もし帰宅困難者がやむを得ずに帰宅・移動する場合はどうするべきなのか?企業における帰宅困難者の対応5選

災害発生時は安全のために帰宅困難者となった従業員の一時的な帰宅の抑制が企業に求められていますが、コロナ禍の現在は分散避難が推奨されていますし、場合によっては帰宅困難者が帰宅・移動を選ばざるを得ない状況に陥るケースも想定されます。

しかし、帰宅困難者となった従業員が帰宅・移動する場合の対応を具体的にどのようにすれば良いのか分からず、困っている企業の防災担当者も少なからずいるでしょう。

そんな方のために今回は帰宅困難者の概要と分散避難、帰宅困難者が帰宅・移動する場合の主な対応などを具体的に説明していきます。この記事を読むことで帰宅困難者対策を考える上での参考になるので、ぜひ読み進めてください。

企業に求められている帰宅困難者の対応と分散避難

企業の場合、東日本大震災で約515万人の帰宅困難者が発生し、様々なトラブルが発生したことで災害発生時は安全のために帰宅困難者となった従業員の一時的な帰宅の抑制とオフィスに滞在するための防災グッズの確保が以下の東京都帰宅困難者対策条例などで求められています。

【東京都帰宅困難者対策条例条例17号】
事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の3日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します

コロナ禍の今の状況下では、自然災害の発生で避難先で集団感染が発生することが危惧されており、避難所などは早急に対応を行なっています。例えば避難所で避難者同士のフィジカルディスタンス(身体的距離)を十分に確保するためには、避難者の収容人数を半減させる必要があり、自宅や知人宅、ホテル・旅館など様々な場所へ分散して避難する分散避難が推奨されているのです。

この対応は企業も把握しておく必要があり、災害発生時にオフィスで集団感染が発生することを防ぐために十分に従業員同士のフィジカルディスタンスを確保できない場合は、一部の従業員に安全な場所へ分散避難指示を出す可能性があります。

また災害発生時にオフィスが被災によって安全な状態ではない場合、ほかの場所へ避難する必要があるため、災害発生時に混乱が生じないように帰宅困難者となった従業員が帰宅・移動する際の対応もあらかじめ把握しておくことが大切です。

企業における帰宅困難者が帰宅や別の場所などへ避難する場合の5つの対応

万が一オフィス内で十分にフィジカルディスタンスを確保できない、今いるオフィスなどの場所が危険な状態で他の場所へ向かう必要があるなどの理由で帰宅困難者となった従業員が帰宅・移動しなければならない状況に陥るケースもありますが、その場合はどのような点に注意すれば良いのでしょうか。

この章では帰宅困難者となった従業員が帰宅・移動する場合の対応を詳しく説明していくので、特に企業の防災担当者はぜひ参考にしてください。

災害の被害状況などの情報収集をする

まずは災害の被害状況や防災情報を把握しておきましょう。企業側はもちろん、帰宅困難者となった従業員自身も帰宅・移動中にその都度、情報収集することが重要です。

ニュースや自治体などが発表する防災情報など情報収集をする手段は様々ですが、近年は個人だけでなく自治体や企業で災害発生時の状況を把握するためにSNSが活用されています。

SNSには発生したばかりの事象・事件がほぼリアルタイムで投稿されるだけでなく、現地にいなくてもテキスト・映像・画像で詳細な状況が分かるため、災害発生時の状況を迅速に把握するためには非常に役立つのです。

この利点から近年はBCPや防災対策で自治体・企業でSNSで情報収集が行われているほか、報道機関も取材のために活用していることが多いですが、災害発生時は特に悪質なデマ情報や誤った情報も拡散されやすいという大きな抱えています。そのため、SNSに投稿された情報を決してそのまま鵜呑みにはせず、きちんと情報源の調査や事実確認などを行なうことが重要です。

帰宅・移動のタイミングを分散する

災害発生時に帰宅困難者となった従業員が一度に帰宅・移動してしまうと幹線道路での渋滞などのトラブルに発展するおそれがあるため、少しでも渋滞を減らすために少人数のグループごとに分けて帰宅・移動のタイミングを分散すると良いでしょう。

帰宅困難者となった従業員を一斉に帰宅・移動させる企業が多ければ、幹線道路で渋滞が発生することで人命救助の妨げになったり、群衆雪崩に巻き込まれたりするおそれがあるのです。周囲の状況を把握した上で、可能な限りリスクを減少させるために少人数グループに分け、帰宅・移動のタイミングを分散させましょう。

防災グッズを確保する

帰宅困難者となった従業員が安全に帰宅・移動できるようにあらかじめオフィス内に防災グッズを確保しておきましょう。一般的に電気・水道・ガスなどライフラインの復旧や人命救助が落ち着くまでに3日程度かかると言われていますが、大規模な災害によって避難生活が長期化する場合も想定して、3日分を必要最低限とし、余裕をもって1週間分の防災グッズを確保しておくことが望ましいです。

