勤める企業は、従業員の感染確認後に同社のHPで不安を取り除くために状況説明をしました。

しかし、その直後から感染者となった従業員と企業への誹謗中傷や差別的な発言などの問い合わせが殺到したことで、一時的にHPのサーバーがダウン。その後、感染者となった従業員を特定しようとする動きも出てきたため、同企業は一時的にHPを閲覧停止にしたのです。

この状況を受けて、岩手県の達増拓也知事は感染者へのバッシングを咎め、読売新聞の「ネットで感染者中傷、岩手県が書き込みを画像保存…訴訟時の証拠に」で説明されているとおり、名誉毀損などで起訴できるようにインターネット上に投稿された誹謗中傷や根拠のないデマ等の発言を画像保存するなどの対策が岩手県で進められています。

企業で新型コロナウイルス感染者が発生した場合の3つの対応

きちんと日頃から新型コロナウイルス対策を実施していることが前提となりますが、万が一、企業の従業員が新型コロナウイルスに感染してしまった場合はどのように対応すれば良いのでしょうか。

この章では企業で新型コロナウイルス感染者が出たと発覚した場合の対応を説明していきます。

感染者に休業指示を出す

新型コロナウイルスの症状が出ている、集団感染が発生した場所に立ち寄っていたことが発覚すれば、その時点で企業に相談・検査を受けさせるようにしましょう。検査の結果を待って陽性であれば、医師や保健所の判断に従って感染リスクがなくなるまで感染者となった従業員に休業してもらいます。

厚生労働省が発表する「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」で説明されているとおり、新型コロナウイルス感染による休業の場合は都道府県知事が行う就業制限であるため、一般的には使用者(企業)の都合による休業には該当せず、従業員に対して休業手当を支払う必要はないと考えられているのが現状です。

また勤務中や通勤途中など業務に起因して新型コロナウイルスに感染したと判断された場合は、労災を申請することができますし、業務に起因していなくても被保険者に加入していて要件を満たせば各保険者から傷病手当を受け取れます。

傷病手当では休業して3日を経過してから直近12ヶ月の標準報酬日額の3分の2が支払われるので、従業員の状況をよく確認しておくと良いでしょう。

濃厚接触者の把握と消毒

次に社内や外部の濃厚接触者を把握するために感染者となった従業員に対して体調を配慮しながら、メールなどで直近14日間の行動履歴を具体的に確認していきます。

その後、感染者となった従業員と業務などで関わっていたと考えられる濃厚接触者をリストアップし、14日間の自宅待機・テレワークまたは検査の指示を出しましょう。

一般社団法人淡路市医師会が発表する「新型コロナ感染症 濃厚接触者の新しい定義 (国立感染症研究所感染症疫学センター)4月27日」によれば、濃厚接触者の定義は以下のとおりです。

【濃厚接触者に該当する方】
・患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等)があった者
・適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護もしく介護していた者
・患者(確定例)の気道分泌物もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・その他:手で触れることのできる距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策無しで、患者(確定例)と15分以上の接触があった者

出典:新型コロナ感染症 濃厚接触者の新しい定義 (国立感染症研究所感染症疫学センター)4月27日

また新型コロナウイルスに感染していても主な症状が現れない無症状に陥っているおそれもあり、無自覚のまま周囲に感染を拡大させてしまうケースもあるので、企業での集団感染を防ぐためには少しでも体調が悪い従業員も検査を受けさせておくと安心です。

そしてドアノブやデスク、照明のスイッチ、共有して使っている備品など感染者や濃厚接触者が触れていたと考えらえる箇所を感染拡大を阻止するために徹底的にアルコール消毒しておきます。

感染者が出たことをきちんと公表する

帝国データバンクが発表する「従業員の新型コロナウイルス感染、約370社が公表 臨時休業や在宅勤務など感染防止策で増加ペースは鈍化」によれば、2020年6月12日時点までに新型コロナウイルスの感染者が発覚したことを公表した上場企業は377社です。

リスク発生後に情報開示などを行うことをクライシスコミュニケーションと言いますが、企業や感染者となった従業員に対する誹謗中傷や悪質なデマなどを流されることをおそれて公表しないと後に事実が明らかになった際に「隠そうとしていた」などの誤解を受けて、さらに深刻な事態に陥ってしまう可能性があります。そのため、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するためにきちんと企業で感染者が発生したことをHPなどで公表しましょう。

もちろん感染者となった従業員の個人情報などが特定されないように配慮することが最も重要であり、厚生労働省健康局結核感染症課が発表する「一類感染症が国内で発生した場合における情報の公表に係る基本方針」によれば、以下の情報は公表しないとしています。

感染者が発生したことに対する誹謗中傷や根拠のないデマを流されるおそれもありますが、新型コロナウイルス対策を徹底していても感染はいつどこで起きても決しておかしくはなく、あくまでも企業の不祥事ではないので、きちんと感染拡大を防ぐために情報開示しながらも毅然とした態度で対応しましょう。

新型コロナウイルス感染状況や自然災害などリスク情報の収集をサポートする「FASTALERT」

前述したように感染者が発生したと公表した場合、企業や感染者となった従業員に対する誹謗中傷や根拠のないデマを流されるケースもありますし、新型コロナウイルスの感染を防ぐためには感染が報告された施設などのリスク情報を日頃から収集しておくことが必要不可欠です。

近年、人的・時間的コストをかけずに様々なリスク情報を迅速に収集するために企業や自治体でFASTALERTなどのAI緊急情報サービスが導入されています。

BCPや防災対策などを目的としてすでに全ての民放キー局や大手報道機関、一般企業、自治体で幅広く導入されているFASTALERTは次の4つのメリットがあるため、迅速なリスク情報の収集と初動対応を開始することができるのです。

【FASTALERTの4つのできる】
・災害などのリスク情報がAIによってほぼリアルタイムで検知できる
・報道ではカバーしきれない地域などの細かい情報も入手できる
・1つのサービスで自然災害、事故、事件など幅広いリスクを調査できる
・現地に行かなくてもテキスト、映像、写真で状況が把握できる

Twitterをはじめとした様々な場所から“報道前”のリスク情報を検知・分析し、サービス利用者に提供しています。

FASTALERTでは2019年9月5日の京急脱線事故を事故発生から1分後に正確な情報を検知・サービス利用者に情報提供していましたが、これはテレビの報道よりも1時間15分ほど早かったことが分かっています。

これが人海戦術であった場合は、リスク情報の認知に時間がかかる可能性が高く、もしリスク情報を見つけたとしても「このリスク情報が本当に正しいのか」を分析した上で見極める必要があるため、情報の入手から共有や初動対応の開始にタイムラグが空いてしまうおそれがあり、場合によってはその遅れによって被害の拡大へつながる可能性があるのです。

迅速なリスク情報の収集は事業の被害を抑えるための初動対応を開始する上では必要不可欠なので、リスク情報の収集をスムーズに行いたいとお考えの担当者さまは、ぜひFASTALERT基本紹介資料から資料をお申し込みくださいませ。

【サービス資料で分かる3つの内容】
・これまでFASTALERTが検知した主なリスク情報一覧
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FASTALERTは、企業・自治体のお客様専用のサービスとなります。
※ソーシャルリスクレポートなどその他の資料は、こちらの資料ダウンロードからご覧ください。

まとめ:企業で新型コロナウイルス感染者が発覚した場合は公表することが重要

感染が拡大し続けている新型コロナウイルスですが、対策を徹底していてもいつどこで従業員が感染してもおかしくはありません。

万が一、企業で感染者が発生した場合は、感染拡大を防ぐためにも直ちに情報開示を行ない、それを受けて始まった誹謗中傷や悪質なデマなどのリスクに対しては毅然とした態度で対応していくことが重要です。

リスクに備えて新型コロナウイルス対策だけでなく、自社で感染者が発生した場合の対応も事前に定めておくと良いでしょう。

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