またコロナ禍や働き方改革でテレワークを実施している企業が多く、場合によっては従業員の在宅中に災害が発生するおそれもあります。そのため、オフィスに防災グッズを確保しておくことはもちろん、従業員が安全に避難生活を送れるように従業員の自宅にも十分な量の防災グッズを備蓄しておくように伝えておくと良いでしょう。

詳しく防災グッズの種類を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

Withコロナで備蓄が不可欠な防災グッズの現状とその基本

連絡の手段を用意しておく

従業員の状況を把握するために法人向けSNSやチャットツールなど電話やメール以外の連絡手段を事前に用意しておきましょう。電話やメールで十分だと考えている方も中にはいるかもしれませんが、東日本大震災など過去に起きた災害で確認されているように災害発生後は安否確認などで電話回線が輻輳状態に陥ることで通信規制が実施され、一時的に利用できなく可能性が高いのです。

また災害はいつどこで発生するのか分からず、上長が被災してしまったり、休日に発生したりするおそれがあるのです。そのため、それぞれの従業員の上長以外にも連絡をとる担当者は複数人選んだ上で、インターネットブラウザでどのような場所でも利用できるチャットツールなどの連絡手段を確保しておきましょう。

災害時帰宅支援ステーションなどを確認しておく

帰宅困難者となった従業員が安全に帰宅・移動できるようにあらかじめ災害時帰宅支援ステーションや一時滞在施設などの場所を確認しておきましょう。災害時帰宅支援ステーションとは、帰宅困難者の徒歩による帰宅を支援する施設のことであり、「災害時における帰宅困難者支援に関する協定」を締結したコンビニエンスストアやファミリーレストラン、ガソリンスタンド、学校などが災害発生時に災害時帰宅支援ステーションとして機能します。

災害発生時に災害時帰宅支援ステーションとなる施設には、ステッカーが貼ってあるほか、東京都防災ホームページの東京都防災マップなどのように自治体が発表する地図で事前に場所を調べられるので、確かめておくと良いでしょう。

災害発生時は災害時帰宅支援ステーションでは、帰宅困難者に対する以下の支援を受けることができます。

しかし地震などの災害発生時は、災害時帰宅支援ステーションも被災するおそれがあり、深刻な被害を施設が受けている場合は災害時帰宅支援ステーションとしての活動を始められないケースもある点に注意してください。

災害の被害状況などリスク情報の収集をサポートする「FASTALERT」

自然災害などのリスクによる被害を最小限に抑えるためには迅速にリスク情報を把握しておく必要があり、帰宅困難者となった従業員が帰宅・移動するのであれば、安全を確保するためにより正確なリスク情報を共有しなければなりません。

しかし災害発生時は様々な情報が入り乱れるため、人の目による分析だけでは正誤の判断が難しく時間がかかりますし、どうしても必要なリスク情報の取り漏らしが発生してしまいます。

では、どのようにリスク情報をスムーズに収集していけば良いのでしょうか。近年、人的・時間的コストをかけずに様々なリスク情報を迅速に収集するために企業や自治体でFASTALERTなどのAI緊急情報サービスが導入されています。

BCPや防災対策を目的としてすでに全ての民放キー局や大手報道機関、一般企業、自治体で幅広く導入されているFASTALERTは次の4つのメリットがあるため、迅速なリスク情報の収集と初動対応を開始することができるのです。

【FASTALERTの4つのできる】
・災害などのリスク情報がAIによってほぼリアルタイムで検知できる
・報道ではカバーしきれない地域などの細かい情報も入手できる
・1つのサービスで自然災害、事故、事件など幅広いリスクを調査できる
・現地に行かなくてもテキスト、映像、写真で状況が把握できる

迅速なリスク情報の収集は事業の被害を抑えるための初動対応を開始する上では必要不可欠なので、リスク情報の収集をスムーズに行いたいとお考えの担当者さまは、ぜひFASTALERT基本紹介資料から資料をお申し込みくださいませ。

【サービス資料で分かる3つの内容】
・これまでFASTALERTが検知した主なリスク情報一覧
・業種ごとのFASTALERTの活用シーン
・現在ご利用いただいている企業さまのレビュー

FASTALERTは、企業・自治体のお客様専用のサービスとなります。
※ソーシャルリスクレポートなどその他の資料は、こちらの資料ダウンロードからご覧ください。

最後に

災害発生時は二次被害に巻き込まれるのを防いだり、人命救助の妨げになったりしないように帰宅困難者の一時的な帰宅の抑制が企業に求められていますが、災害はいつどこで発生するのか分かりませんし、状況によっては帰宅困難者となった従業員が帰宅・移動せざる得ない場合もあるのです。

テレワークで普段からオフィスで働く従業員を減らすなどの帰宅困難者対策を行いつつ、万が一、帰宅困難者となった従業員が帰宅・移動を回避できない場合の対応も明確に定めておくと良いでしょう。

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